江戸ソバリエ協会の松本一夫理事が、11月下旬の板橋区若木にある
中村庵のツイッターに「志村みの早生大根」の料理を
提供しはじめたとの投稿を発見したが、行こうと思いながら
行けないでいるとの話を伺った。
冬の会には、当研究会の渡邉和嘉副代表も参加していたこともあり
松本さんの話に、一緒に行くことになったという。
松本さんが、予約を入れた時は「志村みの早生大根」
はもう終わっていて、"辛みおろしそば" は無い、
べったら漬けしか準備出来ないとのことだったが、女将が
気を遣って準備して待っていてくださつた。(大感謝!!)
大根の葉も無駄なく使った「志村みの早生大根葉と女将の郷里
新潟産打ち豆の炊き合わせ」と「志村みの早生大根」と
「内藤南瓜の甘酢漬け」。
甘酢漬けには大根の皮の酢漬けも添えられ楽しみました。
(松本さん)
みりん粕を使った甘くない「志村みの早生大根のべったら漬け」。
ぬか漬けとも違うあっさりしながらも大根のおいしさが伝わり、
「内藤かぼちゃと板橋区産海老芋のから揚げ」は、ほくほくして、
程よい甘みの内藤かぼちゃから冬至ももうすぐだと思い出しました。
(松本さん)
最後は「志村みの早生大根のおろし蕎麦」
水気の多いおろし汁にそば汁を加えて食べます。
品の良い辛みが舌に残りました。
今回は提供されませんでしたが、中村庵さんの志村みの早生大根を
使った料理として「天ぷら・しらすおろし・きんぴら」
があるそうです。(松本さん)
ところで、なぜこのお店で江戸東京・伝統野菜を使うように
なったのか気になっていたのですが、今回、渡邉さんと訪問し、
謎が解けました。
2014年6月に、渡邉さんが担当常務だった時に「いたばし食育・健康づくり協力店フェア」が開催され、志村みの早生大根が展示された。
当時、渡邉さんと、高島平でそばを食べている。
翌年の2015年にも、協力店は、東京都麺類協同組合 志村支部の21店舗で、、オリジナルメニューとして大根料理を提供した。
中村庵の女将の話では、板橋区の主導で板橋区の蕎麦商組合の蕎麦店に「志村みの早生大根」を各店数本ずつ配布、お店毎の方法でお客様に提供しました。これを3年繰り返したのですが、区の担当者が変わって、提供が終わりました。
女将さんは、合併前の板橋農協に勤務されていた方。
地域の野菜に関心が深く、独自に地域の野菜を仕入れようと一念発起。JA東京おばの直売所や、縁のあった農家さんと連絡を取るなどし、仕入れルートを構築。手に入った地元の東京野菜を調理してお客様に提供している。
これらが評価されて、中村庵はこの10月板橋区で3軒目の「とうきょう特定食材使用店」に登録された。
これからも季節性のある地元の江戸東京野菜を使った料理を提供していくという。
渡邉さんは、現在辛味の強い「江戸城濠大根」を栽培していることから、志村みの早生大根の季節の後は、江戸城濠大根が引き継ぎ、「辛味おろしそば」を継続してはと、伝えるつもりだという。