2021年12月26日

「日本食べるタイムス」で、特集【デントウヤサイ大学】を掲載している河村さんから、Zoomで取材を受けた。


江戸東京野菜コンシェルジュ協会の松嶋あおい理事から、
「日本食べるタイムズ」という "食べるを覗く" をテーマに、第一次産業の方をはじめとした、Webメディア学生団体に所属している、早稲田大学2年の河村さんと言う方が、取材をしたいと依頼されたとメールが来た。

河村さんからのメールには、「日本食べるタイムス」で、私の特集【デントウヤサイ大学】は、江戸東京野菜に関わる方々の、それぞれの関わり方や普及や後世に残していくための努力、江戸東京野菜のために頑張れる理由などをまとめて伝えたく、始めた特集でございます。」とあった。

すでに、小金井市の生産者大堀耕平さんと、Cafe5884 (カフェゴーハチハチヨン)の小林由美さん、食育を実施している松嶋さん、押上「よしかつ」の佐藤勝彦さん、そして八王子で農業を始めた福島秀史さんと、取材が済んでいるようだ。




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そこで、「江戸東京野菜の物語」を読んで、東京の野菜文化を守ろうと長年、復活普及に取り組んでいるので最後に話を聞きたいという。喜んでお引き受けした。

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質問事項は送って頂いている。


地場野菜への注目がSDGsで高まり、直売所が東京でも増えたと思うがそれによって江戸東京野菜への関心やJAでの扱われ方など変化はありますか、

学生さんをはじめ消費者の皆さんから、江戸東京野菜に対してSDGsの言葉が出るようになりました。

江戸東京野菜に取り組んだ時から、お伝えしていたことは、結果的にSDGsの一つひとつだったわけですから、対応は変わりませんが、

今まで注目してこなかった方々が、SDGsを学んだことから改めて、江戸東京野菜に注目するようになったことは、各分野で復活普及に取り組んでいる方々から報告を受けています。




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平成16年(2004)に栄養教諭の制度か創設されましたが、平成17年(2005)6月に、日本では食育基本法が制定されて、その年9月に国連サミットでSDGsが採択されました。

栄養教諭の皆さんは、積極的に江戸東京野菜の栽培や、給食に使うなどで取り組んでくれました。
2012年には全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会が、東京で開かれ、全国に先駆けて東京における伝統野菜の取り組みを紹介しています。

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江戸東京野菜に惹かれたきっかけは・・・

惹かれたというようなものではなく、東京から農地が無くなるのではと云う危機感からです。

取り組み始めた昭和56年当時、国は都市に農地はいらないという政策を取っていまして、それは市街化区域内農地に宅地並みの重税をかけて売らざるを得ないように都市農家を追い込んでいました。
当時の様子は平成2年の月刊「自治研」に掲載しています。
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当時は都市農地の必要性を都市農家と共に訴えていました。
都市農地を保全して、貴重な遺伝資源を蓄えた作物を後世に伝えることは、江戸からの食文化を後世に伝えることで、持続可能な農業開発のきっかけづくりを行っていたものです。

2005年6月8日にNHKテレビが、「もっと身近に伝統野菜」を取り上げてくれたことから、江戸東京・伝統野菜研究会を発足させました。






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江戸東京野菜が今後どのようなカタチで親しまれるのが理想的ですか
理想など簡単に言えるものではありませんが、
江戸東京野菜を将来のある、小・中・高校生に出向いてお話していますが、これも次代に繋いでいくためで、伝統野菜の知識を座学で、栽培の仕方を菜園で、野菜本来の味を知ることは、給食でと、10数年来、続けてきています。

大竹様の著書、【江戸東京野菜の物語】を読み、特に千住ネギで、新四年生への種の伝達式の部分が印象的でした。土地の特徴を記憶する固定種の種の特徴を活かしつつ、命のつながりを食育することができる取り組みで素敵だと感じました。

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そもそもは、第五砂町小学校の栄養教諭が始めた、上級生から下級生への種の命の伝達は、SDGsを生徒たちに体感させる良い機会になっていて、種の伝達は、足立区の千住ネギの栽培にも広がっています。

伝統野菜は季節限定の野菜です。春夏秋冬、それぞれの伝統野菜があり、旬のわかる野菜は、野菜本来の味がします。
しかし現在は高度な育種技術で、一代雑種が生まれ、冬の代表的野菜「大根や小松菜」、夏の代表的野菜の「キュウリにナス」などは、北海道から沖縄まで、一年中栽培されています。これは大切な事ですが、SDGsの視点で考えてみてください。

飢餓を救った、のらぼう菜、鎌倉では疫病を救った鎌倉大根と、全国にはこれら伝統野菜が沢山あります。






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早稲田ミョウガ捜索隊のお話を共有くださりありがとうございます。早大のOBが早稲田ミョウガを都庁の食堂でメニューにする企画など、輪が広がり素敵だと感じました。

早稲田ミョウガの捜索には、早稲田大学の学生さんに協力してもらいましたが、2011年の津波で被害を受けた気仙沼を支援しようと、早稲田の教授が気仙沼の戻り鰹を購入して、早稲田の商店街で、早稲田ミョウガを妻にして食べようとの企画が行われました。
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また、新宿区の教育委員会では、早稲田ミョウカを学校給食に使っています。


江戸東京野菜の現状と課題は・・・
 伝統野菜は揃いが悪いことから、段ボールの規格通りに入らずに、流通に乗らなくなった野菜ですから、大量に作って日本全国に売り出すものではなく、東京に来て食べていただく、東京のおもてなし食材です。

お陰様で、知って頂く機会が増えたことで、需要に生産量が追い付かないのが、現状であり課題です。

河村さん、ありがとうございました。
掲載は1月中旬だそうですが、楽しみにしています。


posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 出版物・メディヤ等の紹介
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