2月3日、北陸農政局の主催で、「伝統野菜サミット」が加賀野菜の地、金沢で開催された。パネラーの一人としてとして招かれたので江戸東京野菜の復活や普及、生産状況等について報告してきた。
このサミット「伝統野菜が地球を救う!」がテーマで、フードマイレージ研究の第一人者・中田哲也氏(北陸農政局企画調整室長)が「伝統野菜の普及が輸送に伴う環境負荷低減に及ぼす効果測定の試み」と題して基調講演をされた。

フードマイレージは、身近な「食」と地球規模の資源や環境問題を関連づけて考えるうえでヒントになる指標で、食料の供給構造を物量とその輸送距離によって算定し、食料の輸入が地球環境に与える負荷を把握することができる。
中田氏は加賀野菜や能登野菜など地元の食材を使って「能登豚の野菜巻き」「源助大根の風呂吹き」など4品(計940c)を調理すると、フードマイレージは17キログラム・キロメートル、CO2排出量が3キログラムになるとした上で、
国産の食材に広げて比較すると、地場産に比べ輸送距離で12倍、フードマイレージ、CO2排出量は共に17倍になる。さらに輸入食材を含めて調達すると輸入距離は140倍になり、フードマイレージが260倍、CO2排出量で47倍にもなるという。
最近はスーパー等でも伝統野菜のコーナーが設けられているのを見かけ、全国各地から取り寄せられた産物が並んでいるが、CO2の排出量を押さえる意味からも、伝統野菜はその土地で、土地の言葉や土地の文化とのふれ合いを感じながら食べてもらいたいものだ。江戸東京野菜もしかりで、野菜一つひとつに伝わる物語と共に忘れかけていた季節(旬)を、東京で味わってもらいたいと思っている。
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当日は、東京から小金井市の内田雄二さん、納所二郎さん、高橋金一さん、井上誠一さんなど6名が駆けつけてくれた。
サミットについては、日本農業新聞にも掲載している。