2012年02月15日

〜Project for Food Consciousness〜 日伊共同シンポジウム・セミナー・ラボラトリー、 イタリア味覚教育センターによる児童向け「食と感覚の授業」


政府が伝統的な日本料理をユネスコ無形文化遺産に申請することを許可したという、ニュースが伝わってきたが、その日本食を育ててきたのが、日本人の味覚である。

江戸東京野菜を含め、在来の伝統野菜には、「渋み」、「えぐみ」、などもあり、それが調理で旨みに変っていくものも少なくない。
しかし、最近の野菜を例にとると、高度な品種改良により、「甘い」、「柔らかい」、「臭いの薄い」野菜に変ってきていて、伝統の在来野菜と比べるとその違いの大きさに驚かされる。

それだけに、子どもたちの味覚に不安感を抱いていた一人であった。

そんな折に、2月12日(日)、イタリア味覚教育センターによるラボラトリー 「児童向け食と感覚の授業 感覚のABC」を参観してきた。



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ラボラトリーへの受講者(子供)と、参観者は学習院女子大、互敬会館1階ホールに集まった。

初めに、品川明教授( 学習院女子大学フードコンシャスネス実行委員長) がお気に入りの前かけで二階から登場、ラボラトリーの進行や注意について、身振り手振りを交えて、子どもたちの不安感をぬぐう様に説明した。

特に、ビデイオ等、子どもを被写体に写真撮影をすることをご父兄に了解をとったが、皆さん好意的で、当ブロガーもホッとした。
食と感覚の授業「感覚のABC」



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授業は、ルイーザ・ペリス氏が子供達に語りかけで、始まった。

ルイーザ・ペリス(Luisa Peris)氏
 味覚教育センター 養成コース責任者
 カラブリア州ミレート出身。国立小学校教師。
 1985年よりトスカーナ州立教育研究実験センター指導員。96年より学校教職員に向けた感覚味覚教育指導者養成を開始し、1万2千人以上を指導。
 99年から2007年までスローフード協会教師
 養成コース責任者。現在、プラート味覚教育センター味覚教育教師
 養成コース責任者。
 プラート市南地区の区長という政治家の顔も持つ。

上の写真をクリックする。
講師:アレツサンドロ・ヴェントウーリ(Alessandro Venturi)氏

 味覚教育センター 代表(イタリア教育省認定・味覚教育教師養成機関)
 トスカーナ州プラート出身。大学で文学及び哲学を専攻。
 スローフード協会創立時からのメンバーであり、1998年から2006年まで スローフード協会食教育プロジェクト責任者を務める。
  07年よりイタリア味覚教育センター代表

司会:品川明氏(学習院女子大学教授)
・学習院女子大学国際文化交流学部日本文化学科環境センター教授
・東京大学大学院修了 農学博士
・専門分野:水圏生物学・生物生態学・環境教育・食物味覚教育・コミュニケーション諭

 自分の味覚や喚覚を確かめるとともに感覚を発展させ、食べ物の味わい方やその背景を知ることが大切である。あらゆる世代に必要な楽しくて美味しい味覚・しゅう嗅覚教育などの感覚教育と食物教育を実施し、食物の大切さや本来の価値を認識し、生き物の命や生き物が生息している環境を大切にする人を育てることを目標としている。

通訳:中野美季氏(学習院女子大学非常勤講師)

【概要は当日の資料より】
健やかな食生活スタイルは心身のバランスのとれた発達を促し、子ども自身に本来備わっているたくましい「人間力」を引き出す。
そのきっかけとなり五感を目覚めさせる授業「感覚のABC」は、イタリアの教室でこんな風に始まり・・・イタリア味覚教育センターが20年にわたる経験から創り出す、イタリア式味覚授業を本邦初公開。
授業を受けるのは日本の小学生。世界が注目するイタリア式食教育を実際にご覧いただけるまたとない機会である。



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まず、この授業に参加した記念にワッペンを一人ひとりの胸に貼ってくれる。

