「里帰りした三河島菜」が東京新聞に掲載されたことで、江戸東京野菜の栽培や販売している方々が、畑を訪ねてくれた。
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都立園芸高校の横山修一先生(左)は、課題別研究で江戸東京野菜を栽培している生徒たちを指導している。
先生は、昨年の春、生徒が伝統野菜を栽培したいと云うので、生徒に付き添って、宮寺さんのお宅を訪ねている。
宮寺さんは、学生が勉強するならと、馬込半白キュウリと本田ウリの苗を10本づつ提供したご縁があり、隣接する市に住んでいるとかで「里帰りした三河島菜」を見学に来たもの。
また、品川の青果商・大塚好雄さん(中央)は研究会のメンバーだが、築地の江戸東京野菜普及推進連絡協議会の幹事でもある。
この、「里帰りした三河島菜」は、江戸時代から盬蔵、いわゆる塩漬けで食べてきた野菜。
江戸東京野菜料理研究家の酒井文子さんに浅漬けを作っていただいたが、野沢菜のような食感だった。
江戸時代には、三河島菜が漬け菜として一般的だったというから、まだ白菜のなかった時代は、漬け物というのは「野沢菜」のような食感だったようだ。
白菜は明治時代に日本に入ってきたが、白菜の白茎の甘さは、衝撃的だったに違いがない。
江戸では三河島菜が絶滅するほど、白菜の需要が伸びたということだ。
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先生は、「江戸東京野菜の栽培は今年も引き続き指導しますが、販路が心配で・・・」、と。
園芸高校の生徒が栽培した大蔵大根が高島屋に納品されたことは新聞にも掲載されたが、栽培上の悩みは販路だと、打明けてくれた。
すかさず、大塚さんが「先生 ! 、都立園芸高校の生徒さんが作った伝統野菜は、築地で責任を持って売らせてもらいますよ、心配しないでください。」
心強い ! 、 いい出会いだ。
当日、宮寺さんから「里帰りした三河島菜」を土産にもらった横山先生、後日、先生からメールが届いた。
横山先生は長年食品加工を指導されてきた。
漬け物の方は、塩漬けではなく醤油漬けにしてみました。
まさしく野沢菜の食感ですね。とても美味しくいただきました。
新学期早々に、練馬大根を使ったたくわん漬け実習をするのですが、来年度はこの三河島菜も漬け物実習の教材に活用できそうです。ありがとうございます。
先生が送ってくれた
「里帰りした三河島菜」醤油ベースのレシピ。
洗った菜を(1kg)を2cm程度にきる。
醤油180ml、酢60ml、砂糖60gを溶かし、菜にかけます。
刻み昆布(市販のフジッコ半袋)、輪切り唐辛子、ショウガの千切りを混ぜる。
ねじ式の漬け物桶等に一晩漬けこむ。
ポイントは、霜に当たった( 繊維質が柔らかくなり、粘りと甘味がでる)菜を使用すること。
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この日、大塚さんは宮寺さんの畑で面白大根を発見、奥さんが抜いたものを店先に展示して、話題づくりにすると云う。
宮寺さんは、「今年蒔いた大蔵大根は、夏の猛暑の影響でこんなのができちゃって、売り物になりゃしない !」と嘆いていた。