2021年10月08日

ボタニカルアートペインターの石薫さんを、江戸東京野菜を生産する井之口農園に案内した。


8月中旬だったか、ボタニカルアートに取り組んでいるという
石薫さんからメールが届いた。

江戸東京野菜のボタニカルアートは、東京都農業試験場が
明治から昭和の初めにかけて、写真を撮ることが難しかった時代に、
ボタニカルアートペインターを採用して、資料(細密画)として
描かれたものがたくさん残っている。

また、今年6月には東京瑞穂町で開催されたイベントで、
群馬直美さんの作品が紹介されていて、
2010年12月から、1年間、「よみがえる江戸野菜十二か月」として
家庭画報の連載されたことから、復活普及が始まった
江戸東京野菜の追い風になった。

石さんには、群馬さんを紹介したので、昭和記念公園で
実施されていた作品展に行かれて話を聞いたようだった。

石さんからのメールは、江戸東京野菜を描きたいので、
一度会って話を聞きたいというものだった。
先日お会いしたことは、深大寺そばの追録で報告している。




1-1.JPG

先日、井之口喜實夫さんのところに、伺う予定があったので、
石さんをお連れした。

石さんは、ご主人のお仕事で、2013年にボストンに移り住み、
2015年からウェーズリーカレッジの植物画コースで学んでいる。

上の画像をタップする
卒業作品は、ボストンのあるマサチューセッツ州で日本の野菜を
育てている農家に出会い、「日本の野菜」をテーマに5作品
(かぼちゃ、大根、ねぎ、枝豆、茗荷)を描いたという。

ウェーズリーカレッジ植物園 : 2019卒業アーティスト展

その卒業制作の審査にイギリスの著名なボタニカルアーティストが
参加していたご縁で、この業界では有名で権威ある
RHSのボタニカルペインティングのコンクールに向こう5年以内
の期限付きで挑戦する機会に恵まれたという。






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RHSへの出品には、一つのテーマで6作品が必要になることから、

練馬大根、早稲田ミョウガ、千住ネギ、深大寺在来そば、東京うど、
内藤カボチャが候補にあがったことから、
練馬大根、早稲田ミョウカ、千住ネギの栽培をしている
井之口喜實夫さんのお宅にお連れしたもの。

上の画像をタツプする
10月には珍しいこのところに暑さでミョウガの花が開き始めたので、
井之口さんは収穫にいそがしい時だったが、
丁度咲いていた花ミョウガの説明をしてくれた。

早稲田みょうが候補に挙がった理由のひとつに、
石さんが早大OGだったこともあるようだ。






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千住ネギの畑にも案内した。

上の画像をタツプする
雑草ひとつない圃場管理に驚いていた。

石さんは、「ボタニカルペインティングは、アートという要素よりも記録の要素が重視される分野です。これまで描かれていない品種を描き貯めて、世界全体で共有していくというボタニカルペインティングは、気候変動が深刻な今日、江戸東京野菜をはじめとする伝統野菜が、
重要な使命を課されているように思います。

この秋にニューヨークボタニカルガーデン主催でアメリカ各地をめぐる展示会でも、在来種をテーマに掲げ、温暖化の今こそ植物の多様性を
守る重要性が増してきていると強調されています。
」と語る。






4-1.JPG

井之口さんの練馬大根は、まだ間引きをしていなかった。

上の画像をタップする
11月末には立派な練馬大根を収穫している。

石さんは、今後井之口さんの早稲田ミョウガなど、江戸東京野菜を
スケッチさせていただくことの了解が得られ、喜んでおられた。


追録

5-1.JPG

石さんから、花の咲いた写真が送られてきた。
「井之口おすすめのオアシス栽培で、花が咲きました。」
posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 早稲田ミョウガ
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