今年も東京都市大学付属小学校( 重永睦夫校長 )の 4年生を対象に三國清三シェフの「ミクニレッスン」が開催された。
三國シェフは日頃から地産地消を推進していて、同校で開催される「ミクニレッスン」では東京の野菜にこだわっていただいている。
昨年同様、7月のレッスンは、同校のある東京の地場野菜について勉強する時間で、今年も特別講師として招かれた。
授業の1時間前に同校に集合し、同レッスンを仕切っている松木直也氏から授業の流れについて説明を受けた。
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10時から桜組 (担任池邉希世先生) 38名、11時から桐組(担任三輪洋資先生)39名にご父兄73名が参加された。
昨年同様の流れだったが、今回は昨年の経験を踏まえて「東京の野菜」のパワーポイントを作っていった。
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今年はテーブルに東京産の農産物 (カッコ内は生産者) を並べた。
ミニかぼちゃ栗坊(小平市・高橋浩幸さん)、
とうもろこし黄色(西東京市・海老沢孫次さん)
・白色、ピーマン(三鷹市・岡田一夫さん)、うど(立川市・須崎雅義さん)、
枝豆(練馬区・井口良男さん)、人参、かぶ、ビーツ(八王子市・中西真一さん)、
寺島なす、千両なす(三鷹市・星野直治さん)、
ズッキーニ・緑色(宮寺光政)・黄色(武蔵村山・内野晴夫さん)、
黒キャベツ、スティックセニョール(西東京市・新倉庄次郎さん)、
インカのめざめ、きたあかり(東村山市・長嶋要一さん)
各テーブルを回って、置かれた野菜を知っているか質問して歩いたが、各テーブルとも、元気な答えが返ってきた。
今回、江戸東京野菜は、寺島なす、馬込半白キュウリ、東京ウドを持ち込んで、生徒たちには、「東京都新しい公共支援事業」の助成を受けて制作された「江戸東京野菜読本」を配布した。
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「寺島なす」と「千両ナス」は各テーブルに置いて、伝統野菜と市販のナスの違いを説明したが、三國シェフもフォローしてくれて、寺島なすをわかりやすく説明された。
テーブルに置いたものの中に、珍しいものも用意した。
「スティックセニョール」というブロッコリーと中国野菜の交配種。
生でも食べられて、茎の食感も良く甘さもあり、最近はバーニャカウダーに使われている。
色々な野菜の名が上がったが、よく見てブロッコリーと答えた生徒もいた。
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さすがに、イタリア野菜の「黒キャベツ(カーボロネロ)」は難しかった。
キャベツの原種に近いもので、キャベツの甘さわないが香りが強く、ピザやパスタに使われている。
西東京市の新倉庄次郎さん(ニイクラファーム)が栽培している「スティックセニョール」「黒キャベツ」は、スーパーでは目にすることが少ない野菜。
小松菜、ほうれん草などの答えが多かったが、「黒キャベツ」には、驚いていた。
キャベツは、結球野菜のイメージが強いからだ。
今回作ったパワーポイントは、野菜の花を見せて、野菜をあてるというもの。
ナス科の野菜6種類とウリ科の野菜6種類。
野菜の花を見て、多くの生徒が手を挙げた。
科の花はどれも似ていることがわかってもらえた。
知っている野菜の名前がたくさん上がったところで、答え合わせ。生徒の目が輝いていた。
ジャガイモがナスの仲間だとして、理解しやすいように「きたあかり」になった実の写真を披露した。トマトに似ている実だから、納得したようだ。
生徒の集中力が高まったレッスンになった。
子どもたちの中には、野菜の嫌いな子は多いが、三國シェフの問いかけに野菜が嫌いだと手を挙げた生徒が2割弱いた。
三國シェフが用意した料理は冷やした「ラタトゥイユ」。
南フランス・プロヴァンス地方の料理で、東京産野菜がたっぷり入った煮込み料理。
細長ミニトマト(黄)、ミニかぼちゃ栗坊、とうもろこし、うど、枝豆、馬込半白きゅうり、人参、かぶ、を使っている。
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仕上げは、別室でミント(西東京市・新倉庄次郎)を添えて出来上がり。

ご父兄は、別室で生徒と同じものを召し上がった。
「ラタトゥイユ」はトマト味で煮込んであるが、野菜が嫌いな生徒にも食べやすいようにオレンジジュースを加えいた。
各テーブルともに楽しく会話をしながら食べていた。野菜が嫌いな生徒も努力している様子が見て取れた。
ミクニレッスンの中で、いくつかの質問を受けたが、レッスン後に何人かの生徒が質問にやって来た。
「一番好きな野菜は何ですか?」、と聞いてきた。
「嫌いな野菜はないが、一つに絞ることはできません」と答えて、
「今は、一年中何でもあるけど、野菜には旬があって、夏の野菜、秋の野菜と云うように、四季折々に美味しい野菜があるから、季節の野菜を調べてみたら・・・・」と伝えたが、昔から一年中ナスやキュウリがあると思っていたようで、驚いたしぐさだった。
なんでそんな質問をするのか、後で聞いてわかったが、「野菜の専門家がどんな野菜が好きなのかを知りたかった」ということで、こんな話もする必要があったなと気づかされた。