この会議が日本で開催されることから、生物多様性の意味を理解し、その意義を考え、さらに行動に繋げていくための取り組みが注目されている。
生き物は多様なつながりで命を育んでいる。
このつながりが持続可能な形で保全していくというのが生物多様性の目的で、個性豊かな伝統野菜(固定種)を復活し、市場流通に乗せていくことも重要なことだ。
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昨年に引き続き寺島ナスの栽培指導を星野直治さんから受ける第一寺島小の生徒たち。
朝日新聞では、「いきものがたり Human × Nature」として、9月24日に「いまの地球の姿は」を掲載したが、今朝は「野生動植物の役割」が掲載され、江戸東京野菜の取り組みを「在来種で未来の食守る」「「ふぞろい」の価値再評価」として取り上げてくれた。
尚今後は、10月22日に「外来種と向き合う」、11月12日に「忍び寄る温暖化」、11月26日に「崩壊する食物連鎖」、12月10日に「生物の宝庫を守ろう」が予定されている。
一か月前に、朝日新聞環境問題担当の須藤大輔記者がたずねてこられた。
「食べもの通信」9月号の、私のインタビュー記事を読んでくれたらしくそんな話題から取材に入った。
私が生まれ育った頃やそれ以前は、農家は食料増産に励んでいた。
野菜等の場合「大きくなる」遺伝子が重要視され、品種改良が行われてきた。たとえば、大型の練馬大根などは参勤交代で全国に持ち帰られ、山形県庄内の干し大根の他、神奈川の三浦大根などの一方の親として交配が行われ、各地の特産大根を生んでいる。
しかし現在は逆に、小さく育って完熟し、おいしい野菜になる遺伝子が好まれる時代になった。
つまり、遺伝資源としての種は、「これはいらない」というものはないのだ。
未知の遺伝資源を含め、次の世代にきちんと残していくことが、その時代に生きた人たちの役割だ。
と云うようなことを話したと思う。
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この袋にはどんなタネが入っているのか知りたい方は画面をクリック
伝統野菜は不揃いで、季節限定の野菜。そんな野菜を復活させても食べられなければ意味は無い。
不揃いや、季節限定が再評価されて、今ある農産物との差別化につながっている。
これまで復活させた寺島ナス(蔓細千成)、品川カブ(東京長カブ)は、しかも美味しいことから、栽培はどんどん広がり、市場からは引く手あまたの状態になっている。
その寺島ナスの栽培を今年も引き続き栽培し、学校給食で調理するという第一寺島小学校の取り組みもカラー写真で紹介してくれている。
これまで、ナスの蔓細千成、砂村三寸ニンジン、それにビール麦の金子ゴールデンと、独立行政法人・農業生物資源研究所(ジーンバンク)から分けてもらったものだ。
これからも、同研究所に残されているタネの中から、江戸東京に縁のあるタネを復活して持続可能な産物として伝えていきたいと考えいいるが、まだ登録されていない伝統野菜は早急に保存の手続きを取ってもらいたいものだ。
我が国は戦略的にも更なる同研究所の充実を図ってもらいたい。