2021年06月01日

鹿児島在来作物の保存リストを鹿児島大学農学部附属農場の 中野八伯さんから頂いた。


先月、Zoomで全国伝統野菜教育サミットが開催されたことは報告したが、

その会に招かれた鹿児島大学農学部附属農場技術専門職員の中野八伯さんは、鹿児島の在来野菜の種を集め、守り継いでいる。

鹿児島もご多分に漏れず、高齢化に伴い限界集落が増える中で、地域の伝統野菜は無くなろうとしている。限界集落などを含め、県内の伝統野菜を集めたが、野菜の種を1人で守るのは大変だ。

中野さんは、鹿児島市立玉江小学校で地元の”伝統野菜・伊敷長なす”の栽培を指導しているが、

子どもたちの様子を見ていて、そのやる気などから、手ごたえを感じています。子どもたちが自分で野菜を作って体験したことを、家に帰って家族に話したりすることが、地域に伝わり残っていく。

総合学習の中で教材にしていただくことが、伝統野菜を残していくうえでベストな方法だと思っている。
」と挨拶された。

2019年2月に、山川大根の伝来を教えていただいた田畑耕作先生も出席して、鹿児島伝統作物保存研究会が設立されている。

鹿児島と東京都は、伝統野菜で結びついている歴史がある。
指宿の山川大根が練馬大根であったり、磯庭園にある江南竹は、江戸の薩摩藩邸に植栽され、孟宗竹と呼ばれ広まった。

また、東京には鹿児島出身の友人も多く、鹿児島の伝統野菜について聞かれることもある事から、中野さんが守っている伝統野菜の情報をいただいた。




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島コショウを収穫する中野さん

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東京も、伊豆七島をはじめ洋上1千キロには小笠原諸島があるが、
改めて鹿児島を見ると、種子島、屋久島等の大隅諸島、

屋久島から奄美大島間のトケラ列島、奄美大島から与論島等の
奄美群島と、無数の島々があり東京の比ではない。

その島々に、固有種の野菜があるようだ。

中野さんのデータに、県や鹿児島伝統作物保存研究会にリンクした。







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朝からめっちゃ気合い入れて鹿児島の地大根をディスプレイ
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          @ アブラナ科                   
ダイコン
桜島ダイコン(鹿児島市桜島町)

花が咲く3月まで、商店街の各店先に桜島大根の鉢植えを飾ってた。
A.田上ダイコン(鹿児島市田上)
B.戸口ダイコン(大島郡龍郷町戸口)
C.小野津ダイコン(大島郡喜界町小野津)

小野津大根の種を譲り受けました。

D.山川ダイコン(指宿市山川町)
E.島ダイコン(鹿児島県内各地)
F.横川ダイコン(霧島市横川町上ノ)
G.松原田ダイコン(指宿市開聞町松原田)

開聞岳の麓で200年以上前から栽培されていたみたい。

H.赤ダイコン(薩摩川内市甑島)
I.有良ダイコン(奄美市名瀬有良)
J.永山ダイコン(日置市東市来町永山)

永山大根の種子を半年前に譲り受けたので栽培してみました。
K.佐仁ダイコン(奄美市笠利町佐仁)

L.城内ダイコン(南大隅町根占川北)

かつてはだいこん祭りをやっていた城内大根と城内集落を蘇らせたい。
M.国分ダイコン(霧島市隼人町浜之市)
国分大根は西郷隆盛も栽培していたとの物語もあるようだ。
国分大根の種採り用個体の選抜を行っている。

上別府ダイコン(南九州市頴娃町上別府)
古志ダイコン(大島郡瀬戸内町古志)

奄美大島瀬戸内町古志集落に古くから伝わる地元野菜で
13世帯が古志大根を栽培保存している。


カブ 
宝カブ(十島村宝島小宝島

トカラ列島 宝島の固有種「宝カブ」にも物語がある。
宝カブの紫が美しいと・・・

タカナ 
コブタカナ(薩摩川内市甑島)、シマナ(奄美群島)

Aマメ科
エンドウ
 雷エンドウ上甑(薩摩川内市上甑島)
 雷エンドウ中甑(薩摩川内市中甑島)
 雷エンドウ下甑(薩摩川内市下甑島)

