2023年11月03日

練馬区立平和台図書館で都市農家が栽培する江戸東京野菜の物語をお話しした。


今年の6月に
練馬区立平和台図書館の萩原和美館長代理から電話を頂いた。
何でも10月28日に江戸東京野菜の話をしてもらいたいという事だった。
まだ秋のイベント等が決まっていなかっので、お受けしたが
28日は午前中、丸の内会場に出てから平和台にやってきた。

9月末に告知用のポスターが出来たと送って頂いたが、
練馬区では11月9日に「全国都市農業フェスティバル」が
開催されるので、それに先駆け28日に「平和台図書館 農フェスタ」を
実施するという。




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練馬区平和台のファーム渡戸は、都心からでも有楽町線平和台駅から
歩いて7〜8分と、都市農家の中でも一番近い畑として、
収穫体験がしたいというような相談には、渡戸さんを紹介している。

しかし、平和台図書館は何処にあるのか知らなかった。
調べてみると、ファーム渡戸からさらに遠くにあり、当日は、
植木徹館長が駅まで迎えに来ていただいた。

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〜農フェスタ〜「江戸東京野菜の魅力展」
ファーム渡戸は、平和台駅から図書館までの中間地点にある。
したがって、地域の皆さんには親しまれているようで、
展示のテープルには、ファーム渡戸で栽培されている農産物の
解説がしてあった。

江戸東京野菜の細密画は、東京都農林水産振興財団が保管する、
細密画のコピーが貼っていあった。
練馬大根、亀戸大根は江戸東京野菜だが、三河島菜は新種で、
三寸人参は砂村か馬込かはっきりしない。

細密画は、明治から昭和初期に描かれたものだから
江戸東京野菜と思われがちだが、貸し出す方も誤解がある。





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テーマは「江戸東京野菜には物語がある」で、全国都市農業
フェスティバルに先立って開催すると云う事から、1990年代の、
三大都市圏市街化農地に対する、国の政策、農地の宅地並み課税に
反対したことが、今日農地として残っていることを紹介した。

反対理由の一つとして、
農地・農業・農家は「江戸東京の歴史や文化を継承する」だった。

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会場の後ろには、江戸東京野菜の掲載本が展示されていたが
資料として提供した「ピオストリー32号」(誠文堂新光社)の
”江戸東京野菜と地域振興” と「ヴェスタ132」(味の素)の
“江戸の都に集まった地方の在来種” は、
蔵書がなかったので丁度良かった。






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SDGsと伝統野菜についてから入って、地域で栽培している
「練馬大根」について時間を割いた。

練馬大根と五代将軍綱吉については、諸説が在るが、この場は
農業の説を紹介すると皆さんに伝えてから話した。

東武練馬駅の近くに、金色の練馬大根が「下練馬献上大根碑」
として建立されている。

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碑文には、「ここ、北町には5代将軍、徳川綱吉が右馬頭
であったころ、御殿を構え、一時期療養していた
と伝えられています。その際に、大根を栽培させ、
良い大根が取れたことから、江戸に帰城した後
も大根を献上させたという伝説があります。
 また、この場所に下練馬宿の本陣があったこと
から、名称を本陣跡地緑地としました。」とある。

また、練馬区立北町小学校裏の「徳川綱吉御殿跡之碑」には
他の説、鷹狩の際の御殿と記されている。







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会場には、練馬大根の細密画が展示してあったが、その細密画が
云わんとしていることを紹介した。

練馬の篤農家・井之口喜實夫さんが、早稲田ミョウガを発見し、
現在、早稲田ミョウガダケの栽培まで行っていることも紹介した。

地元の渡戸秀行さんは、年間20数種類の江戸東京野菜を
栽培しているが、12月には、収穫体験&山分けとして7-8種の
江戸東京野菜を持ち帰ることが出来る。





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また、今年10月初めに、江戸東京野菜推進委員会が開催されて、
これまで雑司ヶ谷ナスとして豊島区立千登世橋中学校で
復活栽培
したが、中野中生山ナス名が追加された。

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そもそもは、中野村の名主堀江家が宝暦年間(1751-64)に、
江戸城内の菜園にナスを納めていたが、それが西山ナスとか
山ナスと呼ばれていた。

今回、中野区立歴史民族資料館からも地元教育機関等での
復活を望む声もあり、会場には、
NPO法人中野・環境市民の会須藤悦子副理事長と、
中野区次世代育成委員の松本玲子さんが聴講された。


追録
翌日、早速アンケート結果が届いた。
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アンケートに記載いただいた皆様ありがとうございました。



posted by 大竹道茂 at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 食育・食農・講演会等
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