2021年11月18日

東京のブランド鶏、東京しゃもと東京うこっけいを飼っている伊藤養鶏場に伺った。


フードジャーナリストの向笠千恵子先生(本協会顧問)が拝島ネギの
生産者木野秀俊さん
に会った後、
東京うこっけいと東京しゃもを育成している立川の伊藤養鶏場に
行ってきたという電話を頂いた。

伊藤養鶏場は、自宅から1キロほどの五日市街道沿いにあり、
うこっけいの卵を販売していることは、看板が出ているから
知っていたが、東京しゃもまで飼っているとは知らなかった。

先日紹介した村田農園の数軒隣のお宅だ。

現役時代に、「江戸東京・暮らしを支えた動物たち」(農文協)の
編集に携わったこともあり、話を聞きたいと

武蔵村山で江戸東京野菜を栽培している、岡本健一さんの畑に
案内
頂いた、JA東京みどりの坂巻宜政広報係長にお願いすると、
JA東京みどりの広報誌でも紹介したいのでと、
快く引き受けてくれた。





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伊藤養鶏場の後継者彰さん(38歳)が時間を空けてくれていた。

就農して9年、先代の貴芳さん(JA東京みどり正組合員)から引き継いで、東京のブランド鶏の東京うこっけい生産組合と東京しゃも生産組合の
組合員として活躍している他、和鶏の「もみじ」も飼育していて、
こだわりの養鶏に取り組んでいる。

何でも、就農以前は不動産会社の営業で、責任ある仕事を
していただけに、養鶏についても、9年の実績の中で業界での
居場所を作られていて、メディアからも注目されて紹介されている。

「先々代から引き継いできた伊藤家の養鶏を、
次代を引き継ぐ子供には、いいものを残したい」と、
頼りになる、お父さんでもある。

上の画像をタップする
新型コロナの感染拡大から、飲食店への需要が落ちたことから、
これまで「しゃも」が、約2ヵ月1ロット1200羽だったのが、
500羽と半分以下に落ちた。

生き物だけに、1ロットで残った700羽の鶏は、
月日を重ねることになる。

ここで、緊急事態宣言が解除になったことから、
需要は戻りつつあるが、出荷まで120日を要することから、
すぐには対応できない状態だ。

それでなくとも、消費者はブロイラーに馴染んでいるだけに、
東京しゃもの特徴である、肉が固い、クセのある匂い、
味が濃いことから、個人消費は限られている。







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事務室で彰さんに養鶏に取り組んだ経緯や、養鶏への思いを伺った
ところで、恐る恐る鶏の写真を撮らせてもらえないか聞いてみた。

高病原性インフルエンザが鹿児島や兵庫でも発生しているからで、
すると「いいですよ!」と、白いつな着とゴム長靴を持ってこられた。

坂巻係長と一緒に来たから信頼してくれたのだろう。

上の画像をタップする
指定された場所(鶏舎の入り口)から撮影させてもらった。
10か月の東京しゃも(写真左)の幼鳥と、
東京うこっけい(写真右)の1年2か月の幼鳥。






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東京うこっけいの成鶏が入ってる鶏舎。

上の画像をタツプする
うこっけいは「江戸東京・暮らしを支えた動物たち」にも紹介しているが、薬膳料理として、江戸の昔から肉や卵が使われている。

これまで大多摩ハムでは、うこっけいの肉をハムにしていたが、
新型コロナの影響か現在うこっけいは使われなくなった。





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彰さんは、檻から1羽を連れてきて説明してくれた。

上の画像をタツプする
耳朶の色はきれいなブルーだ。(写真左上)
クチバシは黒く、鶏冠がクルミの実のような形をしたクルミ冠で
クチバシの付け根の上についている。
カラスのように肉も骨も黒いことから
カラス、骨、鶏 で烏骨鶏と書く。

Silkyと云われる羽は細かい(写真左下)
足の脛には、白い毛が生えている。(写真右上)
ウコッケイの伝統種だから足の爪は5本指(写真右下)

