練馬区立平和台図書館の萩原和美館長代理から電話を頂いた。
何でも10月28日に江戸東京野菜の話をしてもらいたいという事だった。
まだ秋のイベント等が決まっていなかっので、お受けしたが
28日は午前中、丸の内会場に出てから平和台にやってきた。
9月末に告知用のポスターが出来たと送って頂いたが、
練馬区では11月9日に「全国都市農業フェスティバル」が
開催されるので、それに先駆け28日に「平和台図書館 農フェスタ」を
実施するという。
歩いて7〜8分と、都市農家の中でも一番近い畑として、
収穫体験がしたいというような相談には、渡戸さんを紹介している。
しかし、平和台図書館は何処にあるのか知らなかった。
調べてみると、ファーム渡戸からさらに遠くにあり、当日は、
植木徹館長が駅まで迎えに来ていただいた。
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〜農フェスタ〜「江戸東京野菜の魅力展」
ファーム渡戸は、平和台駅から図書館までの中間地点にある。
したがって、地域の皆さんには親しまれているようで、
展示のテープルには、ファーム渡戸で栽培されている農産物の
解説がしてあった。
江戸東京野菜の細密画は、東京都農林水産振興財団が保管する、
細密画のコピーが貼っていあった。
練馬大根、亀戸大根は江戸東京野菜だが、三河島菜は新種で、
三寸人参は砂村か馬込かはっきりしない。
細密画は、明治から昭和初期に描かれたものだから
江戸東京野菜と思われがちだが、貸し出す方も誤解がある。
フェスティバルに先立って開催すると云う事から、1990年代の、
三大都市圏市街化農地に対する、国の政策、農地の宅地並み課税に
反対したことが、今日農地として残っていることを紹介した。
反対理由の一つとして、
農地・農業・農家は「江戸東京の歴史や文化を継承する」だった。
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会場の後ろには、江戸東京野菜の掲載本が展示されていたが
資料として提供した「ピオストリー32号」(誠文堂新光社)の
”江戸東京野菜と地域振興” と「ヴェスタ132」(味の素)の
“江戸の都に集まった地方の在来種” は、
蔵書がなかったので丁度良かった。
「練馬大根」について時間を割いた。
練馬大根と五代将軍綱吉については、諸説が在るが、この場は
農業の説を紹介すると皆さんに伝えてから話した。
東武練馬駅の近くに、金色の練馬大根が「下練馬献上大根碑」
として建立されている。
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碑文には、「ここ、北町には5代将軍、徳川綱吉が右馬頭
であったころ、御殿を構え、一時期療養していた
と伝えられています。その際に、大根を栽培させ、
良い大根が取れたことから、江戸に帰城した後
も大根を献上させたという伝説があります。
また、この場所に下練馬宿の本陣があったこと
から、名称を本陣跡地緑地としました。」とある。
また、練馬区立北町小学校裏の「徳川綱吉御殿跡之碑」には
他の説、鷹狩の際の御殿と記されている。

会場には、練馬大根の細密画が展示してあったが、その細密画が
云わんとしていることを紹介した。
練馬の篤農家・井之口喜實夫さんが、早稲田ミョウガを発見し、
現在、早稲田ミョウガダケの栽培まで行っていることも紹介した。
地元の渡戸秀行さんは、年間20数種類の江戸東京野菜を
栽培しているが、12月には、収穫体験&山分けとして7-8種の
江戸東京野菜を持ち帰ることが出来る。
これまで雑司ヶ谷ナスとして豊島区立千登世橋中学校で
復活栽培したが、中野中生山ナス名が追加された。
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そもそもは、中野村の名主堀江家が宝暦年間(1751-64)に、
江戸城内の菜園にナスを納めていたが、それが西山ナスとか
山ナスと呼ばれていた。
今回、中野区立歴史民族資料館からも地元教育機関等での
復活を望む声もあり、会場には、
NPO法人中野・環境市民の会須藤悦子副理事長と、
中野区次世代育成委員の松本玲子さんが聴講された。
追録
翌日、早速アンケート結果が届いた。
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アンケートに記載いただいた皆様ありがとうございました。