かねてから、板橋の名前のついた伝統野菜があったら、板橋の子どもたちに食べさせたいとの地元小学校の栄養士さん達から要請があったが、
JA東京あおばには、板橋の農家からも復活を希望する声が寄せられ、渡邉和嘉常務がジーンバンク( 独立行政法人・農業生物資源研究所 )に板橋の地名の付いたダイコンのタネがあることを調べ上げ、
昨年取り寄せて板橋の農家に蒔いてもらっている。

18日に上板橋第四小学校に坂本尚子校長先生( 写真左・板橋区教育会学校給食部長 )を訪ねた。
同席した七戸登志子先生( 写真右・板橋第一小学校学校栄養職員 )のお二人と今後の取り組みについて意見交換が行われた。
写真をクリックすると志村みの早生大根の産地・清水地区を地図上で説明する渡邊常務。
JA東京あおばでは、ジーンバンクから入手した、志村みの早生ダイコンの種が100粒程と僅かなために、今回は2軒の農家に依頼して採種の取り組みをしてもらっている。
このことは、先日報告している。
6月に採種して、そのタネを再び蒔いて、8月末には収穫し、学校給食研究部会の栄養士さん達を交えて試食する等も渡邊常務から提案された。
尚当日は、今後支援するJA東京あおばから、渡邊常務の他、内堀比佐雄部長、渡辺耕造営農相談員、伊藤信和江戸東京野菜担当、公財・東京都農林水産振興財団からは堀野修氏が出席した。
江戸期から中山道の志村、近隣の前野で栽培されていたもので、前野の中でも湧水のある清水薬師の辺りで盛んに栽培されて清水夏ダイコンともいわれた。
特産のダイコンはタネも販売され関西方面にまで伝わった。
このダイコン、百姓巳之吉が、練馬系の早生白葉九日と亀戸ダイコンとの自然交雑したものから選抜した早生種と云われている。
夏の暑さに強くて、タネまき後55〜60日という短期間で収穫できるのが特徴。
葉はやや濃い緑色で、地面に広がるようにして伸びる。根の長さは45〜60センチぐらいで、直径は太いところが6〜8センチぐらいで亀戸ダイコンに似た円錐形をしている。
生育期間が2ヶ月と短いので、早秋に収穫することができるため、かつては10月20日に日本橋本町の宝田恵比寿神社で開催されるべったら市のべったら漬には欠かせなかった。