岸野農園の農家見学会の後、丁度昼時だったので、岸野家の近くにある、小平市天神町の指田園に寄ったが生憎休み、酒井さんが小金井街道沿いに手打ちうどんの「甚五郎」があると云うので、向かった。
その店は、小金井公園から西武線花小金井駅に向かう小金井街道沿いにあった。
店内は、丁度7人が座れる席が空いていて、タイミング良く座れた。
農家見学の後に武蔵野の食文化を味わえるのは幸せなことだ。
手打ちうどん・蕎麦の「甚五郎」は、これまで、立川の利静庵「甚五郎」と西砂の砂川庵「甚五郎」で食べたが、小平の鈴木町に「甚五郎」があるのは知らなかった。
女将に由来を聞いてみると、元々は地元鈴木町の農家で、お爺さんの叔父さんに当たる「横田甚五郎」が、うどん打ちの名人で、「甚五郎」の名をとって30年前に所有畑に兄弟で店を開いたと云う。
上の写真をクリックするとパンフ。
「自家栽培により育てられた最高の麦だからこそできる、味へのこだわり。」とパンフに載っている。

やはり、注文は「糧うどん」の大盛り。
この店の「糧うどん」、うどんが出る前に、握り飯が二つ出てきた。
海苔の香りと昆布の佃煮が付いていて美味い。大盛りを頼まなくてもよかったようだ。

この店の「糧うどん」はこれまでの店と違って、本来の「糧うどん」らしく野菜が多目に出てきた。
ホウレン草と、ダイコン、ニンジン、白菜の茹でたのが皿に乗って。
上の写真をクリックする。
店内のメニューには、この店なりの「糧うどん」について上品な解説が書いてあるが・・・。
北多摩地区の農家の「糧うどん」は、手打ちうどんを茹でる時に、その時期に収穫される野菜を一緒に、茹でて、うどんと一緒に食べた。
栄養のバランス的にも叶った伝統食として伝わっている。
戦後、昭和30年代前半までの食糧不足の時代には、子沢山の農家では、小麦の不足を補うために、うどんの増量材として、うどんより多く野菜を茹でて、うどんと共に食したもので、ナスの季節には、おかずはナスばっかり、ダイコンの季節には、ダイコンばっかりの「ばっかり食」だった。

参加者全員が、「糧うどん」を美味しく戴いた。

レジの脇に、お持ち帰り用の、自家製「たくわん」と「白菜漬」が置かれていた。
この野菜、89歳になるお婆ちゃんのシンさんが店の近くの畑で栽培したものだ。
安全、安心、農家に伝わる味が楽しめる。