講演の終わりに、加賀野菜の金時草の茎だといって受講生全員が1本づつお土産にいただいた。
2〜30センチほどの茎には、所々に葉が付いていたような形跡がある。
「土にただ挿しておけば根づきます」と言うことなので、ありがたく押し戴いてきて、野菜栽培用の土を買ってきて言われた通り挿し木にしておいた。
一週間もしたら3か所から芽が伸び、このところの猛暑ですっかり元気な葉を付けた。
加賀野菜の金時草は、肥後野菜の水前寺菜を金沢に持ち込んだものと云われている。
細川藩では葉の裏が鮮やかな赤紫のことから茶の湯の茶花として用いられたと云う。
金沢では、葉の裏が金時(きんとき)芋に似た色をしていると、金時草(キンジソウ)と命名したという。
そもそもこの作物、東南アジアの亜熱帯が原産で、沖縄では方言で伝統野菜ハンダマと呼ばれている。奄美でも食べられ、ハンダマとして鹿児島の伝統野菜にもなっている。

加賀野菜の金時草には酢の物、炊き込みずし、天ぷら、おひたしと書かれていて、
野菜の学校でも、酢の物、炊き込みずしでいただいたが、癖がなく美味しくいただいた。

金時草は、葉の裏が紫で美しいが、我が家のものは、薄い感じで、葉が硬い感じ、産地のしなやかさはない。
何か栽培上のノウハウがあるのだろう。
それにしても、虫に食われながらもここまで育ってくれたのだから、食べてしまうのが惜しい心境になっている。