昨年の9月に府中の都立農高校で開催された農業系高校の校長会に押しかけで江戸東京野菜のプレゼンをやらせてもらったことは紹介したが、そんなご縁で、同農業高校の後藤哲校長からの依頼で、今年の3月9日に同校都市園芸科の皆さんの前でお話をすることが出来た。
その後、数日して、担任の大谷敦子先生から「来年度3年生の「グリーンライフ」の授業で江戸伝統野菜について取り上げたいと思っています。府中に相応しい江戸野菜がありましたら、教えていただけないでしょうか。」と云うメールをもらった。
8月には、2学期に江戸野菜の栽培を予定していると云うので、タネの入手についてもアドバイスをさせてもらた。
大谷先生をクリックすると江戸東京野菜の試験圃場。
9月20日に戴いたメールでは、タネは、お伝えしたように、伝統小松菜等は購入、ダイコンの、練馬大根と伝統大蔵大根は、園芸高校の横山修一先生から分けてもらったとかで、「小松菜は先週播種し、ダイコンは今週播種(8/22)する予定です。」とあった。
大谷先生は、普及種との比較実験をするということで、葉ものとしては固定種の「伝統小松菜(後関晩生)」(写真上)と「東京ベカ菜」、そして交配種のタキイ交配の小松菜「楽天」(写真下)を播種していた。
クリックすると、左から「東京ベカ菜」、「伝統小松菜」、「楽天」
9月21日の台風は農作物に大きな被害を与えたが、同校でも強風で伝統野菜のトンネルは吹き飛ばされ、発芽したばかりの大根、小松菜、ベカ菜などは根こそぎ吹き飛ばされるものもあり、追い播きをしたようだ。
比較実験のため、マルチの右が伝統大蔵大根、左が練馬大根。
クリックすると、大蔵大根の追い蒔きと、台風を潜り抜けたのとの生育の違い。
大谷先生が、同校の圃場を案内してくれた。
環境保全農法の圃場。
肥料としては、米ぬかなどを使用した栽培で、ホウレン草が播かれていた。
クリックすると農薬を使わないで、アブラムシを誘引するソルゴーも植えてある。

今年は、ウドの根株を、東京ウド連の須崎雅義会長(同校のOB) から提供を受けたもので栽培している。
8月29日のメールでは、「ウドについては、現在畑で育成中です。今のところ病害虫の発生もなく生育しています。授業としては、クラス全員で植え付けを行い、その後は除草作業を行っています。 」とあった。
江戸野菜についての授業は、2学期の文化祭(12月12〜13日) に向けてダイコン、コマツナ栽培、さらにウド栽培を発表する予定だとか。楽しみだ。
写真をクリックする。
同校では月水金の11時より、都市園芸科の生徒が栽培した野菜や、食品科学科の生徒が作った製茶やlactic(乳酸菌飲料)、パウンドケーキ等の商品も販売される。

都立農業系高校では、地域社会への貢献授業を行っているが、
同校では地域の保育園等に芋掘り体験の場所を提供するため、学生たちが植え付けている。
丁度試し掘りが行われると云うので、見せてもらった。

都市園芸科は、男女比は半々、収穫作業も協力しながらテキパキと行われていた。
品種の「紅高系(べにこうけい)種」は、肉質がしっとりとした感じのもので、胸やけすることの少ないさつま芋。
近いうちに、この圃場で、保育園園児たちの歓声が聞こえることだろう、そして美味しい「紅高系」のお土産は、食育としても園児たちには良い思い出でになるだろう。
改めて、江戸東京野菜のその後を見に来ると、大谷先生に伝えて同校を後にした。
先生からは、帰り際にお土産として、食品科学科の皆さんが製造したlactic(乳酸菌飲料)を戴いた。ありがとうございました。