先日、西東京市にある東京大学付属生態調和農学機構が江戸東京野菜に注目し、栽培を始めた話は、当ブログで紹介した。
その後、小金井市の黄金の里に、大学院農学生命科学研究科の細野ひろみ准教授が訪ねてくれて、東大生態調和農学機構(旧東大農場) を、地域に開かれた機構として「東大マルシェ」を設置するという構想についてご説明をいただき、栽培を始めた江戸東京野菜も目玉にするために協力を求められた。
これまで、地元の西東京市の市民や生産者との意見交換は行ってきたようだが、この度、中嶋康博教授(大学院農学生命科学研究科農業・資源経済学専攻) のもとで「第一回 東大マルシェ販売試行会打ち合わせ会」が、同大生態調和農学機構本館2階会議室に、市民、学生、大学関係者など18名を集め開催された。
地元西東京市の生産者の代表としては、現役時代に保谷の青年部長だった保谷隆司さん(同市農業委員会会長職務代理)が出席されていた。
会議では、10月6日〜8日に、同大付属機構正門近くを会場に行うこととが、報告された。
同大機構で生産されるものは、米、クリ、カキなどのほか、江戸東京野菜である。
地元西東京市、福島会津産直品、京都の京野菜、和歌山、宮崎、新潟の産物も予定されていた。
上の写真をクリツクする。
伺った日も、本館玄関に、農場で収穫された「じゃがいも(男爵)100円」が売られていたが、特別に売る場所はないようだ。
東大マルシェの機能は、三つに分けられる。
研究拠点としては、生態調和農法に関する社会的受容性と社会的費用の検討、生産者の「想い」を伝えるための手段としてのフードコミュニケーションの開発、直売所の新たな機能の設計開発としている。
教育拠点としては、大学教育や食育を位置付けている。
また、交流拠点としては、消費者と生産者、産地間、直売所間としていて、
将来的には、機構のある西東京市が全国的都市農村交流のモデルにし、日本中の産地が西東京市での販売実験を目指すようにしたいという。
会議は17時に終わったが、同機構技術職員の手島英敏さんが栽培している、キュウリの状況が見たくて案内してもらった。
ガラス室には、伝統野菜のキュウリが栽培されていた。
交配種の「夏すずみ」と、伝統野菜の「馬込半白キュウリ」、「高井戸キュウリ」が栽培されていた。
ここでは、採種はしないようだ。
上の写真をクリックする
江戸東京野菜を勉強したいと、先日は星野農園にも来ていた東京家政大学の佐竹未希さん(杉並育ち)も、当ブログで知ったとかで会議が終わるのを待っていた。
手島さんの話だと、固定種の馬込半白キュウリも高井戸キュウリも雄花ばかりが着いて、雌花が中々着かないと嘆いていたが、一つだけ実をつけていた。
写真は、露地で栽培されている馬込半白キュウリで、少し離れたところでは高井戸キュウリが栽培されていた。
上の写真をクリックする
高井戸キュウリは、今回初めて、手島さんがジーンバンクの農業生物資源研究所から取り寄せたもので、節成りしていた。
同大の機構で、杉並の伝統野菜・高井戸キュウリの栽培を始めたことを、佐竹さんから聞いた「すぎなみ学倶楽部」の手塚佳代子さんも佐竹さんと一緒に来ていて、盛んにシャッターを押していた。
いずれブログで紹介されるようだ。
今後もブログ楽しみにしています。