卵は “もみじの、たまごころ”と比べると一回り小さい。(写真中下)
殻の色は薄いピンク色をしていて、割ると一般卵と比較して
黄身の割合の方が多く、白身が少ない。

東京うこっけいは東京都が作った改良品種だが、それでも産卵数は
一般卵の3分の1程度しかない。
また暑くても寒くても産卵数が激減したりするので
とても飼育に手間がかかる。







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人形町の「玉ひで」には、出版する前の1993年に行ったことがあり、
最近も伺って東京しゃもの親子丼を食べてきたが、
誰が生産したのか気になっていたが、伊藤さんが生産したようだ。

東京しゃも生産組合では、東京しゃもの肉や卵の品質を一定に
するために、組合指定の飼料を使うことが決まりとなっている。

東京しゃもの鶏舎入り口から撮影

上の画像をタツプする
しゃも(軍鶏)は、江戸時代の初めに、現在のタイから中国大陸を
経由して、日本に持ち込まれた。
鶏同士の喧嘩・闘鶏用として愛好者に飼われていたが、肉も卵も
美味しいことから、江戸時代から好まれて来た。

東京都畜産試験場では1970年から美味しい肉の量産に取り組んだ。
しゃものメスに、採卵鶏のロードアイランドレッドを掛け合わせた
交雑鶏を生ませ、それに、闘争性の少ないしゃもの雄を選抜して
交配させた雄と交配させて、しゃもの血75%の三元交雑鶏を
東京しゃもと命名して市販用としている。






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採卵鶏「もみじ」は、家畜改良センター岡ア牧場由来で、
ロードアイランドレッドの雄と白色プリマスロツクの雌を
掛け合わせたもの。岐阜県の後藤孵卵場で販売。

両方ともに古くから日本で飼われて固定した品種で国産種鶏だ。
玉子を「たまごころ」と呼んでいる。

農業共済新聞(2004年10月2週号)
「続 日本の農を拓いた先人たち」に掲載されている。

現在、日本では、フランスのイサブラウンやアメリカの
ボリスブラウンの採卵鶏が多く飼育されていて、純国産が
少ないだけに「たまごころ」は貴重な卵だ。







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大事なことを忘れていた。サイロの中身、エサの話。

上の画像をタップする
伊藤養鶏場では採卵用のエサが2種類あり、飼料にこだわっている。

それは、どういうエサを与えるかによって同じ品種の鶏でも
まったく別の味になってしまうからだ。
まず、もみじに与えているエサはメーカーに特別に作って
もらっている飼料で伊藤養鶏場の特別飼料となっている。

黄身の色はキレイなオレンジ色で黄身の色を示すカラーファンは
年間通して15以上を必ずだしている。
これは全て自然界にあるものを使用しており、パプリカ、
マリーゴールドの花弁を使って色をだしている。

ゴマも多く配合しており、ビタミンEが豊富で臭みのない見た目も
キレイな卵を産ませている。
「たまごころ」10個単位で、税込み465円

東京うこっけいの卵は上記のもみじに与えている特別飼料を
ベースとし、魚粉、海藻をはじめとする16種類の単み飼料を
農場で配合し、濃厚なのに臭みのない、卵かけご飯専用と謳う
『極烏プレミアム』という商品を作っている。

卵のコクは魚粉だが、これを入れれば嫌な臭みが出てしまうが、
16種類の内、14種類(企業秘密だが安全安心)が、これを抑えて
旨味を引き出し、より濃厚で美味しい卵を産ませるポイントで、
かつ、他にない伊藤養鶏場のこだわりの卵となっている。

実際に分析にかけた栄養成分は一般卵と比較して
ヨウ素が70倍 (通常、ヨウ素は卵に移行しにくいと言われている)
ビタミンEが40倍
ビタミンAが3.5倍
ビタミンDが2.8倍
という結果が出ている。
極烏プレミアム 1個税込み180円で、6個と、10個単位1800円

伊藤養鶏場 042-531-6587 (9:00〜17:30)

posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の農業と農業者達
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