今年の2月に私立成蹊小学校のホールで、「東京私立初等学校協会」の先生方に江戸東京野菜のお話しをしたご縁で、成蹊小学校の山本剛大先生が、東京の伝統野菜に興味を持たれていることを知り、7月に同校に伺ったことは報告した。
同行したのは、成蹊小学校から大学まで成蹊学園で学んだ升本喜就さん。
お仕事で衛星開発に携わったという技術者で私と同い年。
国際宇宙ステーションでNASAの女性宇宙飛行士ペギー・ウィットソンが、2017年から「東京べかな」の栽培試験を始めたことを仕事柄いち早く知り、升本さんも固定種「東京べかな」の栽培を始め、今年で3代目の採種を行っているという方、
今年、平凡社新書から出した「江戸東京野菜の物語」を早速買っていただいたが、「東京べかな」の事は、一行もなかったことから、平凡社にお手紙をいただいた。これでご縁が出来たもの。
同校で江戸東京野菜の話をすることになったことから、OBとして升本さんに小学校の頃からの夢だった「衛星の話」「東京べかな」の話をしてもらったらと、山本先生に提案したもので、9月16日に升本さんの授業が行われることになった。
成蹊小学校のホールには、「こんにちは!!」と、元気よくマスクをした4年生126名が入ってきた。
帰国子女も大勢いて、東京の農業から説明に入った。
特に成蹊小学校が練馬区と隣接する事から、江戸東京野菜の代表的な野菜「練馬大根」について、
練馬大根は、江戸城の北、現在の北区、板橋区、練馬区は城北と呼ばれ、火山灰土が深く柔らかいことから、長い野菜がよくでき、1メートル級の練馬大根、滝野川ゴボウ、滝野川ニンジンが収穫された。
こんなに長く大きいものが、栽培できれば生活が楽になると、練馬大根などの種は、江戸土産として全国に持ち帰られた。
又、ウドは、同校のある武蔵野市では江戸時代後期から「吉祥寺ウド」として栽培が始まったもので、冬に枯れて、休眠した根株を掘り上げて、穴蔵で栽培する、一連の栽培経過をパワーポイントで説明した。
児童たちは、印象に残ったことを、床に置いたノートに盛んにメモしていた。
数年前から「江戸東京野菜の候補種」として温めている「東京べかな」。
その、栽培経過を2017.1.24、NASAのツイッターから紹介。
2017.2.9 宇宙ステーションでキャベツを育てています。
私は地球上でのガーデニングが大好きです。それは宇宙でも同じくらい楽しいです。もっと植えるには、もっと部屋が必要です!(キャベツとあるが写真は東京べかな)
ペギー・ウィットソン(Peggy Whitson)のツイッターの写真から紹介した。
写真左の東京べかなは小平市の農家宮寺光政さんが栽培したもの。
2019年2月12日、科学で女性を祝う。
科学に情熱を傾けているなら、星に手を伸ばしてください! 科学的な貢献が宇宙探査で人類を前進させる、将来の世代の女性たちがここにあります。
NASAの女性宇宙飛行士が、東京べかなを、国際宇宙ステーション(ISS)で栽培している写真が、大スクリーンに映し出されると、みんな注目した。
また、2020年代(2029年まで)に、日本人宇宙飛行士が月面着陸メンバーに入ったこと紹介したが、帰国子女の皆さんも驚いていた。
45分の授業で、30分を江戸東京野菜、10分をNASAの東京べかな栽培
残りの5分を質問に割り振ったが、たくさん質問をいただいた。
4年生の皆さん、ありがとうございました。
9月16日の升本先生の授業は楽しくなるだろう。
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大学と高校の馬術部(馬場)の右奥に小学校の圃場があった。
草が繁っていたが、これから草を刈って4年生と5年生が播種するそうで
5年生には、東京の麦を栽培させたいと山本先生は話しておられた。
東京伝統の麦には、ビール麦の「金子ゴールデン(練馬)」「柳久保小麦(東久留米)」「宗兵衛裸麦(八王子)」、があることを紹介した。
圃場の脇には、毎年カレーライスに使うウコンが栽培されていた。