2012年07月17日

牧野富太郎生誕150年記念特別展「野菜の宴」江戸明治の植物画に、江戸東京野菜が描かれていた。


フードコミュニケーション・プランナーの佐野弥生子さんから、今月6日、練馬の牧野記念庭園記念館で、明日から特別展「野菜の宴」が開催されるという情報をいただいていた。

メールには「毎日新聞朝刊に、植物学者の牧野富太郎さん収集の植物画コレクションの中にある、江戸時代の博物画家、関根雲停作『宝満カブ』の野菜画が記事掲載されていますが、このカブも江戸伝統野菜でしょうか?」というご質問までいただいた。
新聞を見なかったので何とも言えないが、江戸東京野菜でないことは確かで、返事は保留していた。



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上の写真をクリツクする。


庭内の施設は、一昨年8月にリニュアルオープンしていたのは知っていて、同館のある練馬区大泉地区にも伝統野菜を栽培している農家があり近くまでは良く行っていたが、伺えずにいた。

暑い日だったが牧野記念庭園に出かけた。
学生の頃、来たことがあったが、当時に比べ園内の樹木も大きくなり日当たりも悪くなって、牧野富太郎先生が収集してきた草花の管理が難しくなっているようだ。
牧野先生の草花コレクションの企画展は拝見したことがあったが、牧野富太郎生誕150年記念特別展「野菜の宴」江戸明治の植物画、は楽しみにしていた。




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上の写真をクリツクすると庭内


日本を代表する植物学者・牧野先生は、植物標本、書籍、植物画などの研究資料を数多く収集していて、その一部である江戸から明治時代にかけて愛蔵した植物画の中から野菜の図を初公開している。

描かれた野菜はカブ、ニンジン、ダイコン、イモ、タケノコ、クワイ、マメ、ナス、ワサビ、ショウガ、ミョウガなど。
博物画の名手とされる関根雲停や服部雪斎らが描いた野菜図と、牧野先生の標本である。

「1 宝満カブ」は最初にあった。関根雲停が描いたもので、筑前御笠郡竈山(かまどやま)とあり、福岡の伝統野菜のようだが、絶滅したのか初めて聞く名前だ。
しかし、構図的にも、またその植物の性質も読み取れる描き方で、漬菜の一種のように見える。



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上の写真をクリツクする記念館


今回初公開された50点の作品の内、江戸東京の野菜が何点もあって興味深い。

2 長蕪菁 長カブ 関根雲停 江戸時代 雑司ヶ谷 池袋
4 ニンジン 関根雲停 江戸時代 雑司ヶ谷 長崎村
5 ニンジン 白ニンジン 関根雲停 武州下落合荒井村

22 クワイ シロクワイ 服部雪斎 明治9(1876)5/11 武州千住
23 クワイ       服部雪斎 明治時代12/5 武州道灌山下尾久
27 サツマイモ 江戸時代 府中人見村

28 ツケナ 服部雪斎 明治8(1875)2/18 三河島

47 ダイコン タクワンダイコン 牧野富太郎 昭和16(1941)11/13 武蔵大泉
48 ダイコン 牧野富太郎 明治37(1904)6月 下石神井村辺
50 ダイコン 牧野富太郎 明治21(1888)5/9 東京半蔵門側


特に、「2 長蕪菁」は、明治期に採集地が「雑司ヶ谷 池袋」と記載されていて、「滝野川カブ」と思われる。今回の作品はどれも実物大に描いているという。

一昨年復活した三河島菜が、「28 ツケナ」として紹介されている。採取地は三河島、当時は漬菜と云えば三河島菜で、この絵は改良前の青茎三河島菜で、抽苔して黄色い花が描かれているのも珍しいものだ。

江戸時代に「雑司ヶ谷 長崎村」で栽培されていた「4 ニンジン」は長ニンジンで滝野川ニンジンと思われる。 
「22、23 クワイ」水田地帯の千住や下尾久でクワイが栽培されていたが市街化によって、その後、足立区の方に産地は移動し、昭和40年代以降クワイの栽培地は宅地になってしまった。
こう見ていくと、「野菜の宴」の図録をつくって欲しかった。

帰り際に、「28 ツケナ」の事が知りたくて、学芸員の田中純子さんと蔵田愛子さんにお会いしていろいろとお話をさせていただいたが、7月22日と8月26日は展示解説を行うという。

また、9月9日には、江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座でお世話になっている江原絢子先生の講演「江戸の野菜ー食事の利用」が予定されている。

地域の伝統野菜が見直され始めているときの「野菜の宴」は、タイムリーな企画展で、9月17日までやっている。

posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | イベントの紹介
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