一般財団法人 国民公園協会皇居外苑とエコ・クッキング推進委員会、東京ガス株式会社との協働プロジェクト、EDO−ECOエコ・クッキングプロジェクトが実施する「江戸エコ行楽重」試食会には、2010年9月にもお招きいただいている。
「江戸エコ行楽重」のレシピの監修をされている江原絢子先生には、江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座の講師を、6月と10月にお願いしたが、10月だったか、来年は、江戸エコ行楽重に、新たに寿司が加わるという話を伺っていた。
今年の3月には、皇居外苑「楠公レストハウス」で、NPO法人ミュゼダグリが、「江戸エコ行楽重」を食べる企画を行っていて、その時は、安部憲昭シェフから新たな企画を伺っていて楽しみにしていた。
「江戸エコ行楽重」試食会は11時から皇居外苑「楠公レストハウス」で始まった。
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一般財団法人 国民公園協会皇居外苑の村岡輝三専務理事の挨拶で始まった。
引き続き、東京ガス株式会社リビング営業部の吉岡朝之部長の挨拶。
「東京ガスの環境に配慮した食生活」については、東京ガス(株)リビングPRグループの上南昭子さんが話をされた。
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楽しみにしていた、東京家政学院大学名誉教授 江原絢子先生の講演「循環型社会江戸時代の料理書にみる料理の特徴」は
江戸時代の出版料理書発展の背景など、
今回の料理は、江戸時代の料理書から江原先生が選ばれたもので、お食事に付いてくる小冊子「EDO―ECO」には、料理の解説と料理書名と発行年が紹介されている。

試食では、楠公レストハウス 安部憲昭総料理長がメニュー説明を行ってくれた。
栃木県の契約栽培米「なすひかり」に、江戸時代のブランド酢「酒粕酢」と「あさくさのり」を入れた寿司飯で白魚と鱒、(秋冬は穴子と海老) を熊笹で巻いた。
『名飯部類』(1802年)
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寿司飯にちりばめられている海苔は絶滅危惧種の「アサクサノリ」で、江戸前三番瀬海苔師 坂才丸から入手。

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薄く切った魚などを飯の上に並べた姿が、こけら板(屋根を葺くのに用いるスギやヒノキなどの薄い削り板)に似ていることからついた名だ。自家製真鯛の酢締めと蝦夷鮑煮、錦糸卵、季節の青菜。 『名飯部類』(1802年)
こはだを開いて酢締めにし、国産大豆のおから妙めを詰めて姿にした。
こはだを一匹戴けるのは、満足。ピンク色に染めた生姜の酢漬け「染紫姜(そめはじかみ)」を添えてある。『名飯部類』(1802年)
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お箸は、「二重箸」
持ち帰って再利用する「環境への貢献」と、しかも皇居二重橋の「旅の思い出」と云う二重の想いを託したという。
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東京近郊で採れた野菜を品よく煮つけました、とある。
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春夏には南瓜、(秋冬には蕪など旬の野菜) を使用している。
東京近郊の旬の食材と厳選した調味料を使用していて、安心安全な食材を使用し、ごみを出さないようにニンジンは皮ごと調理している。『四季献立会席料理秘嚢抄』(1842年)
江戸時代の食卓に漬物は必需品。大根のほかにも瓜、カブ、小松菜など、さまざまな野菜が使われる。 東京近郊で取れた旬の野菜を使用していて、今回は東京のキャベツの産地・練馬産だという。 『江戸流料理通』二篇(1825年)
里芋の葉茎を干した干しずいき(芋がら)は、江戸時代ばかりでなく近代以降にも保存食として汁物や和え物に活用される。 ゆでてアクをとり胡麻和えにしたもの。『年中番菜録』(1849年)
「鹿」の字があるが、肉食禁忌の江戸時代の料理書では、雁か鴨を使うように指示していて、ここでは鶏肉にゴボウを添えていた。にんにくが入ることで油は使用していないのにコクのある味わい。 『万宝料理秘密箱』(1785年)

会場には、、楠公レストハウスに地元野菜を納入しているJA東京あおばの渡邉和嘉常務理事と地域振興部の渡辺三喜男課長代理も招かれていた。
安部シェフから前に「ずいき」が欲しいと云われていたので、その話をお二人に伝えて、つくってもらえることとなった。

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がんもどきは、豆腐が主材料だが、それを切り干し大根に代えたもので、国産の切り干し大根を中心に、きくらげ、かまぼこなどを加えてつくったかき揚げ。
煮物に多く使われる切り干し大根も揚げると香ばしい味わい。
おろしポン酢を枕にした、がんもどき大根。『諸国名産大根料理秘伝抄』(1785年)

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東京都八丈島産の金目鯛を焼き、胡椒味噌をつけた魚の田楽。
味噌は「ちくま味噌」に粒コショウを加えた
表から見ると味噌も魚も白く見えるが、裏から見ると赤い金目鯛の皮と白い味噌のコントラストが美しい。『素人庖丁』初編(1803年)

試食会に招待された方のうち、119名のお客様がお見えになった。
このお部屋がふたつぶち抜きで使われた。
菓子と果物
春夏は「ごぼう餅」、(秋冬は「かすてらいも」) に季節の果物を添えました。「ごぼう餅」は、ねばりがあり、ごぼうの香りを感じるお菓子、 『料理物語』(1643年)・「甘藷百珍』(1789年)
味噌汁は、江東区永代の「ちくま味噌」を使用。
春夏は、大きめに切った揚げなすを実にした「じんふ汁」。
今回は、江戸東京野菜の雑司ヶ谷なすがシーズンを迎えていて、練馬区南田中の榎本多良さんが栽培している。
『料理物語』(1643年)・『商務百珍』(1846年)
今回の会席は春夏(3/1〜8/31)、秋冬(9/1〜2/28)