2022年12月25日

長崎大学教育学部附属小学校の4年生に、東京の取り組み事例を参考にお話してきた。


一財都市農山漁村交流活性化機構地域活性化チームの上野美帆さん
からメールをもらったのは6月で、同機構の地産地消コーディネーター
は何年もしているが、今年度は農山漁村発イノベーション対策の
一環として位置づけられたという。

10月に長崎大学教育学部附属小学校(古野祐一校長)の
山崎美奈栄養教諭から申請があったと連絡を頂いた。

長崎には、伝統野菜に取り組んでいる中尾順光さんがいて、
長崎市の食文化として定着しているが、生産者は減少しているようだ。

中尾さんは「野菜の学校」で講演をしていて、顔なじみの果菜里屋の
高橋芳江さんは、ながさき伝統野菜を取り寄せたりしている。





1-1-.JPG

同校で総合の時間を担当する小畑晃一教諭から、
現在ながさき伝統野菜の栽培に取り組んでいる4年生(4クラス)は、
2年目になるが、伝統野菜をどう普及したらいいか、
活用していくかのヒントを頂きたいとメールにあった。

上の画像をタップする
伺っている総合の時間は、2・3・4校時(9時45分から12時25分)で、
私以外に、中尾さん(ながさき伝統野菜保存会会長)、竹田竜太さん
(雲仙の伝統野菜栽培農家)、鎌田英一郎氏(長崎大学教育学部准教授)、
俵万智さん(歌人)、坂本洋一シェフ((有)さかもと社長)
授業は小畑教諭の進行で始まった。






2-1.JPG

机には、生徒達が栽培して収穫した「ながさき伝統野菜」の
長崎赤かぶ、紅大根(かぶ)、長崎白菜、辻田白菜、
長崎たかなが並んだ。

上の画像をタップする






3-1-8.JPG

今朝の体温は35.6℃、新型コロナワクチンは5回接種です。
安心してくださいと言って、マスクを外して話した。

上の画像をタップする
「江戸東京野菜には物語がある」のテーマ。
東京には大産地はないが、東の葉物野菜から、西のワサビ、
洋上1千`には亜熱帯の作物が栽培されている。

面積は長崎県の約半分の2187`u、東京にも伝統野菜が
残っていて、食文化もある。

作物では、寺島ナスと、千住葱に絞ってお話をした。
寺島ナスは、2009年に第一寺島小学校で始まった復活栽培が、
東向島の地域に広がった。

また、千住ネギでは、関西の葉ネギから、根深の技法が生まれる、
物語
を話した。

そして、現在は命をつなぐ授業として、タネを伝達する授業が
行われ
ている事を紹介した。





4-1.jpg

普及にはキャラクターを作ると効果があることから、

上の画像をタップする
寺島茄子之介のTシャツを生徒に披露した。
寺島地区では夏にイベントがあったが、茄子之介の絵入りのエコバック
やマスク等も販売していたので映像で見せた。







5-1 (2).JPG

ながさき伝統野菜は、中尾さんから種を頂き、
栽培指導を受けている。
長崎赤かぶ、紅大根(かぶ)、長崎白菜、辻田白菜、長崎たかなは、
全てがアブラナ科で、種採りは難しい。
中尾さんから教えてもらっているが、三河島菜の事例を紹介した。

上の画像をタップすると三河島菜の交配
三河島菜の採種はここから。
伝統野菜は交雑させないようにして、後輩たちに伝える事が重要と、

江戸東京野菜は今年2品目加わって52品目になった。
その1つ、東京ベカナはNASAの宇宙飛行士ペギーが
国際宇宙ステーションで栽培しているので、
成蹊小学校の4年生は食べたいと栽培していたことを紹介。

話は時間を少しオーバーしたが、生徒たちは飽きずに
集中して聞いてくれた。







6-1.JPG

最後に、江戸の土産で一番喜ばれたのは「タネ」です。
軽くて、1粒万倍ですから、「東京ベカナ」のタネをプレゼント。

喚声が上がって、小畑先生がジャンケンを指示、
全員が手を挙げてジャンケンで勝ち抜いた生徒にプレゼントした。

上の画像をタップする
部屋の後ろで聞いていた小畑先生は、
話のポイントをWボードに書いていた。







7-1.JPG

生徒達は顔なじみの中尾さんの話しに注目した。

上の画像をタッブするは
竹田さんは、雲仙で栽培している「こぶ高菜」の葉の
こぶを見せながら自己紹介をした。






8-1.JPG

4クラスで8班に分かれて、ながさき伝統野菜の活用について、
プレゼンテーションが行われた。

PCに、ながさき伝統野菜の写真や、ポスターや、チラシのようなものを作り、映像を見せながら説明し、質問に答えていた。

上の画像をタップする
小畑教諭から講評を指名された。

ながさき伝統野菜については、栽培実習に始まり、調べ学習も
行っていて、良く知っていた。
ポスターやチラシ、動画や新聞を作っての広報活動から、
伝統野菜は食べることも重要で、5品種の味覚や栄養価も
調べていて、生で食べるほか、調理としては雑煮、ミルフィーユ、
漬物、煎餅、加工して、ドレッシングやジュース、
乾燥ふりかけ等も考えていたことを褒め。

長崎の食文化を次代に、長崎中に
広めるように取り組んでください。と評価して、
代表に、監修した「まるごとえだまめ」を贈呈した。






9-1.JPG

俵万智さんはサラダ記念日がベストセラーになった歌人、
短歌について解説。

上の画像をタツプする
すぐ作れるように生徒達から5・7・5・7・7の単語集めから始めた。
5文字と、7文字の伝統野菜関係で、
赤かぶの「アントシアニン」も出た。

「翌日子どもが完成させたものです」と小畑先生が送ってくれた。

 守りたい ふるさとの味 長崎の
 色鮮やかな 伝統野菜




生徒は時間の合間に、俵さんからサインをもらったようで、
その流れがこちらにも来た。
大勢なので、「道」の花押を書いた。







10-1.JPG

4校時は、伝統野菜を用いた料理を味わうは、山崎栄養教諭の時間で、
坂本シェフは、生徒達が栽培した「ながさき伝統野菜」を使って、
長崎の郷土料理「ヒカド」は、
「附属小オリジナルヒカド」に調理したと坂本シェフ。

上の画像をタップする。
具材は、黄金ブリ、とり肉に、ながさき伝統野菜5品種に、
生徒が云う「新品種?」(交雑種)も一緒に刻まれたそうだ。
この日は、雨が降っていて寒かったが、温かいヒカドは、
心にしみて美味しかった。

それにしても内容の濃い、充実した授業で、勉強になった。

posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 全国の仲間の話
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック