2020年10月27日

東京都中央卸売市場淀橋市場では、荷受や卸等、関係者で淀橋市場戦略推進委員会を結成しているが、 この程、江戸東京野菜の勉強会を開催した。


東京都中央卸売市場淀橋市場(小堺恵場長)では、淀橋市場戦略推進委員会を結成しているが

今月初めの戦略推進委員会では集荷力・販売促進部会の役員と、JA東京中央会の江戸東京野菜普及推進室、練馬の生産者井之口喜實夫さんを招いて協議したが、江戸東京野菜の勉強会をすることになったと、連絡をいただいた。

淀橋市場では毎月第三金曜日に「イチバの日」として消費者対策のイベントを行っているが、今年の2月に東京都の指導もあって、江戸東京野菜の販売を推進しようと ”ごせき晩生小松菜” を販売したが、消費者に十分な説明ができなかったという。

昨年12月に、中央会の江戸東京野菜普及推進室では、”江戸東京野菜を「見る」「獲る」「知る」「食べる」まるごと体験しよう” のイベントを足立区で実施したが、それに参加された淀橋市場青果卸売協同組合の宇田川進副理事長の推薦もあり、江戸東京野菜の勉強会に招かれたもの。






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淀橋市場戦略推進委員会では、10月25日(日)に、卸、仲卸、買参、市場協会、東京都を集め、「江戸東京野菜の魅力と実力」として、淀橋市場で開催し、宇田川副部会長の進行で始まった。

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勉強会に先立って、部会長の東京新宿ベジフル(株)・小島和弘代表取締役専務は、「淀橋市場では、例年ならこの日は ”市場まつり” が開催され数万人の消費者で賑わいますが、新型コロナウィルスの感染が心配されることから中止し、この日を利用して、東京の伝統文化を今に伝える「江戸東京野菜の勉強会」を開催することになりました。

今後、江戸東京野菜の販売にチャレンジしていきたいと思っています。
」と挨拶された。

来賓として東京都農林水産部園芸緑化担当の玉藤さやか課長代理、江戸東京野菜推進室の水口均さん、武田直克さん、が紹介された。

また、特別ゲストとして、生産者の井之口さんが紹介され、昨年の大嘗祭では東京の代表の一人として、キャベツを庭積机代物として奉献したと紹介された。

また、元青果商で、現在奥多摩でワサビ栽培やのらぼう菜を栽培している下田義夫さんも紹介された。
東京都青果物商業協同組合本部青年会では、伝統野菜プロジェクトの草間壽子先生を招いていた。





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都青果物商業協同組合と江戸東京野菜とのご縁として、2015年に全国青果物商業協同組合の東京都大会が開催された時、主催者が江戸東京野菜のブースを作ったことを改めて紹介した。

また、2017年、東京都青果物商業協同組合本部青年会が実施した八百屋塾の企画には、辻説法のようなことで協力したが、会場には飯塚高史会長(八百屋塾実行委員長)も見えていた。

そして現在、江戸東京野菜の流通を担っている青果商「果菜里屋」の取り組みについても紹介したが、会場には高橋廣道社長、芳江さんご夫妻も見えていた。

江戸東京野菜については、練馬大根等、粋な江戸っ子は白首大根について、給食用に練馬大根ひっこ抜き競技大会が開催されている。
伝統小松菜のごせき晩生小松菜と、交配種F1の小松菜との違い、夏野菜として寺島ナスによるまち興しの様子など、そして、井之口さんが栽培している早稲田ミョウガと早稲田ミヨウガタケについても紹介した。





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若干の休憩を取って、質問をお受けした。
始めに仲卸の方が、
地球の温暖化の中で昔の気候風土に適した野菜は、栽培は大変だろうと思うが、・・・
まさに、今年のような、長雨、日照不足、そしてその後の、連日の猛暑は、伝統野菜ばかりが一般野菜にも影響が出た。

季節限定の伝統野菜は、確かに難しいが、貴重な江戸東京野菜は「旬」のわかる野菜として、生産者は努力されています。
農業資材の発達もあり、旬の時期は、少しづつずれていくことになる。

小売屋さんで、練馬の八百屋さんから、
江戸東京野菜は50品目もあるようだが、どの野菜から取り組めばいいか、知りたい。
中央会が普及奨励をしているのが、伝統小松菜のごせき晩生、金町コカブなどで、東京都でも栽培マニュアルを作っている。
流通も課題になっていることを水口さんから答えた。

江戸東京野菜は季節ごとにある野菜で、春は「ノラボウ菜」夏野菜としては「寺島ナス」、
秋には「早稲田ミョウガ」「内藤カボチャ」「千住ネギ」などがある。

デリバリーも含めて荷受の、東京新宿ベジフルから、
東京の農家の産物をいかに円滑に、集荷できるかを考えている。江戸東京野菜を周年で提供するのは、可能かどうか

江戸東京野菜は、F1種とは異なり季節限定で、月初めから月末までという注文通りには収穫できないものです。逆にそこが売りで、「江戸東京野菜」、または「東京の野菜」として、今日はこれが入ったというような、販売の仕方になると思います。

伝統野菜は、日程通りには栽培できないもの、揃いの悪い物、これは前提だと云う事をお話しした。

新宿の青果店から質問、
新宿の甲州街道沿いで、東京の野菜を販売しているところがあるが(東京あぐりパーク)、あそこに、持ってくる流通網を活用できないものか、

水口さんは、JA東京グループが、実施していることなので、早急に内部調整をしていきたいと述べた





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今年度から江戸東京野菜推進室に勤めている武田さんが、流通等について説明された。
流通業の中で、飲食店や、小売業の方々に対しても、補助事業がある。
また、飲食店や、小売業者を、生産者の元にご案内して、栽培している野菜を紹介する事業も行っている。
江戸東京野菜関係のイベント事業についても補助していきたいと説明された。

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最後に、小堺場長は「生産者と流通の部分の橋渡しが重要で、本日、江戸東京野菜について知り得たことで、消費者の理解を賜るようにご活用いただきたい」と、閉会の挨拶をされた。


今回の勉強会は、宇田川副部会長が進行をされたが、江戸東京野菜に対する率直な意見が出しあえる舞台回しだった。有難う御座いました。


追録

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淀橋市場の隆盛を見守る内田秀五郎先生
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posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 食育・食農・講演会等
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