先月の中旬に、味覚春秋モンド 大河原幸子代表からメールをいただいた。
月刊「味覚春秋」は、江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座の発足で、お世話になった向笠千恵子先生が、「おいしい色々」を連載していることから、送っていただいたことがある。
メールには「日本には土地に根ざしたさまざまな野菜がありますが、消滅したものもあれば、復活の兆しを見せるものもあり、野菜への興味はつきません。
8ページほどを使いまして、平成25年新年号の巻頭に、ぜひ 向笠先生と対談をお願いしたく・・・・・。
江戸東京野菜を中心に、その活動のことや、またその他の地方野菜のこと、そのつながりなど伺えましたら、読者の皆さまも喜ばれるものと考えております。」とあった。
先日、コンシェルジュ育成講座の開講式で、向笠千恵子先生にご挨拶をいただいた折り、帰り際に、近いうちに「味覚春秋」で、新年号の対談の依頼が行くからと、お話があったが「宜しくお願いします。」とお伝えしていた。
対談の会場は、日本橋「てん茂」だという。
同店の専務、奥田秀助さんは、日本橋「ゆかり」の野永喜一郎社長とともに、2007年から江戸東京野菜の普及にお力添えをいただいていて、農家見学をしたいというので、案内したのは当ブログで紹介した。
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奥田さんは店の前で種をまいて江戸東京野菜の栽培をしている。
品川カブの葉の佃煮(上左)と、アナゴの肝の生姜煮(上右)
品川カブ(下左)、大根おろし、柚子風味(下右)
今月、向笠先生は「郷土料理伝承学校」を校長として開講し、すでに第一回の向笠先生の講義は終わっていた。
カリキュラムは監修されていて、郷土料理を伝えるという講義は、伝統食材の下仁田ねぎ、米沢牛、酒と調味料、地域における伝承の実践の他、郷土料理を引き立てるでは、各地の焼き物、木工品と器、の6回の講義からなっている。
2007年に農水省の「農山漁村の郷土料理百選」の選定委員だったご経験の中から、特徴のある郷土料理のようで、魅力的な内容になっている。

向笠先生は、2011 年に『食の街道を行く』(平凡社新書)で、グルマン世界料理本大賞・紀行本部門グランプリを受賞されているが、同著は、週刊新潮に連載していたもので、街道のきめ細かな現地取材等は、ご苦労もあったと思うと、そんなお話も聞きたがったが、対談の流れは、お気遣いをいただいて、江戸東京野菜の話題に終始してしまった。

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品川カブ
奥田専務の奥様が、品川カブを出して見せてくれた。
向笠先生も、大河原代表も、品川カブは初めてご覧になったようだ。
向笠先生は各地のカブにも詳しいので、中部と近畿の境辺りに、和種系と洋種系の境・カブラインの話にもなった。

江戸東京野菜の最近の話題で、早稲田みょうがの話になった。
早稲田大学の周辺を早稲田ミョウガ捜索隊が、捜索活動を展開した。
そして発見、東京の農家が栽培、今年は気仙沼の復興支援にも役立てていただいた。
そんな話の中で、笑いながら慶応卒の向笠先生は、三田には何かないですか・・・。
三田には、薩摩藩の屋敷があったから、孟宗竹が三田の伝統野菜になる。
三田の薩摩藩邸は、その後、内藤新宿農事試験場(現新宿御苑)の分場、三田育種場となる。
同場は、西洋の種苗・農具の輸入と実験・普及にあたる施設として明治期の我が国農業に貢献した。
慶應義塾大学のお膝元も、農業にはご縁のある地だったが、三田はビルばかりになってしまった。

同誌ではキユーピーの広告「伝統野菜でいっぴん」を企画し、ここ3年ほど日本各地の伝統野菜を取り上げてきた。
同店の奥田専務は、、伝統野菜でいっぴんに「寺島ナス」を選んでくれた。

(小巻海老詰)
「てん茂」の奥田さんは、江戸東京野菜を店先で育てたりして、積極的に活動しているので、途中から対談に加わった。
奥田さんは、江戸東京野菜のポストカードを、向笠先生と、大河原代表に差し上げた。
ポストカードは、奥田さんの趣味のカメラで撮影されたものだが、当ブログで紹介した。

赤出汁
べつたら漬けは、来年、志村みの早生大根による伝統の「べつたら漬け」を、小伝馬町のぺったら市で販売する企画もあるので、嬉しくなった。
向笠先生、大河原代表、奥田さんありがとうございました。
」