府中市のビアハウスケンに勤める和田純一さんが、訪ねてきた。
これまで、府中市商工会の勉強会で、まち興しの資源を模索していたが、府中市には江戸時代に、幕府のマクワ瓜畑・御瓜田があったことを調べあげ、これまでマクワ瓜で地ビールや、パンを試作したという。
地域に伝わる「伝統野菜には、一つ一つ物語がある」、と常々言ってきたが、
こうなると、マクワ瓜にこだわりたくなるのが人情・・・。
和田さんから、江戸時代に伝わった、素性のはっきりしたマクワ瓜がないものかと、相談があったもの。

写真、左から杉崎忠雄組合長、府中市の和田純一さん、学生グループ「いがねこ」の遠藤敦人さん
江戸のマクワ瓜は、甘いものが少なかった時代、「水菓子」と言われて、将軍はもとより、真夏に井戸で冷やされたマクワ瓜を江戸市民たちは好んで食べた。
上の写真をクリツクする。
現在、江戸東京野菜としては、中川流域(葛飾区)で栽培されていた、大振りの「本田(ホンデン)うり」(右上)が、足立区(内田和子さんが栽培していた)で見つかった。
また、小金井市の農家・島田さん宅に伝わっていた「黄金(コガネ)のマクワウリ(左下)」も見つかり、江戸東京野菜として認証されている。
当研究会では、15-6年前に府中で、マクワウリ栽培が行われていたことは確認しているが、その後は把握していない。
そんなことから、先日、府中市をテリトリーとするJAマインズの杉崎忠雄代表理事組合長にお会いして、現在、生産者がいるのか、栽培してくれるか、などについて協力を要請した。

むさし府中商工会議所の「会議所ニュース」(3月20日発行)によると、
オリエンタルメロンパンの試作品完成とある。
記事によると、平成23年度の「府中商人塾」活動報告で、特産品開発の研究で、府中で生産されたマクワウリを、ドライフルーツに加工した後、パン生地に練りこんで焼き上げ「オリエンタルメロンパン」として、試作を完成させたという。
府中商人塾は、様々な勉強・研究を通して次代のリーダー育成を目的に実施されていて、現在、和田さんをはじめ、12名の若手経営者や後継者等が在籍している。

和田氏は持参した「府中人 考案ティスト 府中バカのまくわ瓜」を、杉崎組合長に進呈。
杉崎組合長は、小澤嘉一副組合長が府中出身なので生産者を探すなど、JAとしても前向きに、このまち興しに協力していきたいとの約束してくれた。