2012年11月05日

NPO法人ミュゼダグリの農家見学会は世田谷瀬田の大塚農園へ


先日、「地域に根ざした食と農の講座」で、世田谷区瀬田の大塚信美さんのお宅に伺ったばかりだか、都政新聞が連載している「東京育ちの美味探訪」の取材先として紹介していたので、都政新聞の細川奈津美記者に同行して、NPOミュゼダグリの農家見学も合わせて実施した。
納所二郎さん、佐々木昭さんと、ソバリエの、ほしひかるさんと松本一夫さんが参加された。



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大塚さんとは、私が30代の頃からの付き合いで、当時から世田谷を代表する農業後継者として活躍していて、特に消費者の方々と親密な交流を行って、都市における農業の必要性を訴えていた。

上の写真をクリックする
大塚さんは季節ごとの野菜を種々栽培しているが、「大蔵大根の大塚」として、昔から有名で「江戸東京野菜」図鑑篇でも紹介している。

丁度、大蔵大根(F1)の出荷が始まっていた。


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環状8号線から横道に入ると、そこは旧道で、大塚さんの家の前を通り過ぎるとお地蔵様がある。右に行くと高井戸で、左に行くと府中へ行く道と、お地蔵様の祠の中に記してあるのだという。
昔は、この辺りまで来ると旅人は農家の軒先で一服したという話が伝わっている。

上の写真をクリツクする。
大塚さんの畑に隣接してフラワーランド(瀬田農業公園)がある。
この公園は、世田谷の農業の発展と振興に大きな役割を果たしてきた ”花卉園芸“を実際に体験できる”花づくりのできる公園”として作られたという。
大塚さんのお爺さんの相続で、区が買い取った土地で、未来永劫農業公園として施設が残されるのは素晴らしいことだ。



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大塚さんでは、屋敷の周りに3枚の畑60a(6,000u)がある。
2枚目の畑は数軒の農家の畑が連担している。
この区画の一画で、大蔵大根と伝統大蔵大根を栽培していた。

上の写真をクリックする
伝統の大蔵大根は、一時栽培されなくなったが、平成9年からF1の大蔵大根として復活を果たした。
大塚さんは、2010年から伝統大蔵大根(固定種)を栽培し、種採りを行っていることは当ブログでも紹介した。




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3枚目の畑では、今年から江戸東京野菜として、8月に認証された「城南小松菜」が栽培されていた。

この小松菜、今年3月に、NHKの「キッチンが走る」で、世田谷の農業が紹介された時、大塚さんと共に、等々力の大平美和子さんが登場したが、幻の城南小松菜を栽培しているのが、映し出されたのをみて、「あった!」と叫んでしまった。

20年くらい前までは、よく栽培されていたが、今では作られなくなって、幻の小松菜となり、探していたのだ。
番組終了後、大塚さんに電話をしたら、大平さんに城南小松菜のタネを譲ってもらうことになっているというので、ホッとしたのを覚えている。

大塚さんに、城南小松菜の特色について聞くと、「食べたらうまいが、色が淡いからF1と並べられたら市場では売れない !」と云う。
野菜を生で食べるようになったことで、馬込半白キュウリも、グリーンが濃くないことから、サラダにした場合、見た目に美味しそうでないと、敬遠された歴史がある。
馬込半白キュウリは、市場で嫌われたのをきっかけに、栽培しやすいF1品種ばかりになってしまったが、城南小松菜も同じだという。
出荷しないでどうするのか大塚さんに聞くと、直売なら味が分かる人が買ってくれる。と云う。
そして、今後、タネ採をしていくと云う。

幻の伝統小松菜・城南小松菜の話を参加者にしたら、皆さん「食べたい!」、そこで収穫体験をさせてもらった。
後日、皆さんから「美味しかった!」のメールが入った。



追録





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大塚農園からの帰り、東急用賀駅で昼食となったが、ソバリエの皆さんの案内でそば屋に入った。
ワサビを擂る間も、味わいで、美味しくいただいた。
posted by 大竹道茂 at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 粋な江戸っ子は白首大根
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