2010年12月06日

恒例の「第4回 練馬ダイコン引っこ抜き競技大会」が盛大に開催され、 熱戦が繰り広げられた。



練馬ダイコン引っこ抜き大会は今年で4回を迎えるが、忘れられていた練馬ダイコンを改めて、全国に広める大会として、年々大会参加者が増えている。

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クリックすると大会資料 

練馬大根は、徳川五代将軍綱吉が、下練馬村の農家に大根の生産を命じたのが始まりとされ、関東ローム層に堆積した、クロボクと言われる粒子の細かい火山灰土と品質がマッチして、良質の大根が生産された。
その後も練馬の地を中心に栽培され、改良を重ねて、漬物用に、煮物用にと消費されてきた。
 しかし、干ばつやモザイク病の発生などにより大根の生産が減少し、戦後は代わってキャベツ生産が増加した。
 それでも、篤農家が練馬大根の種を守り続け、平成元年から始まった練馬大根育成事業により、練馬大根は復活を果たした。





今年も大会で引っこ抜かれる4,800本のうち約3,500本の練馬大根は、地産地消推進のため大会の翌日以降、区立全小中学校(99校)の全児童生徒(約4.8万人)の給食食材として、この練馬大根が使われ、子どもたちが味わう。

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クリックすると  右から大会副会長で、JA東京あおばの榎本高一代表理事組合長と協力組織のJA東京中央会 高橋宗吉代表理事専務、JA東京中央会、榎本輝夫部長


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大会1時間前に、すでに出場選手は集まり始めた。
今年の選手は500名で申し込みを打ち切っているが、関東甲信地区からの参加者もいた。


大会には、地元選出の国会議員、都議会議員、区会議員が超党派で招かれ引っこ抜きを体験したが、当江戸・東京伝統野菜研究会も紹介をいただいた。


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今年の大会会場は、練馬区平和台で、伝統野菜の栽培をしている渡戸秀行さん。
江戸東京・伝統野菜研究会のネットワークの一人だ。


渡戸さんによると、栽培に当たって、都立練馬工業高校の生徒たち17名が、タネまきから間引き、草取りまで手伝ってくれたことを紹介した。
畑から5分のところにある同校では、一年生の「キャリアデザイン」で選択科目の「農業・園芸体験」は人気、これも「ものづくり」につながる精神は同じで、今年で5年目を迎える受け入れ。
同校学生諸君はアスリートとしても大会に参加した。

毎回、大会に先立っての、練馬ダイコンの抜き方は、園主が選手(アスリート)達に説明するのが恒例。
大根畑に散らばったアスリート達は体操をして体をほぐす。
写真をクリックする


今年の練馬ダイコンの出来は10日前に、抜かしてもらい、このブログで紹介しているが、立派なものだ。



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圃場を取り巻くように見つめる観客は、一本また一本抜けることに声援を送っていた。


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グループ参加の部は15歳以下で保護者の5名以内でグループを作って参加する。

選手権の部とは別に、子どもに経験をさせたいとするパパ、ママ達が一生懸命の部門。


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JA関東甲信越地区女性組織連絡協議会といういかめしい団体のフレッシュミズの皆さん。
「東京に行ってまで大根を抜くの ! 」と云っていた農家の若奥さん達。

参加してみたが、決勝に残ったのは3人。
しかもクリックすると、大きいのにあたり悪戦苦闘、抜けたけれども本数で・・・都会の奥さん方はすごい ! 。

誰もベスト3には入れず、練馬ダイコン引っこ抜きの奥深さを思い知らされたようだ。
来年 リベンジを口にしていたが、お待ちしています。


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競技は、ただ抜くだけではない、抜いた後、個々一か所に集めるから走る。

結構、ハードワークだ。連写したので分かると思う。

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さすが男性の決勝。リズムよく抜いて、走る。


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大会会場のビニールハウスの一つでは、JA東京あおば練馬地区の女性部が練馬ダイコンの「すずしろ鍋」を作り、来場者に振舞われた。


lすずしろ鍋 (2).jpg


会場では、新鮮野菜や、練馬の「銘菓」各社が販売を行っていた。



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練馬の隣り、板橋区の栄養士の先生方に参加しませんかとお誘いしていたが、3人の先生方が参加してくれた。 決勝には残れなかったが、体験することが大切で、子どもたちに話してくれるだろう。

板橋区の先生方からは板橋の名前のついた野菜がないかとのお尋ねがあったが、JA東京あおばの渡邉和嘉代表理事常務から、志村みの早生大根のタネがあるとの情報を得たようだ。


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参加賞のダイコンをかついてお帰りの皆さん。明日体が痛くならなければいいが・・・

20年ぐらい前だったと思うが、キャベツ畑にメトロの出口が出来た。
有楽町線の平和台駅だ。駅から5分という大会会場だったわけで、園主の渡戸秀行さんは都市農業を守りぬいている。

尚、大会終了後、残った学校給食用のダイコンは、見学に来ていた方々にもお願いして抜いてもらった。

第4回練馬大根引っこ抜き大会結果はここから


追録


大会2日前に、共同通信の坂本佳昭記者から江戸東京野菜 復活の取組について話を聞きたいとの電話をいただいた。
丁度、5日に練馬ダイコン引っこ抜き競技大会があるから、会場で会いましょうと約束していた。
当日は、脚立に金属製のカメラバックを持って現れ、練馬ダイコンを持った写真を何枚も撮ってくれた。
「時の人」で近日中に各社に配信してくれるという。
勿論、大根引っこ抜きの映像の方もウェブ上のニュースに配信したという。

坂本さんありがとうございました。

posted by 大竹道茂 at 05:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 粋な江戸っ子は白首大根
この記事へのコメント
大会会場の看板が素敵ですね^^
給食で食べることができるというのも素敵なことです。

大田区でも、地元の伝統野菜をがんばって
なんらかの形で、フッカツさせたい!ものです。
練馬のように、農地は残っていないので…
地元の学校で栽培して、それに加わった学年の
調理実習、くらいが限界かと思いますが
働きかけてみたいと思います。
Posted by 大田 at 2010年12月06日 07:13
http://www.youtube.com/watch?v=_srMBnrS61M

YouTubeで、こんなニュース動画を見つけました。
便利な世の中ですね^^
Posted by まきの at 2010年12月07日 08:08
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