著書「江戸東京の野菜図説」を、大先輩の大城芳彦さんから
送って頂いたことは紹介した。
福井さんは、戦後の昭和25年(1950)から農業改良普及員として、
東京23区のうち12区(現在は11区)の農業者
を指導をしてきた経験をベースにしている貴重な著書だ。
ブログに掲載したことを報告するために、奥付にある
福井さんの電話番号をタップした。
不審者として電話を切られるかもしれないと思ったが、
ご長男が出て掲載したこちらの意図を理解していただいた。
電話をしたが、古い会報は残っていないので
掲載誌を読んでみたいという。
今回は、練馬郷土史研究会で講演した要旨が
掲載されていたので紹介する。
上の画像をタップする
江戸・東京の地名を付けた野菜
普及員として指導していたかつての産地では都市化して農地は
無くなったことも大きいと、福井さんは言っているが、
産地では消滅していた。
品川カブ、馬込半白キュウリ、馬込大太三寸ニンジン、大蔵大根、
千歳白菜(下山千歳白菜)、内藤カボチャとトウガラシ、鳴子ウリ、
雑司ヶ谷カボチャとナスは、消滅したとある。
復活の取り組みでは、農業生物資源研究所に種が残っていたり、
下山千歳白菜はかつて販売していた種屋から下山繁雄さんが
取り寄せた。
鳴子ウリは美濃の真桑瓜保存組織が栽培しているものだ。
三河島菜は、青茎と白茎があり、古いタイプの青茎三河島菜は
仙台で栽培されていた。
亀井戸ダイコンの種は、現在も白茎亀井戸大根だ。
駒込ナスは、浮世絵にもあるので探しているが、
福井さんは完全消滅したと書いている。残念!!
早稲田ミョウガは、
早稲田ミョウガ捜索隊によって旧家の庭に生えていた。
寺島ナスの、寺島の名は小・中学校に残るのみになってしまった。
ナスは蔓細千成としてジーンバンクに保存されていた。