大粒で独特の香りの納豆は日野産大豆で、一粒一粒が存在感を示していて美味しい。

先週の日曜日、仕事で日野市産業まつりに出掛けた。
会場の農産物の大テントの奥に「日野産大豆プロジェクト」が、「地域に根ざした食育コンクール2009」 (共催・地域に根ざした食育推進協議会・社)農山漁村文化協会) の「地場産物活用分野」で農林水産省消費安全局長賞を受賞したコーナーがあり、その賞状やブロンズが並んでいた。
受賞はこのブログの開設前だったので、ご報告していなかったが、2月13日、東京国際フォーラム ホールB7には、私も会場に行っていて、プロジェクト代表の小林和男さん(JA東京みなみ野菜部会連絡協議会顧問 )が受賞し、活動発表を聞かせてもらっていた。

「日野産大豆プロジェクト」は、日野市の栄養士が、国産の安全な大豆を無農薬で地元の畑で栽培し、それを豆腐にして市内の小中学校の給食で子供たちに食べさせたいという、その思いを日野市が事務局となって受け止め、JA東京みなみの協力のもと水口均部長や当時南多摩農業改良普及センター荒川昭所長の指導もあり、平成15年に始まった。
メンバーにはリーダーの小林和男さんをはじめ地元農家、小中学校の調理員と栄養士、日野市消費者運動連絡会に実践女子短大食物栄養科の学生などがボランティアとして参加した。
小林さんは日野市の農業後継者のリーダーとして私も現役時代にお世話になった。
はじめての大豆収穫量は120キロだったが、畑の面積やメンバーが次第に増えたこともあり、翌年には市内全小・中学校の給食に日野産大豆で加工した豆腐が提供できたという。
その後、平成20年には目標だった収獲量1トンを達成することができたようだ。
プロジェクト・メンバーは、大豆栽培を通して都市農業の重要性、農地の必要性を認識し、緑の環境を守ることを、地域全体で考えていくことを目指し、食育の中でも指導しているようだ。
平成19年度からは、市内小学校の学童農園で、このプロジェクトで収穫した大豆のタネを使って大豆栽培を始めているが、21年度は13校で、児童自らが育てた日野産大豆が給食や豆腐作り体験に活用されている。
東京の食材にこだわった押上「よしかつ」の主人佐藤勝彦氏は、今年、プロジェクトが農林水産省消費安全局長賞を受賞したことを知って、早速、担当者と連絡を取って残っていた大豆をかき集めてもらって手に入れることが出来たと喜ぶ。
これまで、同店では東京・西多摩郡日ノ出町の篤農家から仕入れていたが、さらに日野産も加わる。
同店では、型に入れずにおぼろ豆腐にして奥多摩のワサビと、青ヶ島の天然塩・ひんぎゃの塩で食べる料理が好評だとか。また、これから金町コカブが入荷した場合は、豆腐で銀あんを作り、カブをすりおろしで食べてもらおうとも思っていると手の内を明かしてくれた。
子どもの食育から、大人の食育までプロジェクトは発展している。