数日前に、園芸高校で江戸東京野菜の指導をしてる横山修一先生から電話を頂いた。
16日に同校の各種プロジェクトの発表会を開催し、江戸東京野菜プロジェクトも発表するので、来ないかと云う。
この発表、活動の内容を全校生徒に知ってもらうばかりか、新メンバー勧誘の意味もあると云う。
昨年、同校園芸科の生徒に江戸東京野菜のプレゼンテーションをさせてもらったことから、誘っていただいたもの。

最近の、同校「江戸東京野菜プロジェクト」の活発な活動を、ブログで拝見し注目していたから、友人達を誘って出掛けた。
朝、9時から始まった発表は、「バラ園プロジェクト」「江戸東京野菜プロジェクト」「米国派遣農業実習レポート」「三宅島緑化プロジェクト」の順で行われた。
「江戸東京野菜プロジェクト」の発表は、大変わかりやすく、勧誘についても効果的な内容であった。
同プロジェクトの発表が終わったところで、千谷順一郎校長の配慮で、ゲストとして私の出番も作っていただき壇上に上がって勧誘の挨拶をさせていただいた。
発表会が終わって、プロジェクトのメンバーとの意見交換の場が設けられた。
写真はテーブル手前(後ろ姿)から、リーダーの岡田ちふみさん(2年園芸科)、葛生茉友美さん(2年園芸科)、今泉茉祐さん(2年園芸科)、北上和佳子さん(2年園芸科)、風戸未優さん(2年園芸科)、井口明日香さん(2年動物科)、渡辺完さん(1年園芸科)、宮林黎さん(1年園芸科)、牧野はなさん(1年園芸科)の9名。( 写真をクリックする )
目的意識を持ったメンバーの皆さん達は、輝いていた。
私の仕事は、次の世代に伝えていくことだから、皆さんが取り組んでくれることは心強い限りだ。
我々の方は写真右から、JA東京あおば渡邉和嘉常務、同JAで江戸東京野菜担当の伊藤信和さん、全国の農高生が読む機関誌「リーダーシップ」の編集担当・阿久津若菜さん((株)新制作社)、農協観光グリーンツーリズム教育旅行課チーフの工藤篤志さんの5人で伺った。
工藤さんに来ていのただいたのは、今年の3月実施する予定だった「東京農業ツアー」の、城南地域版を構築する上で参考になるからだ。
馬込半白キュウリのタネ採りが行われていた。
同キュウリはまだ十分に固定化していないこともあり、同プロジェクトの重点課題となっていて、我々の期待も大きい。

プロジェクトの皆さんは、我々を出迎えるために玄関前に「寺島ナス」と「内藤トウガラシ」のポット植えを並べてくれていた。
また、〈写真をクリックする〉横山先生が「渡辺早生ゴボウ」を土管に植えたのを見せていただいたが、わかりやすい試作例だ。

同校の圃場には、横山先生が「寺島ナス」の垣根作りを試されていた。
トウガラシは八房の「内藤トウガラシ」だと云う。
渡辺早生ゴボウの復活圃場 ( JA東京あおばから提供されたもの)。
渡邉常務の父上・渡邉正好氏(育種家・現99歳)が昭和20年頃に滝野川ゴボウの中から早生で抽台(花茎が出る)しにくいもの、スが入りづらいものを選抜して固定化したもの。
渡邉常務からは、2年過ぎないと花が咲かないとアドバイスがあったので、2年生が在学中はタネを採ることが出来ず、1年生に引き継ぐ仕事のようだ。
写真をクリックすると、メンバーがオロヌキ(ウロヌキ)したものを再度植え直しの (左下)試作もしていた。
「東京大越(おおしろ)ウリ」の復活圃場 ( JA東京あおばから提供されたもの)で、渡邉常務と横山先生とのシロウリ談義。
今年、JA東京あおばが取り組んでいる伝統野菜の復活事業の一つ「東京大越ウリ」は( 写真をクリックする)、都立園芸高校で栽培されていた。
熟していくと果実全体が白くなっていく。
このウリ、かつては奈良漬として栽培されていたもので、熟したものを二つに割って、タネを取り出したものを塩漬けにし、3年ぐらいかけて酒粕に漬けて「奈良漬」として製品化する。
同プロジェクトのブログでも拝見していたが、ガラス室に、大蔵ダイコンと練馬ダイコンの莢が干してあった。
砂村三寸ニンジンのタネが稔った。
現在、江東区立砂町小学校が砂村三寸ニンジンの復活に取り組んでいるが、そのバックヤードとして同校に協力してもらっているものだ。
一部はタネをまいたようで、小さな芽が出ていた。
観光資源としても、同校の圃場は魅力的なものだったが、同校には通称「三代さん」と云うのがある。

「徳川三代将軍家光遺愛の一対の松」がそれだ。
同校にはそれ以外にも大正元年に東京市長の尾崎行雄がワシントンに桜の木を贈った返礼に頂いた「ハナミズキ(白花種)」の一本が同校にある。
そして「日本梨新品種育成記念碑」も・・・。
農協観光の工藤さんも、プロジェクトの研究発表はもとより、観光資源としての同校の魅力を感じ取ってくれたようだ。
この模様は、農高生の愛読書・リーダーシップのHPに掲載された。、