“ あっぱれ! STUDY & CAFÉ “ のVol 08は「江戸の水菓子」復活物語がテーマ。
CAFÉで使う、江戸東京野菜の「本田うり」と「黄金のマクワウリ」については、本田ウリが小平市の宮寺光政さん、黄金のマクワウリは、小金井市の井上誠一さんが栽培しているものを予定していたが、一週間前になって生育状況を確認した段階で、宮寺さんの本田ウリが生育が遅れていることがわかった。

写真、左から本田ウリ、滋賀の金太郎まくわ、美濃のマクワウリ、岡山の黒瓜、キンショウメロン、黄金のマクワウリ。
本田ウリは、現在の葛飾区立石地区、旧の本田地区で栽培されていたものだが、それを自分の家で食べる分として足立区の内田和子さんが栽培していることが2009年にわかった。
このこと知った小金井の井上誠一さんが、それなら我が家にもあるということで、新たに小金井で栽培されていたものが発見された。
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小金井の農家でマクワウリとして伝わってきたこの瓜を、「黄金のマクワウリ」と名付けた。
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今回の出席者は、マクワウリの好きな方が集まったが、本田ウリの内田さんが、本田ウリを送ってくれていた。
料理研究家の斎藤朝子さんは、友人から頂いたとして、岡山県総社市足森産の黒瓜を持参してくれた。
また、岐阜からは、飛騨・美濃伝統野菜のシールが張られた「まくわうり」と、滋賀の伝統野菜「金太郎まくわ」も含め、6種類のウリの食べ比べが行われた。
本田ウリと黄金のマクワウリ、美濃のマクワウリは、香りが良く上品な甘さ。
滋賀の金太郎まくわ、キンショウメロンは、黄色く熟していて、甘いものだ。
岡山の黒瓜は、熟果でなかったこともあり、歯切れがよかった。漬物には適期だったのかもしれない。
食べ比べのウリは、各々の熟度が統一されていなかったから、個体差が大きかった。

お料理は予定通り「本田ウリ」と「黄金のマクワウリ」
・黄金のまくわうりと鶏のささみの辛子マヨネーズ和え
・本田うりの卵焼き
・本田うりとミニトマトの天ぷら
・本田うりのうら巻き寿司
・黄金のまくわうりの冷や汁
・本田うりのいも床漬け (未熟果・熟果)
本田うりのヨーグルト味噌漬け(未熟果・熟集)
本田ウリの、熟果は内田さんが送ってくれたものだが、ヘタがまだ取れない未熟果は宮寺農園で分けてもらった。
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CAFÉ に先立って行われたSTUDYは、江戸でのマクワウリ(真桑ウリ)の歴史について話した。
元和三年(1617)より、府中三町(番場、本町、新宿)と是政村で、美濃國の瓜づくり名人、上真桑村の百姓庄左衛門と、下真桑村の百姓久右衛門の二人を招いて作らせた。
設けられた御瓜田は、竹矢来で囲まれ、その脇に小屋を作り、御用瓜や葵瓜の立札を立てて管理栽培を行ったと歴史が伝えている。
時を同じくして、柏木(現・新宿)にも御瓜田が設けられ、鳴子ウリが献上されていた。
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内田さんには、本田ウリを栽培してきた経過などについて話をしてもらった。
内田家では、このまくわうりを食べないと夏が来た感じがしないということで、毎年作り続けてきたものだとか・・・。興味深いお話を聞くことができた。
マクワウリ関連の記事は8号としてフードボイスにも書いています。