2012年01月15日

荒川区の伝統野菜・「汐入ダイコン」「荒木田ダイコン」と呼ばれたダイコンの試食会で驚きの声。


今は農地の無くなった荒川区にも、かつては伝統野菜の「汐入ダイコン」とか「荒木田ダイコン」があった。
汐入地区も荒木田地区も隅田川の西岸地域、両地域とも川の蛇行が東に大きくうねった地域で、かつては洪水の常襲地域であった。
言い換えると、上流からの肥沃な土砂の沖積地で作物が良くできた所でもあった。
そこで栽培されていたダイコンは、土地の名前をとって「汐入ダイコン」「荒木田ダイコン」と呼ばれていて、それが「二年子ダイコン」だ。
この「二年子ダイコン」、抽台が遅いことから秋にタネを播いて年を越して2〜3月に収穫できると云うもの。




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今年、荒川区の先生方と、三河島菜を通してネットワークが出来たことから、汐入ダイコン、荒木田ダイコンの事をご存じなのか、荒川区立汐入東小学校の羽中田(はながた)彩記子校長先生に伺ったら、同校で栽培しているという。
しかし、5年ほど前に地元の小学校で給食に出したが、生徒達からは不評だったと云うことで、現在は栽培しているが食べていないと云う。

それは、もったいないことなので、食べたかを工夫すれば給食に使えるのではないかと、小平の宮寺光政さんに二年子ダイコンを播種してもらったもので、14日、試食会を宮寺農園のハウスで実施した。




試食会には、荒川区から汐入東小学校の岩崎昇副校長、同区環境推進係の樹木医・彦坂雅男氏、
東京都中央農業改良普及センター主任普及指導員の荒木俊光氏、築地の東京シティー青果で江戸東京野菜を担当している西口敏男氏、
目黒の江戸料理「江ど間」の宮城幸司氏、押上「よしかつ」の佐藤勝彦氏、
都立園芸高校の横山修一教諭、ミュゼダグリの酒井文子理事長、納所二郎理事、JA東京むさし広報課の渋谷香織さん、
宮寺農園のボランティア・佐藤利子さんと戸川明美さん。東京農大4年の芳賀緑さん、東京新聞の松村裕子記者と、江戸東京野菜に注目している方々が集まってくれた。




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宮寺農園で10月29日に播種した、亀戸ダイコン(下側)と二年子ダイコン(上側)を上から撮ってみると、葉の色も違うし、葉の形も違う、二年子は亀戸よりも葉の数が多く、葉をむしって食べると風味もよく美味しい。

クリックすると亀戸ダイコン(左)は根の肩口が見えているが、二年子ダイコン(右)は寒さから身守るように根の部分は土の中にある。



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実は、1週間前の8日、そろそろ収穫もできるのではないかと、宮寺農園でお手伝いをしている佐藤さんに試食用に切ってもらったが、皮を剥いて、別々に食べてみたら、皮は、爽やかな辛さだが、芯の部分は甘い。これには驚いた。

この大根が普及できるかどうかは、一度試食会を行って、皆さんに判断してもらおうと、宮寺さんと相談して決定したものだ。




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14日、試食会では、酒井さんに調理をお願いしたが、ダイコンの皮を剥いたもの、素揚げしたものを食べて戴いた。

皆さんの反応は、皮の辛さに比べて、芯の甘さに驚かれたようだ。

「亀戸ダイコンに比べてもそんなに辛いとも思わなかった。

丸ごとフライにすると、ダイコンの辛さは消えて、甘さが印象的で、調理の仕方でこんなにも味が変わるものかと驚いた」
などの意見が聞かれ、今後、給食での道も開けるようだ。

出席された江戸料理「江ど間」の宮城幸司氏と、押上「よしかつ」の佐藤勝彦氏は、メニュー開発用に何本か持ち帰ったので、そのうちにメニューを紹介してくれると云うから楽しみだ。



追伸


15日東京新聞に「小平の畑で栽培 荒川区の大根」「伝統野菜研究会 普及へ調理法を探る」と、松村記者の署名記事が掲載された。

目黒の江ど間・宮城幸司さん、押上「よしかつ」・佐藤勝彦さんアトリエグーの林幸子さんの三人が料理にチャレンジしてメニュウを送ってくれた。

posted by 大竹道茂 at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 粋な江戸っ子は白首大根
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