NHK科学文化部の記者横川浩士さんから、電話をいただいたのは7月の初めだった。
東京の在来の野菜について、リサーチをしていたところ、たまたま私のブログを見て、早稲田ミョウガの探索隊結成を知り、話を聞かせてほしいと云うことだった。
ミョウガは、タネをまくのではなく、根で増殖するものだから、
早稲田地区を探してみればミョウガが生えているのではないか、というもの。
それにしても21日の「NHKニュース7」が、高校野球・沖縄甲南高校の優勝を伝える次が、「伝統野菜の復活が始まった」として早稲田ミョウガを探し発見のベッドラインだから強烈なインパクトがあったことは事実だ。
横川記者は、7月24日の第2回捜索に付き合ってくれた。
24日の捜索は、早生ミョウガであれは、早稲田ミョウガとは異なるため、まず早生の花穂が芽生える時期にチェックを行ったもので、期待したところで残念ながら早生の花穂が見つかった。
晩生のミョウガは8月中旬以降と云うことで、横川さんも21日の捜索に期待を持ってくれた。

21日は、かつてミョウガ栽培をしていた練馬の農家・井之口喜實夫さんに参加していただいた。
また、捜索隊には、松井健太郎(商学部3年)さんを隊長に、早大OBの伊藤俊文さんをはじめ早大生達。
また、JAグループからは都中央会の榎本部長、農工大院生の飯田剛史さん、日本農業新聞からも片岡優佳次長も参加してくれた。
猛暑の中、捜索は厳しいものだった。
神田川の側道と建物の脇に群生したところが見つかり、井之口さんのチェックでも晩生のようだった。
しかし、土地所有者がハッキリせず、ミョウガの話を伺うことができなかった。
捜索隊隊員に疲れが見えてきた。
横川さんもカメラマンも音声さんも汗だくだった。
そのような状況下、西早稲田の住宅街の中で、井之口さんが一軒のお宅の庭にミョウガが群生地しているのを発見した。
これまでチェックされていないところだ。
そのお宅にはご主人と、奥さんも居て、取材の了解を得てから色々とお話を伺うことができた。
井之口さんも見て、晩(おく)ミョウガを確認。
ふっくらして赤みのさした花穂で、中には、花が咲いてしまったものもあった。
大正生まれのご主人は、子どものころから庭にミョウガが生えていたのを記憶していた。
奥さんも姑から、早稲田ミョウガは秋ミョウガだと云われていたという。
ここに家を建てた頃は、早稲田通り沿いには商店等が建っていたが、横道に入るとそこは畑で、大正のはじめは、まだ2〜3軒しか住宅はなかったと聞いていた。

このミョウガが、「早稲田ミョウガ」だという確率が非常に高い発見でした。
「NHKニュース7」に紹介された後、全国の皆さんから電話やメールを沢山いただいた。
中には、家のミョウガも「早稲田ミョウガ」ではないかとの情報等もいただいている。
NHKの横川さんをはじめ、カメラマンさん、音声さん、ご苦労様でした。
また、捜索隊員の皆さん、そして連絡をいただいた視聴者の皆さん、有難うございました。
捜索活動もさらに続きますし、検証作業も行います。
引き続き、ご支援をお願い致します。
翌朝22日、日本農業新聞の首都圏版でも「早稲田ミョウガ 伝統野菜を捜索」「学生ら発見に手応え」とカラー写真、5段抜きで報道された。
片岡次長さんありがとう。