パリで開かれていた国連教育・科学・文化機構、いわゆるユネスコの世界遺産委員会が、24日、小笠原諸島を世界自然遺産に登録することを決めた。
小笠原諸島は、洋上1,000qの太平洋に浮かぶ島だが、私も現役時代には仕事で何回か父島、そしてさらに50q離れた母島を訪れていて、自然豊かな島を満喫した。
島の農家に友達もいるから、彼らも喜んでいるだろう。

この島に人が住むようになったのは江戸末期の天保年間のことで、JA東京グル―プは、農協法施行50周年記念事業として、父島扇浦の小笠原神社の境内に「江戸・東京の農業」の説明板を建てている。

小笠原の農業は、戦前までは12月の冬至の頃にカボチャを大量に出荷していたが、本州各地で施設園芸が盛んになってからは、1,000qも離れていることが逆に亜熱帯独特のメリットを生かしきれずにいた。
最近では父島にある小笠原亜熱帯農業センターの指導で、各種の産物が栽培されていて、
パッションフルーツは、東京都中央卸売市場に出荷している。
小笠原のパッションフルーツを四ツ谷にあるオテルドウミクニのオーナーシェフ・三國清三氏は、良く使ってくれていて、何度かいただいた。
パッションフルーツの香り、甘酸っぱい味、そしてタネのパリパリした食感を生かした料理が作られた。
これをいただくと、透き通った海やオオタニワタリやヘゴの丸八など、シダが繁茂する小笠原の自然を思い出す。