今年の夏、亀戸ダイコンの栽培農家を探してくれという依頼が、割烹「升本」からあった。
私が懇意にしているダイコンを栽培している農家は、区内では練馬、世田谷、北多摩地区では小金井、小平、立川、そして、東久留米。さらに清瀬地区の方々も根菜類が得意だ。
南多摩では日野市と八王子市にも生産者はいるが、簡単に栽培してくれと言っても、農家は年間の輪作体系を作っているから、経営的に成り立たないと取り組むには二の足を踏む。
そんなこともあって、栽培する意向を訪ねたが何処もいまいちノリが悪かったが、そんな中で、立川で江戸東京野菜を手掛けていた方々が、話を聞いてみようかと手を挙げてくれたもの。
亀戸の香取神社にJA東京グループが、平成9年に亀戸ダイコンの説明板を建立したことから、地元の商店会( 亀の会 )で亀戸ダイコンで町興しが起こった。
割烹升本は、平成11年から、亀戸ダイコンを食べさせる専門店としてリニュアルオープンしていた。
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その象徴が、平成11年に同店が建立した「亀戸大根之碑」。
当日は、生産者の清水理作さんのほか、清水繁雄さん、清水丈雄さん、栗原一男さん、JAの森田清一常務、原省三課長等が参加した。
毎年、3月の第一日曜日に福分け祭りとして、亀戸大根が配布され、亀戸大根の温かいみそ汁なども提供され、平成9年以降、すっかり亀戸ダイイコンの街になった。
クリックすると右が日本農林社、左が鈴木藤一さんのタネで栽培した亀戸ダイコン。
升本の塚本貢三専務は、清水さんが持ってきた亀戸ダイコンに目を細めた。
清水さんは、亀戸大根の第一人者・鈴木藤一さんからいただいたタネで栽培した大根と、日本農林社のタネ「白茎・亀井戸大根」で栽培したものとを、8本づつ持って来ていた。
専務の話では、葉と根の部分がほぼ30センチつづのバランスが一番いいと。
また、ダイコンの部分は25〜32aぐらいまでで、32センチ以上になると、経験としてスが入り、味がぼけるとしている。
途中から、塚本光伸社長も来てくれて、清水さんのダイコンを二つに折ってかじった。そして、一拍あって、味わった後、美味しいと云われ。
間違いのないA級品だ。
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昼食には「亀戸大根あさり鍋めし」を頼んだ。
・亀戸大根スティック・揚げ物・石鍋で炊く亀戸大根あさり鍋・麦菜飯・亀戸大根たまり漬け
亀戸ダイコンは根も葉も柔らかいことから、麦菜飯を茶碗によそって、亀戸大根あさり鍋の汁や具を掛けて食べると云うもの。
大根のスティクだが、部位によって味が異なることから、半分から上を使うようだが、一度水に放して反りかえったものを、味噌などをつけて食べると云うもの。
皆さん、美味いと気に入ったようだ。
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現在、升本に亀戸大根を入れているのは、葛飾の鈴木籐一さんと、江戸川の木村重佳さんだが、量的には木村さんが多く納品しているというので。
皆さんで木村さんを訪ねた。

木村さんの畑は東京都農林総合研究センター江戸川分場の近くということもあり、帰りには、江戸川分場で、研究員のお話も聞く機会に恵まれた。