
白鬚神社の境内には「寺島ナス」についての説明板が建っている。
平成9年に建てられた当時、町名変更で「寺島」の名が無くなってしまった東向島の人たちが注目した。
「こんなに、住宅が密集しているところに農業があったんだ!」と。
建立後10数年の経過の中で、「寺島ナス」が同地域の名産であったことを知らない人はいなくなっていた。
この説明板、「江戸東京の農業」で、農業協同組合法施行50周年記念として、JA東京グループが取り組んだ事業。
これは、江戸の頃に都内各地にあった農産物の産地などに50周年にちなんで50本を建てたものの一本で、かつての寺島村と云われていた東向島の白鬚神社(今井宮司)に依頼して建てたもの。

昨年、第一寺島小学校で130周年記念として、寺島ナスの栽培や観察が全校生徒で取り組まれた。

東京ではナス栽培の第一人者、三鷹市の星野直治さんが毎月学校に出向き栽培指導を行った。
子供が嫌いな野菜には、ニンジン、ピーマンなどと共にナスもその一つだが、最近では品種改良で臭いの少ない野菜が作られている。
しかし「寺島ナス」は小振りで実のしまった、しかもナスの匂いがするナス。
子供達は、何回も学校給食で食べ、自宅にも持ち帰り家族とも一緒に食べたという。
ナスの嫌いな子も、自分で栽培したから「食べる!」と云って食べた。
まさに、食育、そして食農の成果が表れたもので、今年も子供たちが栽培してくれるという。
さらなる成果を期待したい。
尚、読売新聞都内版では「こんにちは江戸東京野菜」を後2回ほど連載してくれるようだ。