ドキュメンタリー映画『よみがえりのレシピ』が東京で初上映されるとの情報は、当ブログで紹介しお誘いをしている。
上映は21日、20時50分からと云うので、20分前に、下高井戸シネマに到着したが行列ができていた。
館主なのか行列を整理していたおじさんが、もう満席で立見席しかないので、ご了承くださいと言っていた。

ホール内は満席で、中央の通路に座布団席が、両サイドに急きょ折りたたみ椅子の補助席が設けられ、補助席がひとつ席が空いていたので座ることができた。
ドキュメンタリーは、梓山大根、外内島キュウリから入った。
作っても売れない外内島キュウリ、今年で栽培はやめよう、そのときに地元の漬物屋さんが、引き続きの栽培を依頼してきた。
伝統野菜(在来作物 )は食べる人がいるから、栽培が続けられるものだ。
しかし漬物にしたが売れない。在庫が増える。
そこで、山形イタリアン、アル・ケッチャーノの奥田政行シェフが新たなレシピを生み出す。
まさに「よみがえりのレシピ」、
(レシピには処方箋の意味もあるらしく、食や農業への処方箋になればと名前を付けたという。)
伝統野菜が置かれている象徴的な事例が初めに紹介された。
うど、白山だだちゃ豆、田川カブ、甚五右エ門芋、山形赤根ホウレンソウ、山形青菜、金谷ゴボウ、雪菜、宝谷カブなど、一つひとつが丁寧に紹介されている。
藤沢カブでは、焼き畑の火入れから、種まき、収穫とカブの一生にかかわる人たち、渡会美代子さん、後藤勝利さんの話がいい。
一昨年、スローフードの島村菜津さんと一緒に連れて行っていただいたが、その時、渡辺智史監督は、抜いた藤沢カブを私たちが試食しているところを撮影してくれていて、当日の出来事がいっぺんに思い出された。
映画では、生産者の声とともに、江頭宏昌先生( 山形大学農学部准教授 )と奥田シェフの話に、唸ってしまった。
新幹線で下高井戸に駆けつけていると紹介されていた渡辺智史監督が上映後挨拶に立った。
渡辺監督には、2009年に山形大学で開催されたシンポジウムに招かれたときに初めてお会いしたが、山形に戻ってこれから在来作物を撮影していくと話しておられた。
挨拶の中で、多くの市民プロデューサーの皆様のおかげで映画が完成しましたと、感謝をのべたあと、在来作物の伝承は時間との戦いだということを藤沢カブを例に話された。
藤沢カブのタネを守ってきた渡会美代子さんが昨年亡くなった。
2010年から撮影できたので渡会さんの藤沢カブへの思いや、作業する元気な姿を残すことができたと・・・
山形県内では、10年間で30もの在来作物が消えて行ったと、テロップが伝えていた。
そして、最後に撮影協力者として、名前を載せていただいていた。
渡辺監督! 素晴らしい映画をありがとうございました。
終了時間が23時間際で、JRの人身事故で私鉄までも遅れが出ていたので、渡辺監督にお礼を言わずに帰ってきてしまったが、それても家に着いたのは24時を回っていた。
23日(月)も、11時から下高井戸シネマで開催された。
前回のこともあり30分前に会場に着いたら、渡辺監督から声をかけられた。
会場には当ブログを見てくれた方々も、駆けつけていてくれた。
今回も、中央の座布団席に、両サイドは折りたたみ椅子が用意されたが、立ち見の方も大勢いた。
今回は、落ち着いて見ることができたから、生産者の思いや、江頭先生や奥田シェフの言葉が心に沁みた。
渡辺監督は、あいさつで撮影に至った思いを語られた。
映画は見て終わりではなくて、これをきっかけに、ここから始まるのだと・・
特に、子供たちに味覚を覚えさせたい。大きくなって「まずい」でかたずけないように、、在来作物は、苦い、渋いなどの微妙な味を教えられる野菜だ。と・・・
帰り際、渡辺監督の前には行列ができたが、ライターの八田尚子さん、カメラマンの矢郷桃さん、ミュゼダグリの松井つるみさん、世田谷の岩田恭子さんを渡辺監督に紹介した。
江戸東京野菜に携わる皆さんには、ぜひ見ていただきたい映画なので、そんな機会を作りたいと思っている。
「よみがえりのレシピ」は、2011年に山形国際ドキュメンタリー映画祭に正式出品された。
また、香港国際映画祭2012に正式出品された。
2012年秋、渋谷・ユーロスペースにて劇場公開決定した。
シネマ祭”12 小松川区民館ホールで、5月5日17時20分から開催される。
お問い合わせは、主催メイシネマ上映会 03-3659-0179
映画「よみがえりのレシピ」製作委員会では、上映情報を伝えている。
私も江戸東京野菜の活動から学ぶことは多いです。これからもよろしくお願いします。