今年の2月に、三國清三シェフから、リッキービジネスソリューション(株)が、東京の農業の視察をするというので協力してほしいと電話があった。
三國シェフは、東京の代表的ハーブ農家、ニイクラファームや、奥多摩わさび、秋川牛などの名前を挙げたので、奥多摩まで行ってきたことは紹介した。
東京の代表的ハーブ農家、ニイクラファームは、オーナーの新倉庄次郎さんが40年ほど前に野菜栽培から先進的農業として、ハーブ栽培に切り替えた先駆者で、洋食、和食に限らず名だたる料理人に提供している。
西武新宿線田無駅のホームの端から、ニイクラファーの農地がみえるが1.65ヘクタールで、ハーブで46種、野菜類14種類が出荷されている。.
オーナーの新倉さんにはご無沙汰していたが、収穫作業をされていた。
皆さんには、後継者の大次郎さんが説明をされた。
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リッキービジネスソリューション(株)、澁谷耕一代表取締役(右下)
露地栽培の冬葉のセージを囲んで、大次郎さんが説明。
枯れ草と間違えるが、葉は生きていて水分がとんでいるぶん、
味は濃い。
露地は寒さで甘みが濃い。
参加者は勧められてパセリの葉をちぎって食べていた。
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左はイタリアンパセリで、右はチャービル(セルフィーユ)で、
枯葉の中にグリーンの葉、これも食べると甘く、食べやすい。
ハーブは、自然栽培がよく、肥料のやり方は難しい。
肥料加多になりやすく、ハーブは野生に近いことから
基本的に肥料はいらない。
大次郎さんの足元にあるのはラデッシュ。
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稲には、水稲と陸稲があるように、クレソン(左)にも、
水辺に生えるものと、畑作のクレソンがあり、
ニイクラファームでは畑作のクレソンを栽培している。
水辺のクレソンも、川辺で栽培するならともかく、
衛生上水耕栽培が多く、この場合、風味が弱い。
ルッコラ(右)は、ゴマ味が人気の野菜で、家庭用とは違って、
サイズで注文が入る。
和食と、イタリアン、シャブシャブも大きいサイズが好まれる。
大きいルッコラは、ルゲッタと呼ばれる。
ルッコラには、
ルッコラ・セルバチコ、ワイルド種ルッコラセルバチコ、
花芽付きワイルド種ルッコラセルバチコなどに分けている。
花は、ゴマの味が強く、サラダに散らすだけでも違う。
イタリアンでよく使われる。
葉を一枚いちまい茎からもいで出荷する。
一年で腰のあたりまで伸びるという。
地中海沿岸では崖地などに、写真のように生えている。
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葉に穴が開いているが、虫が食べたわけではない、
冬場にヒヨドリやスズメなどが、葉の柔らかいところだけを
啄んだ痕だ。
これから新芽が出る季節で、ブロツコリーに似た花芽をつける。
花芽は、イタリア料理でも煮崩れしない。
ニイクラファームには、細葉と丸葉があり、若干香りも異なる。
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めいめいが葉をもいで、香りをかいでいた。
料理人の中には、乾燥ローリエしか知らない方もいて、
生葉を知ると、はまるケースが多いとか。
シェフの中には、生葉を好みに合わせで乾燥させて使っていて、
市場では細葉が多いが、丸葉は柑橘の匂いが強く、
デザートのソースなどに使われている。
4月〜5月にかけて花が咲く、この時期の葉は上品な香りがする
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ナスタチュームは、涼しい所を好む半蔓性植物で、
寒さと暑さに弱い。
これから花が咲き始め梅雨が終わるころから、
暑くなると葉が焼けるなど花も小休止、秋になると花が咲く。
これから暖かくなると、花が咲き始める。
同じハウスに、マスターレッドとマスターグリーがあり、
間もなく抽苔が始まり花か咲くようだ。
大次郎さんの話は、興味深い話で、ハーブの物語といっていい。
聞き逃さずに、この話をお客さんに伝えてほしい。
それは、料理人の財産で、あの人の料理を食べたいにつながる。
直接無理なら、SNSもあり、やり方は色々あるはずだ。
追録
名刺交換をした方々、順不同
学士会館の時田太料理長、金井健治さん、恵比寿「笹岡」笹岡隆次店主、プラスリーポールポギューズ銀座・星野晃彦料理長、プラスリーポールポギューズ大丸東京店・鈴木啓太料理長、ヴイラ・デ・マリアージュ多摩南大沢・井村貢総料理長、CieloyRio・宮本光料理長、代官山ASOチェレステ日本橋店・菊池恒毅料理長、庭のホテル東京・木内昭博料理長、協和物産(株)・古田準営業部長、MEAL WORKS・上原一晃さん。
江戸東京野菜について、興味を持って調べたというシェフ。
50種もあるというと驚いていた。
この時期は、亀戸大根に早稲田ミョウガのミョウガタケ
早稲田ミョウガタケもハーブですと、2月の写真を見せた。
食べてみたいという。
学士会館の時田料理長は、
マスクをしていて気が付かなかったが、お会いしていて、
当ブログで紹介していた。