2009年に、寺島ナスが墨田区立第一寺島小学校で復活を果たしたが、今日、夏果菜として5月から10月までの長期間にわたり実り続け、夏でも江戸東京野菜の話題が絶えない状況を作り出している。
江戸市民はナスが好きで、江戸近郊では寺島ナスの他にも、雑司ヶ谷ナス、駒込のナス、砂村ナス等が栽培されていた記録があることから、寺島ナスに次ぐナスのタネを探していた。
独立行政法人・農業生物資源研究所ジーンバンクに、雑司ヶ谷で主に栽培されていた、山ナスのタネが保存されていた。
そこで、2010年の暮れに雑司ヶ谷地区の小中学校に復活栽培の実施を打診していたが、当時、豊島区立千登世橋中学校の尾崎重雄校長が、担当の先生に聞いてみましょうと云って、お引き受けいただき、復活を果たした経過があり、当ブログでも紹介している。
その、尾崎校長先生から、先月の中ごろメールをいただいた。
先生は現在、豊島区立西池袋中学校に異動されていて、同校技術科の関口礼之先生(東京農大卒)が、授業で江戸東京野菜の栽培、特に、豊島区ゆかりの「雑司ヶ谷ナス」を育てたいと希望しているので、種か苗を譲っていただけないか・・・・・と云うもの。
尾崎校長先生には千登世橋中で取り組んでいただいてお世話になったが、この度は私を覚えていただいていて嬉しい限りだ。
尾崎校長先生へは、「喜んで提供します」 としたうえで「私どもでは、タネだけを提供することは行っておりません。
ともに栽培を手掛けるネツトワーク組織として貴校の活動も、広く伝えていく事が出来るのなら・・・・」 とお答えしていた。
そんなことで、先日、16時過ぎ同校を訪れた。
尾崎校長先生は会議でお会いできなかったが、関口先生と親しくお話をさせていただいた。
関口先生が、江戸東京野菜に興味を持ったのは、東京都教職員研修センターが都立園芸高校で実施した野菜栽培の研修を受けてからで、平成22年度から江戸東京野菜の馬込半白キュウリ、寺島ナス、本田ウリを使って横山修一先生の指導を受けたとか。
ご縁があったのだ。

陽が短くなって、暗くなってしまったが、最近、校長先生の許可を得て作ったという畑を見せてもらった。
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これから小松菜、ほうれん草を播くそうで、落ち葉を畑に鋤きこんでいて、来年4月からの、本格栽培に向けての準備が始まった。
タネの提供や、江戸東京野菜の「座学」は、支援していくと関口先生にお伝えした。
2年生では「飼育栽培」の教科が必須ということで、来年の4月から、江戸東京野菜の雑司ヶ谷ナスの栽培が始まるが、現在の1年生152人が対象になる。
園芸高校の横山先生にアドバイスをいただくことや、JA東京あおばの渡邊和嘉常務にタネの提供を相談したが、了解が得られた。
今後、関口先生とは、順次、打ち合わせをしていく予定だ。