上の写真をクリックする。
味覚授業のスタッフ。




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子供たちの父兄、参観者等で会場は満席。



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初めにスタッフが木のスプーンを、ひとっ配る。
ルイーザ・ペリス氏がどんな味がするか、質問し答えさせる。



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一本づつ、答えさせるが、塩、コーヒー、そしてレモン、味の素、ザラメの順だった。
味の素については、手が上がらなかったが、一人「旨み」と答えた子がいた。
隣りどおし、お友達と確認し合いながらの子もいて、みんなリラックス。



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次に配られたのは、1番の蜂蜜。

まず、目で確かめて、匂いを嗅いで、の順で授業は進行。
子供たちの意見を聞く。



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これは何でしょう。蜂蜜の答えに、それでは蜂さんはどんなお仕事をしたのでしょう。
花の蜜を、蜂が集めてきたことを答えさせた後、「舐めさせて」、何の花でしょう。

上の写真をクリックする。品川教授が子供たちの声を拾う。
子供達も活発で、素直に答える。・・



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授業が終わった後は、子どもと父兄は別室で昼食となったが、
講師のペリス氏と、ヴェントウーリ氏は、参観した教育関係者たちの質問を受けた。

上の写真をクリックする。
今回使われた蜂蜜は、1が「アカシアの蜂蜜」、2が「トスカーナの蜂蜜」これは色々な花の蜜が混ざったもの。3が「栗の蜂蜜」。

子供たちが一番好きな蜂蜜は、2番、1番の順で花の名前まで当てられなかった。
3番の匂いは、初めてのようで、「動物の匂い」とか、「渋谷の街の匂い」と、答えた子もいたが、栗の花の臭いは「男性」の臭いとも言われているから、当たっているのかもしれない。

参観された方からは、「日本では、毎日の食事に蜂蜜を使う習慣がないから、難しかったのでは・・・」との質問があったが、ペリス氏は、日本の食習慣の中から選んだらよいでしょうと答えた。
それにしても、蜂蜜の微妙な味覚を子供達は真剣に味わいながら、答えを探していて、味覚教育の一端を学ぶことが出来。



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午後からの、エデュガストロノミー〜学校給食で拓く地域食材プロモーション〜
では、アドバイザリーボードとして、宮島則子(荒川区立汐入小学校主査栄養士)先生が、農業・酪農・企業・国立がんセンターとの連携授業実施、農水省・NPOとの生産物消費拡大事業等、注目されている独自の活動を発表すると聞いていたので、聴きたかったが、先約があったので、先生の了解を得て後ろ髪をひかれる思いで、会場を後にした。


追録



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中野美季先生は通訳でお忙しいので、ご挨拶も遠慮したが、アレツサンドロ・ヴェントウーリ 味覚教育センター代表は親しげに「味覚の学校」にサインをしてくれた。



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ペリス氏の授業を参観していたら、タルドウツチ氏が来て、何やらイタリア語で質問をしてきた。
 控室に招かれ、通訳に来てもらうと、レセプションに提供した「東京ウド」の事が知りたかったようで、栽培方法などを図を書いて説明したら、イタリアにも同じような軟拍栽培の野菜があるそうで、それで興味が湧いたようだ。

カルチョップ(CARCIOFO)、アーティチョークの一種らしい。またはそらまめの一種(FAVE)もそうだと云う。
国に帰ったら、写真をメールで送ると約束してくれた。

上の写真をクリックする。

そこで、ウドの出来るまでを、当ブログに掲載し、後で見てもらうことにした。
サポート通訳の田村博子さんお世話になりました。
posted by 大竹道茂 at 10:44| Comment(1) | TrackBack(0) | 食育・食農・講演会等
この記事へのコメント
大竹先生ブログ有難う御座いました。参加出来ない環境の者でも、少しでも情報の共有化が出来ました。凄いですね、17日の落語会は学習院大卒の菊六さんです。この、お話も伝えましょう。私も午後のお話後ろ髪惹かれます。もし、レジメ手に入られるようでしたら、どんな内容だったか、お教え願えれば、と思います。
Posted by 松井 つるみ at 2012年02月16日 17:33
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