江戸東京野菜の栽培を都内の小学校などに勧めてきたが、地元の伝統野菜「砂村一本ネギ」を栽培している江東区立第五砂町小学校(齋藤和子校長)の取り組みは、あらゆるところで紹介してきた。
伝統野菜が市販の交配種と異なりタネの採れる野菜で、タネを通して命が今日まで繋がってきた野菜だ。
同校では種を採り、後輩たちに手渡す儀式を行っていで、最近、発行された「野菜と果物」の図鑑にも「野菜を育てる小学校」として紹介されている。
今年も、ネギ坊主ができたと、ご担当の銭元真規江栄養教諭からメールが届いていた。

銭元先生は、葛飾区新宿で砂村一本ネギを栽培している矢作東一さんに教えてもらった通り、土寄せ3回を実施したことから、その効果と暖かさで順調に大きく育ち、ねぎ坊主も出来て例年より早く収穫の時期を迎えたと云う。

これまで学校で栽培した作物は、放射能検査を受けていないということで、安全性から給食には出すことができなかったが、同校では、せっかく児童たちが栽培したものだからと、検査を受けるため、急遽、収穫作業が行われた。結果、15sも収穫できたと云う。
深川南部保健相談所の検査の結果、よう素、セシュウム、共に検出されず、安全が確認されたとして、給食に出された。
事前に家庭に知らせるため、急きょ「食育だより」が発行され、昨年の4年生(現5年生)が育てた砂村一本ねぎを使用することが伝えられた。
子どもたちも自分たちのねぎが給食に出ることをとても喜んで、楽しみにしていたと云う。

全校700人以上に出すほどはない「ねぎ坊主」は、ネギを栽培した5年生に、
「ねぎ坊主を天ぷらにしたものと、ねぎだけをオーブンで焼き、何も味をつけないものを出しました。
子どもたちは、ねぎ坊主が食べられることに驚きながらも「おいしい。もっと食べたい。と言っていました。
甘さを味わってもらうための焼いただけのねぎは緑の部分も甘いことを実感していました。」
5年生はねぎのいろいろなことを学んだようだ。
生徒達にはランチルームで、「野菜と果物」の図鑑に紹介されたことも伝えられた。
給食の「かきたま汁」に使われた、ねぎ(12kg)は、すべて砂村一本ねぎにした。
「かきたま汁は、ねぎの甘さを味わうためにいつもよりも大きく切ったことを給食室からの手紙で知らせました。
いつもに比べると緑の部分が多いものの、甘みがあり柔らかくておいしいと食べていました。
放射能の関係で、学校で作ったものを給食に出すのが困難になってきていますが、子どもたちの嬉しそうな表情や、食育の意義から考えると、可能な限り出したいと思います。( 校長の考えもあるので・・・)
残したねぎ坊主から種を採るまでにはまだ時間も手間もかかりますが、今年も現4年生に受け継いでいきます。」とあった。
銭元先生、情報ありがとうございました。