東日本大震災により被災された方々に謹んでお見舞い申し上げます。
東日本大震災が発生して72日が経った、先週、5月22日に放送された( 22:00 - 23:15 ) フジテレビの「Mr.サンデー」を見てから一週間がたった。
見た人も多いと思うが、いい番組だったので改めて「市民映像ドキュメント」を紹介する。
震災が発生した3月11日、首都東京で人々が記録した映像や体験が放映された。
首都機能が停止し、およそ300万人の帰宅困難者で溢れかえった。
ナレーターは、「私たちに出来ることは何なのか、あの日の人々が記録した数々の映像からヒントが見えてきた」としている。
番組では、新宿超高層ビルが大きく揺れる様子が写し出された。
羽田空港では12,000人がフロアに横たわる。
途中で止まったモノレール「ゆりかもめ」から降りたが、余震に揺れる高架上で怯える乗客。
全面的にストップした首都の鉄道網、そして帰宅困難者を紹介した。
臨海地区で被災して、自宅までは20qを会社の同僚4人と品川方面に向かっていた田中多栄子さんという方が、当日と同じコースを歩いて回想する。
「途中の北品川まで来ると(8:45)、人だかりがしていたので覗くと、「みなさん ! どうぞ」と、「なめこ汁」を提供してくれていた。
ここまで来るのに相当疲れていて、具だくさんの「なめこ汁」、温かいのを飲んで残りの帰り道を頑張ろうと云うことで、乗り切れた感じがします。
本当に助かったのでいつかお礼に来たいと思ったんです。」と・・・
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お腹も減れば喉も乾く、頼りのコンビニには商品は無いと云う状況下、「なめこ汁」を振舞ったのが、北品川で江戸東京野菜の普及推進をする大塚好雄さんだったのだ。
当日は、最低気温が4.7度、通りかかった女の子たちは寒くてガタガタふるえていたという。
なんとかしてやりたいと、2つの鍋に売り物の野菜を入れた味噌汁を次から次に作り続け、1,000人分を提供したという。特になめこ汁は好評だったようだ。
田中さんは自分のブログ「 大地震〜その時私は〜 」に
「私もいつかこの優しさを誰かにお返ししなくては。
こうやって優しさは受け継がれていくんでしょうか。」
と素直な気持ちがつづられている。

私は、当日の自分の体験を思い出しながら番組を見ていたが、突然、大塚さんが画面に出てきたのには驚いた。
これまで、メールのやり取りをしているが放送されるまで知らなかったからだ。
大塚さんのことは当ブログ( 写真をクリックする )でも紹介したが、昨年の12月、「品川汁」を北品川本通り商店会として振舞った時の企画者だ。
品川汁は
青森県むつ市川内(せんだい)町を中心に伝わる伝統食のこと。
江戸時代に、川内の船乗りが乗った船が江戸沖で難破した。
船乗りたちは、品川の漁師たちに救助され、品川の漁師たちから温かい汁を振舞われて、命が助かった。
船乗り達は、川内に帰ってから、命を助けてくれた感謝の気持ちを後世に伝えようと、美味しかった温かい汁を「品川汁」と名付けて郷土食としたという
「品川汁」の歴史を今日に伝える大塚さんは、やらなくてはと自然に体が動いたと云うが、江戸からの品川魂を帰宅困難者の皆さんに伝えたわけだ。
そして江戸東京野菜も青果商として今日に伝えてくれている。改めて、大塚さんに敬意を表する次第だ。
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それにしても、首都直下型の大地震が発生した場合を考えると、学ぶことの多い番組だった。