2020年12月22日

八代将軍吉宗と南町奉行・大岡越前守忠相、そして本草学者・青木昆陽のご縁を小石川で確認した。


南町奉行・大岡越前守忠相は享保19年(1734)本草学者・青木昆陽の「蕃薯考」を幕府に上申したが、これを読んだ八代将軍吉宗は、青木昆陽にサツマイモの試作栽培を行わせた。

試作地には、江戸小石川の養生所(現小石川植物園)と、天領であった下総国馬加村(現千葉市花見川区幕張町)に、上総国不動堂村(山武郡九十九里町)が選ばれた。

その後、天明、天保と続く大飢饉が発生した時、サツマイモによって多くの人々が救われた。







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50年も前、学生の時に調べ物があって、
東大の附属小石川植物園に行ったが
甘藷試作跡の碑の前で友人と写真を撮ったが、後で写真を見たら
文字がわからずにただ大きな石が写っていたのを思い出した。

自然石に、「甘藷試作跡」と彫り込まれているようだが、
デコボコの自然石だけに読みづらい。

上の画像をタップする
「甘藷試」まではかろうじて読めたが、
「作跡」の文字は、写真に撮ったが読み取れなかった。

大正10年(1921)に建立したが、サツマイモの色に似た部分が斑に
なっていて、横から見るとサツマイモとも思える形をしていた。
どこから出土した石なのか・・・・・わからない。






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説明板「甘藷試作跡」には

「青木文蔵(昆陽)は、江戸附近でも甘藷(サツマイモ)の栽培ができるならば、利益も大きく飢餓の時の食料作物としても役立つと考え、享保20(1735)年に幕府に進言し許可を得て、この地で栽培を試みました。
この試作は成功し、やがて全国的に甘藷が栽培されるきっかけとなりました。大正10(1921)年にこの業績をたたえる記念碑が建てられました」とある。

全国的に甘藷が栽培されるようになるが、江戸では焼きいもブームが訪れる。その芋は「川越芋」で川越で栽培されるようになるにも、物語があった。

因みに、青木昆陽は、私が高校2年まで住んでいた下目黒に晩年は住んでいたことから、墓地は目黒不動尊にある。






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東京大学大学院理学系研究科附属植物園案内図

尚 監修をした「サツマイモ大図鑑(あかね書房)」の
予約が始まった。







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説明板「旧養生所の井戸」には

「小石川養生所は貧困者のための施療所で、町医者小川藍船の意見により、享保7(1722)年につくられ、明治維新の時に廃止されるまで続いた。この旧養生所の井戸は現在も残っており、水質が良く、水量も豊富で、大正12(1923)年、関東大震災の時には避難者の飲料水としておおいに役立った。」とある。


綱吉の貞享元年(1684)小石川御殿に薬園が設けられる

吉宗は享保の改革で町奉行大岡忠相に小石川の薬園内に
養生所を作らせた。

養生所は一般庶民向けの病院で町奉行の支配下に置かれた。
そして、享保20年には養生所の隣に甘藷の試作地を用意している。

上の画像をタップする
寒桜の老樹が花を咲かせて、井戸まで枝を伸ばしていた。




追録

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 説明板「精子発見のイチョウ」には

「明治29(1896)年平瀬作五郎はこの雌の木から採取した若い種子において精子を発見した。それまで種子植物はすべて花粉管が伸長し造卵器に達して受精するものと思われていたので、この発見は世界の学界に大きな反響を起した。昭和31(1956)年、精子発見60周年を記念して、この木の根元に石碑が建てられた。
このイチョウの精子発見は池野成一郎のソテツ精子発見とともに日本の近代植物学の発展期における最大の貢献といわれている」とある。





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説明板「精子発見のソテツ」には

上の画像をタップする
このソテツは、正門を上がったところにある。

池野成一郎が研究に用いた鹿児島市内に現存する株の分株で、
鹿児島県立博物館のご厚意によって分譲されたものである。





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「日本庭園」については
上の画像をタップする

「徳川五代将軍綱吉の幼時の居邸であった白山御殿と蟻川能登守の屋敷跡とに残された庭園が往時の姿をとどめる庭園である。造園師の名はわからないが、その作法は遠州派の流れをくむもので、自然の地形をたくみに利用し、おとなしい石組や地割のなかに、すぐれた技術がうかがわれる。江戸時代の代表的な庭園のひとつといわれている。」

posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | さつまいも
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