最近、頼まれると「江戸東京野菜(農文協)」には、「一粒万倍」と書いている。
広辞苑によると「1粒の種子もまけば万倍の粒になるの意で、少しのものもふえて多くの数になるたとえ。少しだとて粗末にはできぬの意にもなる。」とある。
先日、砂村一本ネギの播種をお願いしていた宮寺さんから携帯に、「今日、一粒万倍日」に種を蒔いたとメールが届いた。

私のカバンには、うすい冊子がいつも入っている。日本農業新聞発行の「平成二十二年農事暦」(105円税込)だ。

同書によると、「一粒万倍日 一粒のモミをまいておけば万倍のモミをもつ稲穂になることをいう。何事かを始めるによい日、特に商売の開店、金銭に関すること、物を集めるによいとされる。ただし人から借金をするのにこの日を用いると苦労の種が増えるとされ、善きにつけ悪しきにつけ、あとで多くの数になって我身にかえってくる。」とある。
それ以外にも、暦の二十四節気を基準とした「十二直」、天球を28に分け、そこに当たる星座をつかった「二十八宿」にも「種まきには吉」又は「凶」が記されているから、流行の星占いも結構だが、家庭菜園の種まきシーズンを迎えて、昔からの農家に伝わる「暦」の文化を試みるのも楽しいものだ。因みに、不成就日と云うのもある。
私の現役中は、とかく重要なイベントは、大安よりも「一粒万倍日」を選んできた。 うすい冊子だが価格の割に読んでみると結構内容は濃く楽しい。
何でも13万部のベストセラーらしい。 地元JAに頼めば取り寄せてくれる。 直接の場合は、同新聞社情報管理部03−5295−7407が扱っている。

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昨年、NPO法人ミュゼダグリが、江戸東京野菜の暦(12枚綴り)を製作した。また、日本橋のタウン誌、月刊日本橋が東京中央青果(株)と東京シティ青果(株)の協賛を得て制作した江戸野菜産地マップの暦など、江戸東京野菜のオタクの間では、レアなグッズとして人気が高い。両方ともまだ在庫はあるようだ。