砂村三寸ニンジンの復活は、独立行政法人・農業生物資源研究所に保存されていた種子を取り寄せて、昨年、江東区立砂町小学校で取り組んでくれた。
このことは、当ブログでも紹介した。
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種子の一部は、もしものことがあった場合を想定して、都立園芸高校の横山修一先生を通して「江戸東京野菜プロジェクト」に採種を依頼していた。
9月中旬、横山先生から「砂村三寸ニンジンの採種をしてありますが、如何しますか!」とのメール。
砂村ニンジンは、江東区の学校で栽培してもらうのが意義あることだから、同区の教育委員会で何かとお世話になっている、学校給食指導担当の馬場紀子係長に希望の学校があるか調べてもらった。

馬場さんの話では、「昨年22年度 食育研究指定地区」の指定をうけて中学校給食部会が「江戸伝統野菜」について調べた経験から、第四砂町中学校で取り組みたいとの意向があるとの連絡があった。
時期としては少し遅いので、早く播種する必要があると伝えておいた。
東京メトロ半蔵門線なら江東区から園芸高校に行きやすいので、早速馬場さんが横山先生のもとに行ってくれた。
また、指導者としては、昨年砂町小学校を指導した、関口隆雄さんにお願いしてみてはどうかと伝えておいた。
関口さんは、砂村生まれで現在江戸川区に住んでいるが、ことのほか砂町に愛着を持っている方で適任者だからだ。
その後、関口さんからは快諾が得られたという。

江東区立第四砂町中学校(伊藤雅夫校長)では、栄養士の塩入増子先生が担当して給食・理科委員会が取り組むと云うので、予定の29日に伺った。
授業が終わった後、委員会のメンバーは校長室に集まった。
関口さんから、栽培について説明があったが、私にも指名があったので、伝統野菜としての砂村三寸ニンジンについてお話させて戴いた。
写真をクリックすると、右から関口さん、隣り奥が伊藤校長、左前が馬場さん、奥が、銭元真規江先生(第五砂町小学校栄養教諭)。
伊藤校長先生とご挨拶をしたとき、先生は昨年「22年度 食育研究指定地区報告会」に出席していたので私の話を聞いたとのこと。
銭元先生も、砂村三寸ニンジンに注目されていて駆けつけてくれた。

タネは、都立園芸高校から戴いたもので播種したが、関口さんも自宅で採種したタネを持って来ていたことから、このタネは、銭元先生が播いてみると少し分けてもらったようだ。
クリックすると、今年から、関口さんがJA東京スマイルの代表理事副組合長に就任されたことから、学校が購入した資材類はJAの職員が持って来ていた。
学校の場合、一日中太陽が当たるところは意外に少ないものだが、2階職員室のベランダが管理し易いと云うことで、そこに深型ポットが二つ置かれた。
生徒たちが用土と赤玉を混ぜ、男子生徒と女子生徒が分かれて、タネを播いた。
一週間もせずに、芽が出ると思うが、当ブログでも報告していく。
今後は、給食で食べるほか、文化祭で活動体験を発表、また最終的にはゆかりのニンジンだけに、採種にも挑戦して継続して栽培していくというから楽しみだ。
徳川家康が江戸に来て初めに取り組んだのが、行徳からの塩を持ち込むために隅田川から中川につなぐ小名木川を開鑿したが、同校の北側を流れていた。
小名木川は、護岸の整備が行われ、水辺を楽しむ遊歩道が作られていた。
ここにも、江戸の面影が大切にされていた。