2021年05月21日

第1回「全国伝統野菜教育サミット」が開催され、東京、長崎、鹿児島の小学校の先生方がZoomで参加された。


4月23日、鹿児島大学農学部附属農場技術専門職員の中野八伯さんからショートメールが届いた。

5月15日(土)にZOOMで「全国伝統野菜教育サミット」を開催し、東京、長崎、鹿児島の小学校の先生方が、伝統野菜の授業での取り組みを発表するようで、サミットのはじまりの言葉をお願いできないでしょうか、とあった。

当ブログでも紹介した、「東西野菜対決」が昨年の9月に鹿児島のさつま芋と桜島大根、東京の小松菜の対決が行われたときも、参加させていただき、発言もさせていただいた。

総合学習の授業で伝統野菜を推進している立場として勉強になったことから、お引き受けした。





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元鹿児島大学教育学部附属小学校教諭で現在は鹿児島県教育委員会「大島教育事務所」の小薗博臣主査がコーディネーターで10時から始まった。

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小薗先生は第1回全国伝統野菜教育サミットの趣旨を紹介、


 伝統野菜を使った教育実践やカリキュラム開発に関わる情報交換を通して,伝統野菜を使った教育実践やその価値を広げるとともに,教員のカリキュラム開発能力を高めることをねらいとする。

サミットを主催する会「Edu-K-1」についても紹介された。
鹿児島の教育をブランド化するため、伝統野菜の復活プロジェクトを掲げて、
地域社会と学校のマッチング、
地域素材の教材か支援、
教育支援アドバイザーの紹介、
単元、授業づくりのサポートなど・・・、

今回は、東京、長崎、鹿児島をオンラインで結んで、それぞれの地域での実践について討議していくという。





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コーディネーターの小薗先生から、開会に当たって伝統野菜について、指名をされた。

伝統野菜を知らない方もいるというので、
・・・大切なことは、在来作物や固定種の野菜で、種をまき、できたものを食べ、そこからできた種をまた蒔く、というように、今日まで、種を通して命が伝わってきた野菜です。

今日、皆さんが食べている野菜の多くは、交配種、いわゆる一代雑種というもので、種屋さんが作った種ですから、その種からは同じ野菜ができない、常に種屋さんから種を買ってくるというもの・・。

また、長崎、鹿児島、東京が、伝統野菜でつながりがあることも、紹介した。
長崎のお雑煮には欠かせない、唐人菜は、長崎白菜として江戸に伝わり、鹿児島の江南竹は江戸の薩摩藩邸に植えられ、孟宗竹と呼ばれるようになる。また、指宿の山川大根は練馬大根が伝わったもの等・・・

続いて、中野先生は、鹿児島の伝統野菜の種を80種も採種して守っている方で、鹿児島大学附属小学校の伝統野菜の授業に協力していて、伝統野菜を教材として使っていただくことは、残すうえでベストな方法と思っているという。





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実践等の発表の初めは、長崎県対馬市立小学校教諭 畑島英史教諭で、対馬の「仁田いものカリキュラム開発への挑戦、

仁田地域を紹介、仁田川流域で栽培放棄地が増えている。2013年に1.5haあったが、小学校が協働耕作地に7aなったことで、耕作放棄地は0.3haに減少した。

耕作地では自家消費用に里芋の仁田いもが所々に栽培され、周りはそばが栽培されている。

対馬市 島おこし協働隊の吉原知子さんは栽培していて、仁田いもは先祖代々栽培されているが起源はわからない、特徴は、粘り気や甘味が強く、親芋が他の里芋の5倍と大きい。

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畑島先生は、3年生の社会科で「地域に見られる生産」で、教科書にある福岡市のあまおうを事例に、仁田いもを落とし込んだ。名前の由来、栽培方法、栽培への意欲、地域性、流通など

地域の人へのインタビューで教えてもらったこともある。カリキュラムの開発・探究的に取り扱うために、実態調査・課題の設定から検証、情報発信。課題はあるが、学校と地域人材との連携が上手にいっている現状がある。学校が核となり「仁田いも」の栽培継続に寄与することは有効ではないか、と絞められた。

長崎の伝統野菜は県ではではあまり紹介してないが、対馬の孝行いも、豆酘みかん、対州そばにも物語がありそうだ。アスパラガスは江戸時代に長崎に伝わっている。

かつて江戸がそうだったように、長崎では村々に伝統野菜があり、食文化が残っているように感じ、素晴らしい取り組みだと思った。






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東京の武蔵野市立境南小学校の昨年の5年2組の担任・沖濱教諭の「境のとうがらし」の取り組みを藤本教諭が発表した。

5年2組では、とうがらしの栽培や収穫はメインではなく、地元「武蔵境活性化委員会」の活動に参加して、総合で地域の活性化のカリキュラムの単元づくりに参考になればという。

地域で有名なものはないかという児童との会話の中で、トウガラシが有名だという発言かあり、活性化委員会の存在を知り、活動に加わった。

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何ができるか、児童からはいろいろな意見が出たが「キャラクターづくり」に取り組んだ。

