2008年09月01日

【9月号】 江戸東京野菜はどこへ行ったら買えるの!


 スーパーには、季節を先取りした色とりどりの野菜が並び、一年中切らさず出荷されている野菜も幾つかあります。しかしこれらは我々の食生活から季節感を奪っていると言って良いでしょう。東京の農業は露地野菜が主体、市場では季節を先取りした地方の野菜がいい値をつけた後、東京産が出荷される頃には値は落ち着いてしまいます。

 旬の一番美味ししい時期に出荷されている野菜が地場産の安くて美味しい野菜なのです。 東京の農業者は、トレーサビリティー(生産履歴の明確化)の徹底に取り組んできましたが、これを含めて東京GAP(農業生産工程管理)で、安全、安心野菜などの生産に取り組んでいます。江戸東京野菜も同じ管理のもとで栽培されているのです。

 市場を席巻している交配種は、経済性からも農業生産には欠くことは出来ませんが、交配種も優秀な遺伝子をもった固定種があればこそ生まれるわけで、江戸東京野菜の復活はその意味から重要なことです。これら伝統野菜は栽培・収穫される季節が決まっていて、生産者が自家採種できる固定種の野菜です。




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 「今話題の江戸東京野菜」ということで、メディアからの取材依頼は後を絶ちませんが、なぜか江戸東京野菜の端境期にお話があります。それは同じような野菜がスーパーに並んでいたから、ということですが、若いジャーナリストの中にも季節感が麻痺してしまっている人たちが多いのに驚きます。現在栽培されている江戸東京野菜のうち、ウドとワサビを除くと、それぞれ旬の10月から4月までと、7月から8月までに限られ、15種類ぐらいしか、まだ復活していないのが現状です。

 皆さんに「どこで買えるの !」と質問されてきました。JAの直売所に行けば必ず買えるというものではなく、巡り合えればラッキーでした。そこでこのサイトでは、東京を代表する生産者がつくる江戸東京野菜を紹介することにしました。

  伝統野菜は栽培しにくいばかりか、味も個性的な野菜です。練馬ダイコンや亀戸ダイコンなどにしても食べ方が分からないと「辛い !」というだけになってしまいます。江戸東京野菜は甘いだけの野菜と違い、日本人の味覚を育ててきた味を持っています。美味しい食べ方のレシピなど、整備は必要で早急な対応が求められます。
 

  生産者たちは、再生産に向けて自家採種をしています。

国分寺市の小坂良夫さんは、馬込半白キュウリを栽培し、タネ取りを行っています。小坂氏の手法は、馬込半白の特徴が一番出ている葉を選びその蔓に実ったキュウリで開花2〜3前のものに袋をかけ、数日後、開花を確認したら、昆虫が動き出さない早朝に、同じ蔓の雄花で受粉させ、他の花粉がつかないように、即座に再度袋をかけるという。



キャプチャ2.JPG


  受粉したキュウリは袋を破り二ヶ月程で茶色に熟しタネを宿します。この採種のポイントをひとつでも間違えると、伝統野菜は消滅してしまいます。デジタルカメラはすぐに結果が分かりますが、タネは一年たたなければ結果は分からずやり直しが効きません。

グリーンのキュウリが全盛期の今日、馬込半白の採種は油断できません。周辺のキュウリの花粉を受粉すると、半白は全てグリーンのキュウリになってしまいます。伝統野菜を守ることは難しいことなのです。

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