ソラマメ  
 大島在来奄美大島(奄美大島)
大島在来喜界島(大島郡喜界町

在来ソラマメの奄美大島系統と喜界島系統

ササゲ   
短莢黒ササゲ、中莢白ササゲ、長莢赤ササゲ
霧島市国分〜都城市

ダイズ    
島ダイズ(喜界島
シーマミーと呼ばれる喜界島在来ダイズ

A アカザ科
フダンソウ
鹿児島在来(鹿児島県南薩地域)、奄美在来(奄美大島)

C セリ科
ニンジン 
 吉野ニンジン(鹿児島市吉野町)
 佐仁ニンジン(奄美市笠利町佐仁)

産地奄美大島の笠利町の佐仁ニンジン

ボタンボウフウ
大葉、小葉







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Dナス科
ナス

山形大学の江頭宏昌教授がナスの調査に訪れている。
江頭先生が思い立って飛んでくるだけ、鹿児島は伝統野菜の宝庫で
魅力あふれる地だ。


A.縞ナス、B.青丸ナス、C.E.伊敷中ナス、D.白ナス、F.小窪白ナス、
G.伊敷長ナス(鹿児島市伊敷)

伊敷長ナスの採種
鹿児島市のベットタウン伊敷地区に、里帰りした伊敷長ナス
鹿大教育学部附属小学校4年生の伊敷長ナス定植授業に参加しました。

H.L.紫丸ナス、I.真白ナス、J.白長ナス、K.白丸ナス、M.白中ナス、

トウガラシ
 花岡コショウ鹿屋市花岡)、島コショウ(奄美群島)

Eウリ科
キュウリ
笠利地這(奄美市笠利町)、奄美キュウリ(奄美大島)
赤ウリ(モーウイ)(奄美群島、南西諸島)


スイカ
 養母スイカ日置市東市来町養母

果肉が黄白色のスイカで赤いスイカに淘汰され絶滅危惧されている。
寝太郎スイカ

カボチャ
トッツブル(奄美大島)

メロン
マクワウリ(南さつま市加世田)、甫立メロン(さつま町宮之城)、
黒ウリ(大島郡龍郷町








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F ヒルガオ科
サツマイモ  
源氏
 安納紅、安納コガネ、種子島ロマン、種子島ゴールド
(西之表市安納)
シモン

Gユリ科
ニンニク   
フル(奄美大島)、請島(大島郡瀬戸内町)

ネギ    
奄美島ネギ

Hショウガ科
ショウガ
奄美島ショウガ(奄美大島)







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Iサトイモ科
サトイモ
かわひこ屋久島)、ウム・3系統(喜界島

喜界島在来のウムと田芋








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Jゴマ科
ゴマ
喜界島白ゴマ(大島郡喜界町)

白ゴマの白い花が咲いている。白ゴマの収穫作業、


追録

在来種の種が並んでいる。

トッツブルカボチャ、古志ダイコン、雷エンドウ、宝カブ、
大島在来ソラマメ、甫立メロン、短莢ササゲ、

白ゴマ、コブタカナ、花岡コショウ、奄美キュウリ、伊敷長ナス
黒ウリ、佐仁ニンジン、養母スイカの15種。

ひとりでは採種しきれないので、採種してくれるという方に
譲渡したものは、
みがしき、コーシャマン、ハンダマハヤトウリ

(ハンダマは熊本の水前寺菜、金沢の金時草の名で広まる)
東京でも水前寺菜で栽培を始めた組織があった。
(ハヤトウリは、大正時代に鹿児島高等農林の校長が薩摩隼人に
ちなんで名付けたと聞くが、全国に広まっている)

中野さんは、これだけたくさんの在来種の採種はご苦労が多く。
【絶やしたもの】
佐仁カボチャ、御幸千成ナス
伊敷中ナス、宇検カボチャ
宇検村には現存)

伊敷中ナスは絶滅を危惧しながら、2018年までは残っていた。


追伸
奄美大島にも奄美伝統作物研究会が組織されていた。
奄美大島の島バナナ(小笠原種)と薩摩の江南竹(孟宗竹)の筍は、
鹿児島の伝統野菜に入るのでは、今度中野さんに聞いてみよう。



posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 全国の仲間の話
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