児童たちが書いたものの中から投票で3点を選んで提出したが、活性化委員会では、作品全部を使いたいとなったことから、クラス内で選ばれなかった児童も活性化委員会で選ばれたことで、目的意識が高まり、社会とかかわる責任感が生まれた。教師としては児童の思いや考えを大切にし、地域の人材との交流、活動を行ってきたという。


「武蔵境活性化委員会」の取り組みで、境南小学校の取り組みは当ブログでも紹介している。






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東京の練馬区立豊玉南小学校からは根本裕美教諭と松尾歌菜教諭が3年生の総合的学習の時間で
「ひとつぶの種から始まる物語」〜私たちの練馬大根〜の実践報告。

練馬区では伝統の練馬大根の採種を3人の農家頼んで行っていて、その種を各校に配布している。

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同校では、8月末に種をまき、12月に引き抜いて干し上げ、ぬか漬けにする。

漬かる間に、児童に練馬大根で何がしたいか話し合い。児童は練馬大根やタクアン漬けについて、よくわからないという声が上がり、調べ学習として、歴史、特徴、販売、種、育て方、たくあん漬け、栄養、料理に分かれて調べ始めました。

調べた後は、学級でのミニ交流、学年交流をおこなった。社会科の学習と関連させて、こんなに素晴らしい大根なのに、耕作地が減少している。もっと自分たちも良さを広めることができないか等の活動をしてきた。

そのような中で、桜島大根を育てている鹿児島大学付属小の4年生とzoomで交流が行われている。質問にも答えることができて自信につながりました。

練馬大根とかかわる中で、調べる楽しさ、人に思いが伝わる良さ、地域の豊かさ、伝統のすばらしさなどを感じ、自分の成長への自信を持つことができました。

栽培以外に、調べたり、発信したりと、総合の時間の充実が図られることも、この実践で改めて確かめることができたという。






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鹿児島県は鹿児島大学教育学部附属小学校4年生の永野優希教諭の実践報告。
4年生、「かごんま うんまか わっはっは」
〜鹿児島の食文化及び、それに携わる人々の生き方〜

単元の目標は
鹿児島の特産品や郷土料理について調べたり、伝統野菜の栽培活動に協働して取り組んだりすることを通して、自分たちの生活と郷土の食文化とのつながりを考え、鹿児島の食文化のよさに気付き、その良さを自分の生活に生かすことができるようにする。

小単元を5つにし、さつまいもと桜島大根を栽培し、鹿児島の「食」を味わおうでは、鹿児島の郷土料理「ねったぼ」の調理、これからの鹿児島の「食」については、桜島大根の研究者の講話など、児童の感想は単元の目標をかなえていた。

実践の成果はサツマイモや桜島大根を通して様々な人々の思いに触れることで、自己の生き方について新たな考えを持つことができたとしている。今後の方向性。




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根本先生が補足された。練馬大根は長い歴史の中で、人の思いを背負ってきている野菜で、児童は1年に一度は給食で食べていますが、伝統野菜は耕作地の減少など中で、自分たちが守らなければ!、広めていこう! という思いを呼び起こし、良い教材だと思います。



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コーディネーターの小薗先生に声をかけて発言させてもらった。
発表の中で触れられていなかったこととして、
伝統野菜は、貴重な遺伝資源を持っている、種屋さんはこの貴重な遺伝資源を掛け合わせで新しい品種を生み出している。
また、伝統野菜は絶滅危惧種なんです。食べなければ、作る人がいなくなって、なくなってしまうものです。

これは言わなかったが、伝統野菜は揃いが悪いから、流通に乗らなくなった野菜で、生産地に来て食べていただく、生産地のおもてなし食材で、それが郷土料理です。

また、伝統野菜は時間との戦いで、伝統野菜に詳しい人は次々に亡くなっていて、お年寄りに今聞いておかなければ、地域の歴史文化はわからなくなってしまいます。
それだけに、「Edu-K-1」の会への期待は大きい。





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コーディネーターの小薗先生は参加者の中から、発言する人を探していたが、

鹿児島市立玉江小学校の溝江藤子教諭が、地元の「伝統野菜・伊敷長なす」の実践をしているというので指名された。

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玉江小学校では5年生4クラスで1人一本の栽培を実践していて、中野先生から伝統野菜の話と、地元の伊敷長なすが絶滅の危機にある話を聞き、栽培と共に、絶滅を防ぐためのPR活動をどのようにするかについても考えているという。




この後、教育関係者、大学の研究者などが感想を次々に発言された。

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鹿児島大学、浅野陽樹 准教授
 
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写真左上・武蔵野市立境南小学校。宮崎倉太郎校長 
写真右上・平山俊章氏(一般社団法人MIT顧問) 
写真左下・鹿児島大学4年の川口歓太朗氏(浅野研究室)  
写真右下・佐藤雄二氏(朝日新聞社対馬通信員)






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成見和總先生
(鹿児島県生活科・総合的学習教育研究協議会顧問)
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まとめとして、
井手弘人先生(長崎大学准教授)と
山口幸彦先生(鹿児島大学准教授)が、発言された。

尚、先生方のご発言を当ブログで要約するわけにはいきませんので、
主催者がまとめたものが出された折に、当ブログでも
紹介させていただきます。


追伸
午後からは港区立高輪図書館で講演を依頼されているので、
12時に家を出た。
posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 全国の仲間の話
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