港区立青山小学校の5年生たちが、先日訪ねてきたと後日、小平の宮寺光政さんから教えてくれた。
引率の竹村郷副校長には、昨年の12月に品川で行われた品川カブの品評会でお会いしていて、
竹村副校長は、江戸東京野菜にも興味を持たれていたのが印象にのこっていて、品評会の審査委員長をされた宮寺さんをたずてきたようだ。

港区立青山小学校では「青山・里山プロジェクト」を実施していて、プロジェクトの「研究チーム」が、江戸東京野菜の栽培農家・宮寺さんの畑を訪ねたもの。
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宮寺さんは、江戸東京野菜の栽培では一番多く栽培している。
この時期は、馬込半白キュウリが終わり、寺島なすが成ってる、馬込三寸ニンジンは、採種の時期、早稲田ミョウガは栽培中。
生徒たちは宮寺さんから
「伝統野菜を育て、食べることは、文化の復活し継承していくことだということを教わりました。
ぼくたちは、育てる時の大変さや食べたときの美味しさには、特別な意味があるのだと思いました。」
と受け止めてくれた。
同校では、これまで環境教育を実践してきたことから、今年、「第20回コカ・コーラ環境教育賞」募集の、「活動表彰部門」に応募した。 上の写真をクリツクする
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青山通り、外苑前駅近くを住宅街に南に入った辺り、高層ビルに囲まれた中に同校がある。
此の写真を見ると、ここが青山とは、だれも信じない。
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2010年、都心の中に「里山」を作ろうと、学校の屋上に、里山づくりか始まり、まず、農園を作ることから始まった。
2つある屋上の一つ(300u)にビニールシートを敷き、たくさんの土を運び込み、畑を作ったが、階段を上り下りしながら土の運び込みには苦労があったようだ。
2013年、トマト等、たくさんの野菜が実る、緑豊かな里山になった。
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青山・里山は、全校生徒がかかわる中で27種類の野菜を栽培するまでになった。
栽培活動を行っているのが5年生で、1学期に作物の育て方や管理を学び、2学期に、作りたい野菜を決めている。
低学年が育てている野菜の管理も手伝う。
全員でやる栽培以外にも研究や広報や販売のチームが組まれていて、
販売チームを中心に地域の方に販売したり、夏休みにはラジオ体操の会場へも届けている。
大都会にできた農園にはたくさんのお客さんが来訪するという。
春にはイチゴ、夏は夏野菜、低学年(写真下左)や保育園の子(写真中央)、
近隣のお年寄りや保護者など、地域の方々(写真下右)にも収穫を楽しんでもらっているという。
前の学年から引き継いだ生徒たちは、先生から「伝統野菜も育てないか」と誘われ、おもしろそうだと思ったという。
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「はじめに挑戦したのは品川カブという伝統野菜です。
伝統野菜というのは、江戸時代の参勤交代の時に、故郷の野菜を今の東京の江戸の屋敷でつくったものに由来しています。
品川カブは季節が遅かったためか、収穫はあまりできませんでした。
春を待ち、小松菜やべか菜、亀戸大根などを育ててみました。
同時にスーパーで売られているF1種の栽培も行いました。
伝統野菜のほうが色が薄く大きさもばらばらです。
F1種のほうがおいしそうでした。
家で食べたところ、味はどちらも変わりませんでしたが、伝統野菜のほうが堅いように感じました。
3回目の種まきの時は、肥料も工夫をして有機栽培にこだわりました。
以前よりも色の差はありませんでしたが、やはりF1種のほうが全体的に育ちがよかったです。
伝統野菜は種も高く、育てるのも大変で、実の大きさもバラバラです。 」
皆さん、こと細かく研究された。
広報チームは、伝統野菜や里山の活動をもっと広く知ってもらうため、近くのレストランやデリカデッセンにも協力を求めている。
地元南青山のイタリアンレストラン「HATAKE AOYAMA 神保佳永シェフには、完熟のトマトを持ち込んだ。
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神保シェフは、お客様から好評だったと・・・、
「ロスティチェリア・リゾ」には、キュウリ、ナス、トマトが調理され、青山小学校野菜として(写真上)で販売された。
青山外苑前の老舗「増田屋」 の和食(写真右下)。
生徒達が栽培した野菜は、プロの技が加わって、青山に集う人たちにも広く伝わっていった。
同校からは遠くない、千代田区皇居外苑「楠公レストハウス」の安部憲昭シェフを訪ね、「EDO→ECOプロジェクト」の「江戸エコ行楽重」を食べている。
安倍シェフからは、地域の食材を使い環境に配慮した江戸時代の食文化を学んでいる。
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同区赤坂にある「TBSテレビ」の屋上では、「みつばち」を飼っているが、青山・里山にも飛んできていて、「ハチミツ」の採集(写真右)も体験した。
以上紹介した、写真等資料は、先日、竹村副校長にお会いした時に、いただいたもので、
これらの活動は、応募した「コカ・コーラ環境教育賞」で、大きく評価され優秀賞を受賞した。
北海道夕張郡栗山町の「雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウス」で開催された。
「今、里山では夏野菜が最盛期です。
こないだ、馬込三寸人参を植えました。
仕事は毎日あり、とても大変です。
野菜はたくさんの手入れが必要で時間をかけてようやくできます。
青山・里山が地域と、そして地域と地域がつながって、都会にも「里山」ができると思いました。
ぼくたちは「人」と「街」、「環境」と「文化」をつないで、青山をより魅力的な街にしていきたいです。」
フォーラムでは、生徒たちが堂々と「青山・里山プロジェクト」のプレゼンテーションを実施した。
青山・里山プロジェクトの皆さん、素晴らしい活動です。
引き続き、里山の管理、秋冬野菜の栽培を期待しています。
15日、竹村副校長からメールをいただいた
「本日、遮光ネットを張って、伝統小松菜、べか菜、三寸人参などを種まきしました。
少し気温が高過ぎるため、うまくいくかどうか心配ではありますが、
どうにか伝統野菜を何とか育てようと思います。
また、10月下旬に、神宮銀杏並木で行われる青山祭で HATAKE AOYAMAの 神保シェフの協力を得て、本校が伝統野菜の紹介を含めた出店を予定しています。」
江戸東京野菜を栽培していただけるとはありがとうございます。
今年の夏の異常気象の中で、頑張ってください。
青山祭に「出店」とは、生産から販売へ・・・、
消費者に手渡すことで、素晴らしい体験を、生徒たちはすることでしょう。