「JA東京あおば」では、毎年12月に開催される「練馬大根引っこ抜き競技会」を主催し、区内の公立小中学校などの給食用に協力、今年で5年目を迎える。
また、一昨年から明治時代に練馬で生まれたビール麦「金子ゴールデン」を栽培し今年になって醸造、5月には「金子ゴールデンビール」として販売予定で、伝統的な作物の栽培に積極的に取り組んできている。

JA東京あおばは、練馬区、板橋区、豊島区、北区がテリトリーとなっているところから、練馬区以外の地域からの復活要望も多く、これに応えた計画となった。
今年復活を予定しているのは、豊島区の雑司ヶ谷ナス、板橋区の志村みの早生ダイコンをはじめ、練馬地区で品種改良され栽培されてきた、東京大越ウリ、渡辺早生ゴボウ、早太り練馬ダイコン、また、練馬地区で栽培され生産者に親しまれてきた小麦の尾島早生と、一挙に6品目が取り組まれることになった。
先日、志村みの早生ダイコンの花が咲いたと聞いたので、、伝統野菜の復活担当に選ばれた伊藤信和さん(右)に無理を云って畑に案内してもらったが、新堀桂三地域振興課長(中央)に、渡辺耕造営農相談員(左)も同行してくれ、JA東京あおばの復活についての取り組みは、組織としての強い意志が伝わってきた。
板橋の伝統野菜があったら子どもたちに食べさせたいとする、地元小学校の栄養士さん達からの強い要望が寄せられていた。
それを受けて、渡邉和嘉常務が昨年12月にジーンバンクから取り寄せ、板橋の組合員農家に栽培を依頼していた。
伺ったのは、板橋の組合員・田中耕太郎さんの畑。
志村みの早生ダイコンは中山道沿いの志村地区、字称・清水から江戸期には清水夏ダイコンともいわれていた。
今では、青首ダイコンに押されて全く栽培されていなかった。
渡辺営農相談員に聞くと、近いうちに網で囲んで受粉作業をし、採種したタネをすぐ蒔いて8月末頃には収穫できるだろうと云う。
JAでは近日中に板橋区の学校関係者と協議し、本年度の生産計画を明確にすることになっている。
もう一軒、紹介されたのが、雑司ヶ谷ナス(改良中生山ナス)の栽培を引き受けてくれた加藤和雄さん。
加藤さんは、前JA東京あおばの副組合長で、昨年暮れに「TOKYO MX」TVの企画を無理にお願いし、奥さんが外人のタレントに伝統のお節料理を指導してもらっている。
この苗、JA町田育苗センターに接木を依頼し3月25日に戻ってきたもの。
尚、このナスは、豊島区立千登世橋中学で復活栽培されるが、JAでは加藤さん達に栽培指導を依頼する予定のようだ。
寺島ナスの復活により、5月末から11月まで、寺島ナスがけん引して江戸東京野菜の話題は持続した。
今度は、雑司ヶ谷ナスが加わるわけで、今年の夏もナスと夏大根、東京大シロウリの話題で、東京の農家に江戸東京野菜は元気を送り続けるだろう。