「NPO法人コミュニティスクール・まちデザイン」の近藤恵津子理事長から昨年9月に、同NPOが開催する後期市民講座の講師を依頼されていた。
講座名は「江戸野菜と江戸エコ行楽重」で、会場は皇居外苑にある楠正成公の銅像近くにある、楠公レストハウスで開催するというもの。
「江戸エコ行楽重」は、2010年8月に、江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座でもお世話になっている江原絢子先生と、東京ガスのエコ・クッキング推進委員会に楠公レストハウスり安部憲昭料理長が開発したもので、当ブログでも紹介している。
同NPOの市民講座では、開発者の江原先生と安部料理長の講座を何回が開催されていて、「料理書から学ぶ江戸時代の食と私たちの食」は、人気の講座になっていた。
また、近藤理事長は江原先生との共著で「美味しい江戸ごはん」を出版されている。

近藤理事長からは、1ヵ月前にメールが入り「江戸エコ行楽重に使われている野菜を中心に、江戸時代にはどんな品種がどのように作られていたか、また、今、伝統野菜に注目が集まっている理由、広がりの実態などをお話しいただければ幸いです。」とあった。
10時半 主催者の近藤理事長の挨拶で始まった。
江戸時代の料理書から、当時の料理を再現するには、江戸からの野菜文化を継承する、固定種の江戸東京野菜があってこそ再現できると云ってきたので、練馬大根をはじめとする、江戸の白首大根の話など、使われる野菜を中心に話をした。
安部料理長には、2010年9月に行われた、試食会に招かれた時にお会いしている。
講演では、楠公レストハウスの取り組みについて話されたが、特に、2009年にスタートした江戸エコ・クッキングプロジェクトが、「食」を通じた社会貢献を目指して始まったことや、
コンセプトとしての、環境に配慮した食の提供。もとは江戸城であった皇居外苑で江戸時代の食を再現して提供。食育や環境教育に貢献。
完成までの秘話など、興味深い話をされた。

同レストハウスでは、JA東京あおばから新鮮野菜を取り寄せ、地産地消を実践しているが、会場には、現在納品されている地場野菜を会場に展示した。
この中には、練馬の渡戸秀行さんが囲っておいた、練馬大根や、滝野川ゴボウの渡辺早生ゴボウも含まれていた。
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今回は、初重(写真右上) お造り
二の重(写真左上) 芝エビの天ぷら(江戸風衣揚げ)、元祖天ぷら(京阪風すり身の揚げ物)、
魚のすすめ焼き、とりまんじゅう、五色田楽、かすてらたまご
三の重(写真右下) 煮物、蒟蒻の煎りだし、おぼろ大根、蒸し羊羹、こおり豆腐、、当座漬け
与の重(写真左下) 季節のご飯

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鰹の焼霜造り(「古今料理集」1674年以前)、
つま(大根、人参、糸寒天、おごのり、小菊花びら・
「大根一式料理秘密箱」1785年、「精進献立集」1819年、
「料理通」二編1825年)、
煎り酒(「料理物語」1643年)

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写真右上から左へ、
、かすてらたまご(「料理早指南」初編1801年)、
元祖天ぷら(京阪風すり身の揚げ物「料理早指南」二編1801年)、
とりまんじゅう(「万宝料理秘密箱」1785年)、
魚のすずめ焼き(「料理早指南」初編1801年)、
五色田楽(「豆腐百珍」1782年、「豆腐百珍続編」1783年)、

写真右上から左へ、
こおり豆腐(「豆腐百珍」1782年)、
煮物(里芋、ニンジン、蓮、椎茸・「四季献立会席料理秘嚢抄」1842年)、
当座漬け(金町コカブ、練馬大根、小松菜、白菜・
「江戸流行料理通」二編1825年)、
蒸し羊羹(「古今名物御前菓子秘伝抄」1718年)、
蒟蒻の煎りだし(「素人包丁」三篇1820年)

・お米(栃木県産「なすひかり」)
・さつまいも(ベニアズマ)
汁物 味噌汁

安部料理長からは、この時期に江戸東京野菜があるなら、送ってほしいという話だったので、
JA東京あおばの渡邉和嘉常務に依頼して、渡戸秀行氏の練馬大根と、他の生産者が栽培している滝野川ゴボウ(渡辺早生ゴボウ)を送ってもらった。
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また、西東京の矢ケ崎宏行さんにお願いして、三河島菜を分けてもらった。
安部料理長は、特別に滝野川ゴボウでゴボウ餅を、三河島菜はお浸しに、良く煮込んだ練馬大根を追加してくれた。
江戸時代の野菜について、物語を学び、その食材を使って江戸の料理書から再現した料理を召し上がるという。企画には皆さん 喜んでいただけたようだ。
後日、「NPO法人コミュニティスクール・まちデザイン」のホームページに皆さんの声が掲載されていた。