それならと「檜原地区じゃがいも栽培組合」は鈴木留次郎さんが
組合長をしているから、電話で聞いてみた。
7月になればあるだろうと、探してもらえることになったが、
鈴木さんから檜原にもあった伝統的な山野草の栽培に
成功したという情報を頂いた。
檜原村では代々生活の中で使われてきた山野草 ”ねんねんぼう” と
呼ばれているもので、葉を干して繊維だけを取り出して、ソバの
繋ぎとして使うと、つるつるしてのど越しが良くなる。
暮れには葉を茹で、あく抜きをして、正月用の餅を作る時に、
ヨモギ餅をつくる要領で「のし餅」を作る等、生活に密着している。
春先には鹿が好きでかじるという。
でも見ることができ、長野県では「雄山火口(おやまぼくち)」と呼ばれ栽培している。
昔から草餅に使われていて、10月から3月まで、檜原温泉センター
数馬の湯で限定販売されていたが、作る方が高齢で事前電話が必要だ。
檜原のソバ屋「玄庵檜原」では、昔使っていて人気だったが、
「ねんねんぼう」の入手が困難で現在は使っていないという。
奥多摩では「ねねんぼう」と呼び、「やすらぎの宿 ねねんぼう」が
奥多摩町日原にあるが、電話で「ねねんぼう」の料理を食べられるか
聞いてみたら、電話に出た女性は「ねねんぼう」を知らなかった。

似ていて、長野県ではヤマゴボウとしても使われている。
この山野草、鈴木さんが栽培をしようと長年研究を続けてきたが、
環境に左右され、どこでも生えているわけではない。
檜原村では人里、数馬から奥多摩へ抜ける周遊道路の辺りや、
藤倉地区の林道で、崩落した土で育っていたことから、
やせた土地が向いている。
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鈴木さんは、ねんねんぼうの花を見つけては、
秋になるとそこに行き、綿毛のついた種を採取した。
鈴木さんの自宅下を流れる、秋川支流の河岸上に、適当な場所を
見つけて、藤倉のやせた土をまくなどして種を蒔いたところ
順調に育ち新しい芽が幾つも出てきたという。
檜原での需要はあることから、鈴木さんの栽培に
期待が寄せられている。