2012年07月06日

東京大学付属生態調和農学機構が地域住民との協働として、江戸東京野菜を取り上げた。


東京都西東京市にある東京大学大学院農学生命科学研究科付属生態調和農学機構の技術職員の手島英敏さんから、5月末に電話をもらった。

何でも、日本学術振興会から研究費の交付を受け、江戸東京野菜を栽培することになったので協力してくれと云うもの。



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東大農場のある田無は、長男が生まれた37〜8年も前に住んでいて、長女を連れて、田無演習林の一般公開日に出かけた。

見本林までは自宅から歩いて15分の距離で、昔は、乳牛も飼っていて牧場があった。

上の写真をクリックする
西東京市の周辺道路の渋滞からは、考えられない、のどかな景色が広がっていた。
「低肥料による安定的 飼料作物栽培体系の確立」の看板が立っていた。


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手島さんには、一度伺うと云っていたが、先日、時間がつくれたので同機構を訪ねた。

上の写真をクリックすると機構にリンクする。
かつては「東大農場」と言っていたが、2010年4月から「生態調和農学機構」となっていた。

同機構本部では、手島さんが副機構長の二宮正士教育研究部長と、荒木田善隆技術部長の所にご案内いただいたので、ご挨拶をさせていただいた。



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生態調和農学機構は、2011年から約6年間の計画で、西東京キャンパス(仮称)の施設や圃場の再整備計画を進めている。

地域への貢献活動も合わせて計画されていて、教育や研究のための実験的直売所(東大マルシェ)の開設に向けて、地域住民を巻き込んだワークショップとして話し合いがおこなわれている。

同機構は、地域に開かれたキャンパスを目指していて、「江戸東京野菜」を切り口に地域づくりや地域の再発見につなげ、地域との一体感を強化することを研究していくとしている。

上の写真をクリツクする
手島さんは、タネを独立行政法人・農業生物資源研究所に申請していたが、手元に届くのに時間を要し研究の遅れが出ていたことから、「寺島ナス」の苗を所有していた小金井市の井上誠一氏を紹介したので購入していた。



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この研究では、「江戸東京野菜」の自家採種作業をメインに行うという。

しかも、品種の形質を維持するための母本選定や、防虫ネットを使い品種の交雑を防ぐ作業を地域住民有志とともに行う。

また、栽培管理に関しては、化学肥料や農薬、近代の農業資材の使用を極力控え、野菜が持つ自然の力を生かした方法で、栽培上の技術的課題を明らかにしていくとして、従来の栽培管理で生産したFl種との比較も行う。

上の写真をクリックする
農業生物資源研究所から購入した種子袋には、高井戸の袋もある。
高井戸キュウリは、まだ復活していなかった品種で、杉並の皆さんが楽しみにしている品種だ。





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取り寄せたタネと、市販のタネの発芽試験を行っていた。
翌日、72穴のセルトレーに植えたそうだが、すべて双葉が出たという連絡があった。

上の写真をクリックする。
蔓細千成、中生山ナスの発芽試験は、まだ動きがないようだ。


手島さんは、江戸東京野菜について勉強したいというので、
早稲田大学で講義をしたときや、星野農園の農家見学にも参加されるなど熱心て、後期の江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座にも出る予定だとか。



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ここをクリックすると同機構の整備計画

収穫後の取り組みとしては、
農作業に参加した地域住民有志の協力を得ながら、市場調査や、収穫物の、東大マルシェでの販売方法を検討。
都内の生産農家や生産団体を訪問、郷土食の再現の試みなどを行うとしている。





追録





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西東京キャンパスには、
大賀ハス(古代ハス)が発見された、千葉県検見川の旧緑地植物実験所から、ハスのコレクションが移されていた。
また、神奈川県旧二宮果樹園からは、果樹を受け継いでいる。
posted by 大竹道茂 at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 大学・NPO等の活動
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