先日、荒川区の伝統野菜「汐入ダイコン」の試食会を行ったことは当ブログで紹介した。
このダイコン「辛味ダイコン」と云うことで、ダイコンおろしなどにして、搗きたての餅に絡めて、「辛味餅」として食べられたり、蕎麦の薬味に使われたりと、その利用方法は、辛味として限られたものだった。

試食会当日は、目黒の江戸料理「江ど間」の宮城幸司氏と、押上「よしかつ」の佐藤勝彦氏が来てくれて、試食いただいたが、メニューを考えてもらうために、お二人には期待を込めて、宮寺光政さんから汐入ダイコンが手渡された。
お約束どおり押上「よしかつ」の佐藤勝彦氏からレシピと写真が届いていたので紹介する。
よしかつおすすめ汐入大根レシピ。
材料:大根・バター・塩・コショウ・狭山茶ソースまたはバジルペースト
大根は縦に二つ割皮付きのまま水から、そして沸騰してから10分ほどゆでる。その後葉の部分もサッと湯がく。
やや多めのバターで両面焦げ目がつくぐらいこんがり焼く。あわせて葉の部分もソテーする。葉は塩こしょうを、実は塩を振り盛り付ける。(天然荒塩がおすすめ)
実のほうに狭山茶を使ったソースをぬる。(市販のバジルペーストでOK)
*美しい葉の色とすらりとした姿、濃縮感ある味わい。大根のミネラル感と旨みの苦味が塩とソースで引き立てます。
材料:大根・梅干し・焼バラ海苔・ソーメンつゆ
大根は葉と皮と先端の細いところに分ける。
実はスライサーで細く糸切り、沸騰したお湯でサッと湯通し。皮と細い所は梅干しとともに細かく包丁で叩く。葉はゆでてみじん切り。
ソーメンの汁(市販のストレートでOK)にゆでた大根を入れ、葉と皮と梅干しの叩いたものをのせ、香りの焼バラのりをトッピング。
*夏に近い季節に〆の一品としての提案。糸状にした大根は湯通しすることによりつるつる・シコシコした食感。香りある薬味としての葉。辛味と酸味の皮の部位。大根・梅干し・地海苔だけだがヘルシーで満足感ある味わい。
材料:甲州ワインビネガーまたは通常のワインビネガー・てんさい糖(液体)または砂糖・塩
漬け汁をつくる。甲州ワインビネガー(市販品)を水で1:1で割る。てんさい糖大さじ2を加えよく混ぜる。
大根は多めの塩をすり込み15分ほど置き、水を出す。
漬け汁に入れ、半日〜1日置く。
*甘みは同じ大根から作られるてん菜等がおすすめ。味のなじみが良い。そのままあっさりでも良いが素材として使うのが良い。
応用レシピ
その1)葉の部分を細かく刻んでブルーチーズとあえる。
その2)さいころ状に切ってサラダにのせたり、ポテトサラダに混ぜ込む
その3)酒で柔らかくした昆布で巻いて昆布締め。
材料:塩さば・大根・人参・ゆず・昆布・塩・薄口醤油
沸騰したお湯に塩さばをくぐらせ、臭みを取る。
大根と人参は1本のままスライサーで縦に薄く板状にきる。大根の葉はゆでてみじんぎり。
3時間ほど前に水に昆布を入れ昆布水を作る。(水300mlに対しこんぶ5g)
昆布水に大根と人参を入れ沸騰させる。柔らかくなったら塩さばを入れ軽く煮て、塩と薄口醤油で味を調える。
彩りに刻んだ葉とゆずの皮をのせる。
*大根を長く板状にスライスすることにより椀物ではなく彩りよいおかずの一品として味わえます。シンプルな味付けのほうが大根の滋味深い味が引き立ちます。さばの味が苦手な人は鶏肉などでも美味しいです。
佐藤さん、「汐入ダイコン」レシピ、ありがとうございます。
どれもおいしそうで、ヒントになるものばかりです。
先生らしく、落語と絡めて頂いた事に、感謝です。立川吉笑さんにもはっぱを掛けようと思いました。
レシピが載っている事が、江戸東京野菜の裾野の広がりを加速して行く事を確信しております。作ってみます!